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知らない世界で街づくり  作者: 星野 シラセ
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第3章 19話 相場

2話UP分の2話目です。

やっとニルニア武器と防具の相場がわかりそうです。

廃墟の30階から拠点に戻ってきた。まだ昼を過ぎたぐらいだがオレが闇の主と戦ったと聞いたことでクロ、ティカ、ナミが体を震わせていたので、いたたまれなくなり戻ってきたのだ。


「大丈夫か?そんなに怖かったのか?」


「だって、ユウ様が大けがをして動けなくなっているんじゃないかって・・・心配で心配で・・・うぅ」


ティカが駄々っ子の様に地団太を踏みながらべそをかいている。背が大きくなったと言ってもまだ150cmぐらいなので子供っぽいが、もう年齢は25を超えているんだよな・・・。


まぁ心配させたのは間違いないので素直に謝る。


「ごめん、本当にごめんね。もうティカに心配させないから」


そういいながらティカを抱きしめてなだめる。


やっとの事で落ち着いてきたのでクロとナミにも声をかける。


「クロ、ナミ心配させて悪かった。ちょっと時間がかかりすぎたから余計に心配させたね」


「わたしは・・・ユウ様が無事で何よりですが、闇の主が実在したことに恐怖を覚えました。小さい時に親に口酸っぱく「廃墟の中で暗闇にあったらすぐに逃げろ」と言われていました。どれだけ怖いか言い聞かされていたのでお恥ずかしいところをお見せしてしまいました」


「クロさん、私がいるから大丈夫にゃ」


クロにはミミがいるから大丈夫だろう。


「闇の主・・・あいつは・・・あいつには近づかないほうがいいのよ。あの人たちの様に・・・」


うーん。ナミは重症だな。随分と昔から魔族との戦いのために力を持つ者と旅を続けてきたのでその中の記憶が蘇ったのだろう。


「ナミ大丈夫か?嫌な思い出を思い出させちゃったのか?」


「・・・昔、魔王を倒すための冒険者達と旅をしてたの。その中で未発見だった大きな廃墟を見つけて中に入ったんだけど、進むにつれて手に入るアイテムも貴重な物になって行くからさらに奥を目指したわ。そしたらあいつが、黒い霧を纏ったやつが出てきて・・・」


ナミはそこから言葉が続かない。たぶん一緒に旅をしていた仲間が何人かやられてしまったのだろう。ナミを身に着けていた奴だけ生き残り命からがら逃げてきたとかかな。


「辛いことを思い出させてしまったね。でも大丈夫だ。あいつはオレが倒した。それに今のナミならみんなを守ることもできるだろ?」


ソファーの上で膝を抱えて小さくなっているナミの頭を撫でて落ち着かせどのぐらいたっただろう。隣にはティカがオレにしがみついて寝てしまったようだ。どうにかみんな正気に戻ったようなのでよかった。


夕方ぐらいまでみんなでゆっくりと過ごした。


-----


夕食は比較的精神的ダメージの少なかったケンとガイが担当してくれることになったので、オレは一度闇族の住処を出て廃墟の前にいる商人に今までに手に入れたものとニルニアソードなどを売り相場を確かめることにした。


いつもの商人はいつもの場所にいた。ちょっと身なりがよくなったか?


「おーい、久しぶりだな。」


「!!兄さん待ってたよ!もう首が長くなりすぎて折れちまいそうになるほど首を長くして待ってたさ」


そういうと商人の兄ちゃんがオレにハグしてきた。オレにそういう趣味はないが俺に会えるのがそんなにうれしいのだろうか。まぁ金蔓だもんな。


「あれからずいぶん姿を見せないからいろんな方面の人からまだ来ないのかって催促がすごくてよ。それだけあんたの持ってくる品がいいってことなんだが、オレも困っていたところなんだよ。そんで、今日も持ってきてくれてるんだろ?」


前に持ってきたときに他の商人にも手伝ってもらってずいぶん買い取ってもらったから客先からいろいろ注文がついたのだろう。


「今日はそんなに量は多くないが、質はいいと思うぞ」


そういうと「ちょっと待っててくれ」といって他の商人を呼びに行ったようだ。


近くにいた探索者や他の商人も興味を持ったらしくこちらをちらちら見ている。たぶん商人の兄ちゃんが羽振りが良くなったから噂でも流れているんだろう。まぁ気にしないでおこう。


商人の兄ちゃんがこの前と同じ商人を2人連れて来た。


「それじゃいっちょ始めますか!!」


他の2人の商人も随分とやる気だ。


「今回は大きな麻袋に5つの商品だ。防具が結構嵩張っているので数はそんなに多くはない」


オレの言葉に3人はうなづいてまずは一つ目の袋を開けて中身を出す。


この袋は18階ぐらいまでに手に入れたものが入っている。ここらはだいぶ見慣れているので3人もさほど驚いてはいない。魔物の各部位を品定めしてメモしていっている。


次の袋は20階前後の物だ。珍しい魔物の部位もあるらしく一つずつ慎重に確認している。オレ達はあまり気にして狩っていなかったので適当に袋詰めしたのだが意外といい値段になっている。


次は28階までの魔物の部位だ。これには3人とも目を見開いている。


「なんだこの宝の山は・・・こっちはポイズンキャタピラーの皮膚、こっちは鎧ロッコの鎧部分だ」


「まてまて、こっちはスナップのうでもあるぞ。なんだこれは・・・もっ、もしかしてボスキーの毛皮か?」


「兄さんいくらなんでもこれは命がいくらあっても足りないぞ。でも俺らにしてみれば宝の山だ」


実際には価値がわからないが売れそうなので闇ストレージの中に入れておいたのだが、クロは高く売れるだろうと言っていたので間違いなかったようだ。


ちなみにポイズンキャタピラーは名前の通り毒を吐く芋虫だ。皮膚が硬くてクロやミミが手こずっていたのでオレがマテルソードで半分に切った魔物だ。一撃だったため、皮膚が大きく加工しやすいだろう。


鎧ロッコはいつも食べているロッコが鎧を着たような魔物だ。鎧と言ってもサイのように皮膚が固く進化し鎧をまとったように見えるだけだ。鎧はかなり固いが、鎧の間に攻撃を入れるとさほど苦労せずにやっつけることが出来た魔物だ。


スナップは大きなバッタだ。1mぐらいあり後ろ脚が異常に発達している。鎧を着た探索者でも奴の後ろ脚の攻撃をもろに受けたら命がないだろう。しかしマテルで足を片方でも傷つければただの的になる。


そして最後にボスキーはマウンテンゴリラのような魔物だ。体毛にマテルをはじく機能があるらしく、ティカが火のマテルを放った時確かに当たるコースだったが軌道がそれたことがあった。


腕力が強く捕まったらまず怪我は避けられない。腕をつかまれただけで骨を粉砕されるだろう。こいつは挑発すると怒り狂って直線的な攻撃しかしてこないので数人で連携して攻撃をすることで倒すことが出来た。


「これは大変なことになった。前回をはるかに超える品物だ。これを見たら貴族がどれだけの金を払うか・・・」


「いや、まだあります。次からは30階層で手に入れたものです」


そう言って、まずは闇の主をやった時のドロップアイテムを出す。剣は錆びてしまっているが、鎧や兜は傷はあるが大きな損傷はない。鎧が5つに兜が3つ剣が3本杖が2本だ。


「これはずいぶんと古いもののようだ・・・剣は使い物になりそうにないが、鎧や兜は傷があるが仕立てがいい。杖も使えそうだ」


「それの鎧と兜の素材はなんだ?見たことないな。・・・もしかしてニルニア鉱石か?うっすら赤いぞ!!!こりゃ大物だ」


オレも気づいていたのだが、うっすら赤いのでニルニア鉱石で作ったものだろうと思ったが、純度が低いのだろう。ズズたちが作ったものとは比べ物にならないほど色が薄い。


商人たちが値段を話し合っているところに最後の袋を出す。これはズズが作ったニルニア鉱石の剣1本、胸当て1つ、盾1つだ。


「これが最後の袋だ。これはその鎧よりさらに驚くだろう」


「もったいぶらずに出してくれよ」


オレが袋から品を出すと、3人の商人どころか、他の商人や探索者でさえも周りに寄ってきた。


「こっ・・・これは・・・こんなきれいな剣は見たことない」


「剣だけじゃねぇ・・・胸当てと盾・・・これは一つ一つ売るより1セットとして売った方がいいかもしれないな」


そう、この3つはセットで使ったほうがいいのだ。ちゃんと3つを装備した時のシルエットを考えてデザインされている。


でもたぶんどっかの馬鹿貴族が金にものを言わせて買うんだろう。宝の持ち腐れになるが買う人がいるならそれでいいとズズたちも言っているので気にせず売ることにする。


「この3点セットだけでも今日売ってもらうものを超える金額になりそうだな。兄ちゃん悪いがこれはかなりの金額になる。買い手が出てからじゃないと金が払えないから後払いになるがいいか?そのほかの物は今日買い取るからよ」


「いいですよ。しかしこの街を出るまでに金額を知りたいのですが・・・」


「わかった、5日待ってくれ5日後の昼にここで金を渡すことにする。最低でも金コイン10枚にはするからそれまで待ってくれ」


「わかりました。それでは5日後の昼にまたお伺いします。その時また売れるものがあれば持ってきます」


5日後に会う約束をして今日はお開きとなった。ちなみに今日売ったものは金コイン3枚になった。それだけでも3百万。ニルニア鉱石で作ったセットは1千万になるってことだから相当な金額だ。


今のところ月に作れる数が2セットぐらいだから当分は値下がりしないだろう。でもここの商人にだけ売っていたらいつかは値下がりしていくだろうからちゃんと御用商人を確保しないとな。


闇族の住処に戻りみんなと食事をとる。食事中にみんなに物を売った金額を話ししたらフォークの動きが止まった。


「私達、数日廃墟に入っただけで金コイン3枚・・・こんな稼いだら堕落しちゃいそうね」


ケンが小さな声で自分たちの稼ぎの大きさを驚いているようだ。単純に3日ぐらいで3百万、7人で活動したから、一人1日14万稼いでることになるんだからさすがに驚くだろう。


週休2日で20日ぐらい廃墟に潜ったら、一人月280万の計算だな。探索者が多いのも分かる。だが命がかかっているのでハイリスクハイリターンなのは確かだ。


「命がかかってるんだ。みんなが頑張ってくれたおかげで無事ニルニア鉱石でズズたちが作った武器と防具も売れそうだからとりあえず5日後までは各人自由に過ごすことにしよう。みんなに報酬を配るぞ」


そう言って一人銀コインを2枚ずつみんなに配る。するとみんな1枚ずつ返してきた。


「私たちは1枚あれば十分です。後はユウ様がお受け取りください」


クロが代表して話をしてくれたがみんな同じ意見のようだ。


「わかった。ありがたくいただくよ。でも何か必要なものがあるときはちゃんと俺に話してくれよ」


そういってみんなで食事を勧めた。


-----


5日間は自由時間なのでティカと買い物に出かけた。いろいろと買いたいものがあるらしいので荷物持ちを買って出たのだ。


「ユウ様は普段着ている洋服はあまり種類が多いとは思わないのですが、何か買ったりしないのですか?」


「そういえば特に気にしていなかったな。前に普段用の服を買ったけど、村にいるときは簡単な村人服?を着てるし、出かけるときは少し身なりのいい商人服を着てるぐらいだな」


服を洗うマテルがあるのできれいだしあまり気にしていなかった。


「それではいい機会なのでユウ様の服も買いに行きましょう」


やはり女性は買い物が好きなのだろう。オレの服をあれこれ考えて選んでくれている。


「これがいいと思います。お似合いです!」


選んでくれたのは貴族が着ているような仕立てのいい軍隊の将校が着ているような服だ。まぁ恰好はいいがいつもこれを着ていると疲れてしまいそうなのでやんわり断った。


「それではこれがいいと思います」


次はもう少しラフな普段でも着ていられるような服だ。今の物よりいい生地で大商人の旦那が着ていそうな服だが色合いも落ち着いていてオレの好みとも合うので買うことにした。


せっかく選んでもらったのでオレもティカに服を選ぶ。ここは彼氏らしくプレゼントをしよう。


「ティカ、こんな服はどうかな?」


いつもシンプルなワンピースを着ているので、今日はきれいな水色のワンピースを勧めてみた。ところどころに宝石のようなものがあしらわれ裾や襟、袖にもレースが使われているのでかわいい見た目だ。


デザインがいいためかケバく見えないところがいい。


「地味な私には・・・でもユウ様が選んでくれたものなら着てみたいです」


OK即買いだ。自分でお金を払うと言い出したティカに「彼氏として買わせてくれ」と言ったら真っ赤になりながら引き下がってくれた。


銅コイン1枚=1万円だから服としては高価なものだ。こちらの世界では服は大きな鉛コイン3枚=3000円ぐらいが相場だ。あまり安いものをプレゼントしてもけち臭いし丁度いいかな?


後はいろいろ日用品を買ってから家に帰った。


次の日はお互いに買った新しい服を着て食事を食べに街に行ったが、ウィンドショッピングをしていると「お若い奥様」とか「旦那様奥様におひとつ」とか声をかけられ気恥ずかしかった。


-----


5日経ってから商人のところに顔を出す。


「おっと、兄ちゃん来たな。約束通りあの武器と防具を売った金を渡すぜ。とある貴族に金貨15枚で売れたぞ!、ここから俺達の取り分を引かせてもらって金貨12枚でどうだ?」


「問題ありません。その金額でいいですよ」


「そりゃよかった。また手に入れたら持ってきてくれ。絶対に他にもっていかないでくれよ」


商人の兄ちゃんに挨拶して闇族の住処にもどる。戻るときは一度街の方に行って人目につかないところに移動してから光のマテルで光学迷彩を使ってから廃墟の中に戻った。


それからナミの力で村に戻る。


今回は村の広場に転移してもらったが、信じられないものを目にしてしまった。


その光景を目にしてオレとティカ、クロ、ミミが固まる。


「なんかわからないけど丁度いいところに足場があったわね」

「そうねいいところに止まり木があった感じだけど、安定しないから座っちゃった方がいいわね」

「ちょっと固まってないでそこらを走ってみなさいよ」

「そうよ走ってみなさいよハイヨーハイヨー!」


「何?!何々!?やめて叩かないでよ」

「意味が分かりません。やめてください。やめっ!やめてください」


オレ達が転移してすぐ、上空から鳥族の二人が下りてきたようなのだが、ケンタウロス二人の背中に丁度乗ってしまったのだ。どちらかというと鳥族が村に降りてきたところにオレ達が現れてしまったというほうが正しいだろう。


そしてそのまま馬に乗るようにまたがり、尻をペシペシ叩いて走らせている。


こわい。無性に怖い。なんかカオスすぎて言葉が出ない。ケンタウロスを乗りこなすジュウシマツ・・・怖い。


その日から鳥族の二人は何が気に入ったのか、ケンガイコンビの背中を狙って降りてくることが多々見られるようになった。

ケンとガイの悲運、鳥族の二人はケンガイコンビの背中を気に入ってしまったようです。なーむー。

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