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知らない世界で街づくり  作者: 星野 シラセ
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第3章 17話 探索と休憩

今回upの2話のうちの2つ目です。

やはり食事は良く動いた後に食べるといつもよりおいしいですよね。

オレが気を失ってから1日が経ち、夕方に目を覚ましたオレはすっきりとしない重い頭を振りながらリビングに向かう。


「ユウ様、お目覚めになられましたか。昨日は皆心配しておりました。気分はどうですか?」


オレがテーブルの椅子に座るとクロがお茶をすかさず持ってきてくれた。


「ありがとうクロ、ちょっと頭が重いけど大丈夫。なんかあまり覚えてないんだけどオレってどのぐらい寝てた?」


「はい、昨日の夜ナミ様に力を注いていた時に何かがありナミ様が神化(しんか)されました。そのあとナミ様にビンタされ、倒れられて丸一日寝ておられました」


しんか?なんか神様とそんな話をしていた気がする。そのあと幼女に会って・・・あぁそうか。ナミが幼女に変わってビックリしたかも。


そんな風にボーっとしながら状況整理しているとリビングにミミとティカ、それに・・・ナミ?が入ってきた。


「あら、やっと目覚めたのね。まぁ私の体を見たんだからそのぐらいで済むなら安いものよね。それにしてもまさかあんたが神化させてくれるとは思わなかったわ」


「あぁ、ナミはいつもオレとティカとしか話が出来ないのがかわいそうだと思って、神様に聞いてみたんだ。そしたら神化?とかそういうのが出来るって。なんかオレの神秘の力が低級の神様と同等とかどうとか言ってて、俺ならできるだろうって。それからはなんかよくわからん」


なぜかみんな固まった。途中からケンとガイも部屋に入ってきたが、もれなく固まった。


「ごっごごしゅじんさま??!あなた、かかかっ神様とお知り合いなの?それに神様と、同等の力って・・・規格外だわね」


ケンが珍しくオレと距離をとっている。ん?なんかみんなの視線がオレに集中しているな。


「知り合いってほどじゃないけど、この世界に来たのも神様からのお願いだし、たまに連絡とってる程度だよ。まぁ神秘の力はちょっとずつ練習してたからそれで増えたみたい」


「はぁ・・・。今までに何度も驚かされましたが、だいぶ慣れた今になりまた驚かされるとは。本当に規格外のお方です」


クロが呆れたように話す。


「こんにゃことで驚いてたら身がもたにゃいにゃ。それにどんなユウ様でもいままでとかわらにゃいにゃ」


ミミ、うれしいこと言ってくれるじゃないか。


「そうですね。私もどんなユウ様であろうとお慕いいたしております。これからも変わらず一緒にいていただきたいです」


ティカ・・・かわいい奴だ。


「なに?それは惚気?私に見せ付けているの?愛人のあたしに?悔しい・・・でも私は耐えるわ」


ケンがうるさいが無視をしておく。相手をすると余計に図に乗るタイプだからな。


「まぁ私も念願かなって神化できたし、感謝しているわよ。この姿になれれば自分で神秘の力を取り込めるから楽なのよ。それに前の竜の涙の形にも戻れるからティカちゃんを守ることもできるわ。ありがと」


ナミ・・・なんだよな。見慣れないから違和感があるが、感謝をしてもらって悪い気はしない。


「でも、なんで私はこんな姿なのよ。もっとこうボン・キュッ・ボンなセクシーなお姉さんとかなかったの?これじゃ子供じゃない」


「そんなこといわれてもなぁ、無意識にイメージが構成されたのかもしれないな」


うーんなんでだろう?神様はイメージが大切って言われた時に、ナミが人になった時のことを考えたのだが、どうしてもおとなな女性をイメージできなかったからかな?


ピーピーうるさいのが子供の癇癪のようなイメージを持ってしまっていたのだろうか?


角と羽が生えているのは竜のイメージだろう。角に触らせてもらうと鹿の角の様にほのかに温かかった。


竜の羽ってもっと蝙蝠みたいなものだけど、妖精みたいな羽でよかった。さすがに蝙蝠みたいな羽が生えていたら完全に悪魔なイメージになってしまう。


「ナミは見た目が変わったけど中身は変わっていないようで安心したよ。これからも俺たちと一緒に居て力を貸してもらえれば嬉しいよ」


「何よ改まって。あんたに頼まれなくても私はティカちゃんとずっと一緒に居るわよ」


そんな会話を聞いてみんなも笑っている。ナミも何だかんだいって嬉しそうにしている。こういう他愛もないやり取りでも今まで参加したくても出来なかったのだから楽しいのだろう。


----


次の日、昨日1日寝て過ごしてしまった分を取り返すためにも今日は朝から廃墟の探索を行う。


ナミは神化した状態で行くようだ。とりあえず槍を杖代わりに渡しておいた。ティカの近くに居れば竜の涙の状態と同じ様に守ることは出来るらしい。本音としては今までサポートばかりしていたので自分でも倒してみたいのだろう。経験を積ませることも必要なので今回は神化したまま探索をすることとした。


15階に転移して一匹だけの魔物を探してナミの手慣らしをする。体は小さいがその分スピードが速くミストビーを難なく倒していた。これなら問題ないだろう。


俺たちはそのまま足を進め23階まで来た。


ここらまでくると俺たち以外の探索者を見ることは無い。かなり強いパーティーでも20階が限界らしい。さすがに日帰りですぐ帰ることができないので荷物も多くなるし、魔物も強くなるので夜安心して眠ることも出来ず疲労がたまるのでここらが丁度限界になるらしい。


それを超えていける俺たちは少しずるをしているが、それを差し置いても他の人たちより連携が取れレベルが高いのがわかる。


ケンやガイも一緒に戦うことに慣れてきて、後ろからの弓のフォローが正確になってきている。連携がうまく行っている証拠だろう。


もうすぐ昼ぐらいの時間のため周りに魔物がいないことを確認して休憩を取る。食事は朝作っておいたホットドックだ。ソーセージがあったのでオレがささっとパンに野菜と一緒に挟み闇ストレージに保管しておいた。


食べるときにププカのみで作ったケチャップのようなソースを掛けたが、これがうまかった。みんなにも結構好評でケンとガイは一人5個ずつ食べていた。戦って動いているのでお腹が減るのはわかるが、オレはさすがにそこまでは食べることは出来ない。


そのあと少し休憩してさらに先を目指す。今回の目標は35階だ。たぶんまだ誰も足を踏み入れてないだろう。だからニルニア鉱石の武器や防具が出てきても不思議ではないし、もっと珍しいものも出てくるかもしれない。


25階まで行くと魔物の強さも上がってきた。今までは1匹5分で倒していたものが1匹に10分程度かかる。まだ余裕があるのでどうってことはないがオレ以外の強さを考えると慎重に進んだ方がよさそうだ。


この階では、初めて見る魔物がいた。岩の体を持つゴーレムに似ているが、岩ではなく氷の体を持つゴーレムだ。


クロ、あの魔物知ってる?」


「あれは確かアイスマンですね。氷をまとったゴーレムです。ゴーレムは知識が低く単調ですが、アイスマンはマテルを使います。戦うときには注意してください」


そういえば、岩族をこの前村に迎え入れたけど、岩族とゴーレムって何が違うんだ?


「ちょっと聞きたいんだけど、岩族とゴーレムって違いはなに?」


「岩族は知能があり、会話も出来ますので人との共存が出来ます。ゴーレムは知能が低く会話ができない。さらに攻撃的で人を襲います。また、身体的にはゴーレムの方がかなり大きいですよ」


そうか、岩族は2m程度だけど、ゴーレムは3mを超えるらしい。アイスマンはアイスゴーレムのことを言うらしく、マテルを使うのでちょっと厄介だ。


「ありがとうクロ、そしたらオレがまず先行するからフォローお願いね」


みんな頷いてくれたので、オレはアイスマンとの距離をつめる。本気の踏み込みのため一瞬で距離を縮めアイスマンのすぐ下から炎系のマテルを圧縮し体に向けて放った。


見た目は手の平に乗るぐらいの初級の火のマテルに見えるが、熱量を圧縮しているので白く光り輝いている。アイスというぐらいだから熱には弱いだろう。


俺の放ったマテルがアイスマンに届くと、アイスマンの体を溶かしていく。アイスマンも必死に冷気を展開して体を保持しようとしているが、俺のマテルの熱量の方が強いらしく1分ぐらいで解けてなくなってしまった。


・・・周りにすごい量の水蒸気が立ち込めている。幸いなことにアイスマンが出した冷気と混ざっているため熱くはない。しかし落ち着くまでは何も見えないな。


失敗したと思いながら仲間の元に戻ると、またケンとガイが固まっている。


「ごめんごめん、氷を溶かそうと思って炎のマテルを使ったら水蒸気になって消えちゃったよ」


「ご主人様、初級の炎のマテルなのですか?」


ガイが珍しく質問をしてきた。


「初級かな?熱量は増やしているけど一応初級のマテルだね。あれでも爆発しないようにいろいろ調整してるんだよ」


「あれほどのマテルの威力でも調整していると・・・ユウ様はやはり計り知れませんね」


「そうか?誰でも真似すれば出来ると思うぞ。ただみんなやっていないから出来ないだけだと思うよ。今度みんなにも教えるよ」


とりあえずアイスマンは倒せた。一人で倒しちゃったのはまずかったかな?次に出てきたらみんなに任せてみよう。


そして強くなっている魔物を何匹も倒し、使えそうな素材を集めてストレージに入れていく。


今日は28階までで一度拠点に戻ることにした。さすがに敵も強いためみんなも疲れているようだ。


オレはまだまだ体力に余裕があるので夜ご飯の準備を引き受けた。今日は疲労回復にいい豚肉・・・ではなくロッコ肉を使った料理だ。


ロッコ肉は定期的に闇ストレージの中に補充して入れてあるので不足することは無いだろう。


今日のメニューはとんかつだ。とんかつはまだこの世界にきてから食べたことがない。キャベツに似た野菜を見つけてから、無性に食べたくなったのでいつか作ろうとしていたのだ。


まずはロッコの肉を1.5cmぐらいで切る。今回はみんなお腹へっているだろうから大き目のものを作る。


はじめにクッカの卵を溶いたものと小麦粉を準備しておく。そしてパンを乾燥させて細かくしたパン粉も準備しておく。


肉を切って小麦粉をつける。そして卵をつけてからパン粉をつける。この作業を淡々と行い、揚げるための油を熱していく。


パン粉を一つまみ油に落とし泡の出ぐあいを見る。うん、温まっているようだ。


とんかつを1枚ずつ入れてあげていくと、揚げ物特有のにおいに誘われてミミが姿を現した。


「いい匂いだにゃ。テーブルの準備は出来ているにゃ、手伝うことがあれば手伝うにゃ」


「ミミありがとう、でももう少しで出来るからみんなと席についていてくれ」


そしてキャベツに似た野菜、グルパを千切りにして皿に盛り、とんかつを切って上に乗せる。そしてソースに近いスータと塩を準備して完成だ。


ご飯はさっき炊いたので炊きたてを茶碗に盛る。明日の昼飯はカツサンドもいいな。


とんかつをテーブルに持っていくとみんな疲れていた顔がほころぶ。やはり飯を食べなきゃ元気は出ないよな。


「これはオレの国で食われていた肉料理だ。とんかつっていって、ロッコ肉を油で揚げてある。スータか塩を好みでつけて食ってくれ。それではいただきます!」


「いただきます」


俺に続いてみんなが言うと、食事が始まる。まずはミミがとんかつを口に運ぶ。


「おいしいにゃ。周りがさくさくしているけどお肉が柔らかくて食べ応えがあるにゃ」


うんうん。そのサクッ、ジュワーのハーモニーがとんかつの醍醐味だ。オレも大好物だが、オレは塩とからしをつけて食うのが一番好きだ。でも今はからしが無いのが悲しいが塩だけでもうまい。


「これはいつも食べているロッコ肉とはまた違う食感ですね。特にお腹が減っているときは食が進みそうです」


クロも気に入ってくれたようだ。


「ユウ様、この料理も後で教えてもらえますか?私も作れるようになりたいです」


「いいよ、後で教えてあげるね」


ティカも気に入ってくれたようだ。自分のレパートリーに加えてくれるみたいだから今度はティカが作ってくれるとんかつを食べられるな。


本当はとんかつもティカが一緒に作ってくれるといっていたが、探索で神秘の力をかなり使いへろへろになっていたので後で教えると約束して休ませていたのだ。


「あんたの作る料理は一度食べてみたかったのよね。みんなおいしいって言ってたけど私だけ食べられなかったから」


そうだよな。ナミはずっとみんなが食事している姿は見ていたのだろうけど、実際に食べるのはここ最近になってからだ。


ナミは神化してからは食事と睡眠をとることで神秘の力を回復することができるようになった。まぁ人と同じになったということだろう。ただ、オレの魔力補給でも回復ができ、緊急の場合は魔力補給の方が早いらしい。


ん?そういえばケンとガイは静かだが・・・おう?!無心にむさぼりついているな。そんなにおいしかったか?


「ケン、ガイ、そんなにとんかつを気にいったのか?」


「ごしゅ・・・ムシャムシャ・・・じんさまの料理はほんと・・・ムシャムシャ・・・格別よね」


「これはすごくおいしいです。いつものロッコ肉とはまた違うおいしさがあり癖になりそうです」


「ケン、口の中に物が入っているときに無理にしゃべるな。行儀が悪いぞ。ガイもおかわりあるからそんなに急ぐな。喉につかえるぞ」


みんな気に入ってくれたようでなによりだ。オレも久々に食えて満足した。やっぱりとんかつには米だな。キャベツもどきのグルパもとんかつに良く合う。


おいしいものを食べてゆっくり休んで明日もまた探索を頑張ろう。

この話を書いている途中で「今日の夜はとんかつだ!」と考えていましたが、すでに他のおかずが用意されていました。明日こそはとんかつを・・・。

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