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知らない世界で街づくり  作者: 星野 シラセ
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第3章 14話 感情

また濃いキャラが増えた・・・。ケンも黙ってはいないでしょう。

クロがミミを捕まえて戻ってくるまでに時間がかかるだろう。戻ってくるまでにオレはティカから事情を詳しく聞くことにした。


「ティカ、猫族と鳥族ってなんで天敵なの?」


「なぜか知りませんが鳥族は猫族を見ると遊びたくなってしまうのだそうです。散々体をこすりつけた挙句、卵でも温めるように猫族を大事に抱えて離さないそうです。猫族は毎回逃げ出すらしいのですが、鳥族の執念もすさまじく見つけるたびに同じことをやるようです」


それは嫌だな。あんなジュウシマツみたいなやつに体をすりすりされてもうれしくない。それに目が笑わないから怖い。


全身鳥だったらまだかわいいが、中途半端に手首から先と体、足は人間だから余計に怖い。


「それが原因でこのリーテカイトの大陸には猫族が極端に少ないんです。昔この大陸の猫族がガルガバルに逃げてきて住むところを分けることにしたとか」


そりゃそうとうだな。猫族が鳥族を嫌がるのは本能なのかもしれないな。


「前にミミさんから聞いた話だと、小さいころによく悪いことしたら鳥族が来るぞって親に言われていたそうです」


あぁ。そりゃ怖がるわけだわ。いや失敗した。衝動買い・・・と言っても金額がデカいが、みんなに相談してからがよかった。


「そっか。ミミに悪いことしたな。とりあえずこいつらはオレがちゃんと言い聞かせるから、ミミが戻ってきたら言ってもらえる?」


「わかりました」


それからオレは馬車の荷台に乗りみんなに話をし始める。とりあえず全員に言う事は村の住民として協力してもらいたいということ、奴隷契約を解除することを話した。


これに関してはみな喜んでいるので良しとしよう。


次に鳥族の二人に話をする。


「鳥族の二人は、うちの猫族のみんなには手を出すなよ。遊んじゃダメだ」


「・・・そんなこと言われたって本能だもんどうしようもないわよねぇ」


「そうねぇ私達もどうすればいいかわからないもん。なんだろう。体の奥底から湧き上がる思いっていうのかな。熱い思いが込み上げるかんじ?」


「そうそう、もう遊びたくて仕方ないって感じよね。だって猫ちゃんかわいいんだもん。あぁ考えてたらまた遊びたくなってきた」


・・・うぜぇ。こいつらハイパーうぜぇ。オレが嫌いなものの一つにコギャル風にしゃべる女性というものがある。別にそういう人が居てもいいと思う。でもオレの好みではない。


勝手に二人で話盛り上がってるし。なんか病的だよなこいつら。病的?病気みたいなものなら治せるか?


「ちょっとみんな、体に悪いところないか調べるから目をつぶって静かにして両手を俺の方に向けてくれ」


最近は一人ずつではなくいっぺんに神秘の力を使った診察をできるようになったので一気に行う。


みんなそれぞれ心の闇みたいなものはあるけどそれをすべて取り除くことはしない。これは本人が克服しなくちゃいけないものでもあるからだ。しかしあまりにひどい場合は手助けとして少し手を加える。


今回は鳥族以外の3人は負の力の流れを少し抑えるように手を加えた。


そして鳥族の二人は、変な力の流れを感じ取った。それぞれの感情を感じる場所があるのだが、猫族を見ると変なスイッチが入るらしく負の感情が正の感情に流れてしまようだ。


だから本当は鳥族は猫族が嫌いだったのだろう。相当な負の感情が発せられるようだが、嫌いという感情が変なスイッチにより大好きに変わってしまうのだ。


一番簡単なのはこの流れを正常に戻してしまえばいいが、負の感情がそのまま流れると鳥族の命に係わるかもしれない。だから、負の感情を抑えるように変更を加えた。


これで効果が表れるかわからないが、自分を見失うほどの暴走はしないだろう。


「あっ!ユウ様、ミミさんとクロさんが戻ってきました」


丁度いいタイミングだ。オレは鳥族の二人に治療を施しそのまま馬車を下りる。


「ミミ悪いことをした。オレは何も知らないで買ってしまったからミミに辛い思いをさせちゃったね」


「ユウ様は悪くにゃいにゃ。ただ、猫族と鳥族は昔からこうだにゃ」


「ミミ、帰ってきてすぐで悪いが、ちょっと鳥族を呼んでくるので我慢してくれないか?たぶん襲ってくることはない。もしやばくなったらオレが鳥族を気絶させる」


「・・・わかったにゃ。がんばるにゃ」


馬車から鳥億二人を降ろし、ミミのところへ連れていく。


「あら、子猫ちゃん。かわいいわね。でも・・・何だろう、少し悲しいわ」


「わたしもわたしも、すっごくかわいいっと思っているのに、なぜか悲しいのよ」


「でもやっぱりかわいいわ。前みたいにすりすりしたいとは思わはいから・・・眺めるだけでもいいわね」


感情のコントロールだからまだ調整する必要があるだろうが、とりあえず第一段階はクリアだな


「こっ、これにゃら大丈夫にゃ」


ミミも今ぐらいなら大丈夫らしい。


「今後もオレの方で面倒見るからミミも苦労かけるけどよろしくね」


それから内陸側の街の入り口を出て、近くの人気のない森の中に移動する。


「ナミちゃん、モーン村までお願いできる?」


(いいわよ!ティカちゃんの頼みなら何でも聞いちゃう。それじゃ行くわよ)


いつものようにまぶしい光に包まれたかと思うとすでにモーン村に着いていた。


オレとティカで交代しながら3日に1回はモーン村に戻りヴァンスさんと話をしていたので村では特に問題は起こっていなかった。


「あら?お帰りなさいユウ様、もう隣の大陸に行ってきたのですか?」


村の広場にはオーク族のマーラさんがいた。丁度夕方の水撒きを終えて畑から戻ってきたところだったらしい。


「ただいまマーラさん。また仲間が増えたからみんなに紹介するね」


それから村のみんなを集めて紹介をしようとしたが、やはり鳥族が馬車から降りてきたところでみんな固まった。


猫族の面々は「シャーっ!」と威嚇して木の上に登ってしまったぐらいだ。


事情を説明してどうにか落ち着いてもらったけど、気疲れしてしまった。


それからはいつもと同じく歓迎会と風呂だ!岩族はベジタリアンらしい。必要に迫られない限り野菜だけを食べるとのことだ。


鳥族は肉より魚が好きということなので、今日は焼き魚も作った。村の横を流れている川は魚が豊富だからすぐに釣れるためかなりの量の魚を用意できた。


ズズたち職人チームは岩族と話をしているようだが、話し声があまり聞こえない。でも身振り手振りで説明をしているみたいだから問題ないかな?


そしてある意味メインイベントの風呂だが、岩族は入っても洗うところがあるのだろうか?


「クロ、岩族って髪があるわけじゃないし・・・風呂に入るかな?」


「岩族は体に苔が生えてしまうため結構頻繁に水浴びするんですよ。だから風呂は好きな種族だと思います」


そうだったのか。苔って・・・。まぁ石だから生えるか。でも風呂好きなら別に風呂を用意してあげてもいいかもしれないな。結構体が大きいし一緒に入って他の人に体が当たると結構危険だ。


そんなことを考えながら久々の風呂に入りゆっくりと旅の疲れを流した。


-----


新しい仲間を紹介し、住む場所も用意して落ち着いたある日、鳥族の二人を連れて村の広場で話をしていたら、ゾクっと寒気がして振り返った。


「・・・ケン、無言でオレの後ろにいきなり立つのやめてくれないか。怖い」


「なによ!なによ、なによ、なによ!私がいるのにまたこんな泥棒猫を連れてきたのね!私悲しいわ」


また始まった。新しい村の住人に女性がいるとケンはジェラシーを感じるらしくヒステリックになるようだ。だか俺には関係ない。


「うるさい、オレはいつお前の彼氏になったんだ。ついでに猫じゃない鳥だ」


「泥棒鳥を連れてきたのね!憎い、ごしゅじんさまの愛を受けられるあんたたちが憎い!!キーーーー!!」


オレは無意識にケンの頭をひっぱたいた。だいぶ力を弱くしたがケンは両手で頭を抱えて痛がっている。


「師匠、毎回ワンパターンで芸がありませんね」


何この的確な指摘!!と、思っているとケンの後ろからガイが走ってきた。ガイと話するのも久々だな。相も変わらずデカい。


「ガイ、お前はいつも的確な指摘をするなぁ。感心するよ。やっぱりケンにはガイが突っ込みを入れるのがいいな」


「私はこんな馬か人族かわからない野郎に指摘されたくなんてないわよ!!」


「お前が言うな」

「師匠が言わないでください」


オレ達のやり取りを見て、鳥族の二人がいろいろと話し始めた。でもうるさいので気にしないでおこう。


それからケンのソフトタッチ攻撃を躱しながら鳥族の新居の調整に向かう。ガイも仕方なく後ろから着いて来るようだ。


なぜ新居の調整に行くのかというと、クロから今朝アドバイスがあったからだ。


-----


「そうえいば、鳥族の二人からちょっとした不満が出ているようなのですが、家の調整を彼女たちの要望通りに対応していただけますか?」


「不満?一応鳥族の希望があったから寝室には飼葉を敷いてふかふかにしたんじゃなかったっけ?」


「そうなのですが、他の箇所で不満があるようです。鳥族は住まいが気に入らないと元いた場所に戻ろうとするので、いつの間にか飛んでいなくなってしまう可能性があります」


そっか、鳥族は気に入らないと元いた場所に戻っちゃうんだったな。こりゃ急いでやった方がいいな。


-----


という会話があり新居の調整に行く途中なわけだ。


二人の要望としてはリビングと寝室の仕切りを外して大きな箱部屋にしてほしいらしい。


まぁ鳥小屋ってだいたい四角い箱に穴開けただけだな。そんな造りの方が安心するのかもしれない。


鳥族の二人に家の外で待っていてもらい、家の中でオレがちゃちゃっと壁を取り除く。


「終わったよ。また要望があったら言ってね」


「もう終わったの?もしかして村長さんはすごい人?」」


「すごい人よ。だって奴隷解放もしちゃうのよ。壁なんてちょちょいのちょいでしょ?」


「そうよね。でも偉そうなそぶりも見せないところにがニクいわよね」


「住み心地も前のところより良いし、村長さん狙っちゃう?ねぇ狙っちゃう?」


・・・鳥族ってこんなにうるさいのか?口を挟めないぐらい二人で会話を続けている。


「ちょっ、ちょっと待った。勝手に話を進めるな。オレの事を狙おうともするな!!俺にはちゃんと彼女がいる」


「そうよ!ごしゅじんさまには私という彼女が!」


「ケンうるさい、彼女はお前じゃない。ティカだ」


「ティカちゃんはいつも一緒だけど私の方がご主人様を思ってるのよ!!」


ケンが興奮してちゃんと話を聞いていないようだ。


「そういえば私達を買ってからも二人でイチャイチャしてたわね」


「そうね。あれは彼氏と彼女じゃないと出ない雰囲気よね。先約なら仕方ないわね」


鳥族の二人会話を聞いてケンがフリーズした。


「ケンそういうことだ。オレとティカは正式に付き合うことになった。もともと違うが、お前は俺の彼女じゃないんだよ」


「・・・」


鳥族の新居の件は片付いたからオレはもう戻ろう。


そう思い踵を返したときケンが再起動した。


「そっ、そう。それじゃ仕方ないわね。私は・・・私はごしゅじんさまの・・・愛人よ!」


「自称でも愛人とかいうな!!みんなが勘違いしたら面倒くさいだろう」


「ウフフ、愛人・・・少しぐらい苦難が待ち構えているぐらいの方が燃えるわ!!!」


そう言うとケンは走り去ってしまった。


「ご主人様もご苦労が絶えませんね。師匠のことは私にもどうしようもないので・・・失礼します」


ガイもケンを追いかけて行ってしまった。


オレはまた面倒くさいことになりそうだと思いながら村の広場に向けて歩みを進めた。

個人的にはガイの冷静な突込みが結構好きなんですが、周りに濃いキャラが多すぎて影が薄い・・・。ガイも頑張ってもらいたいです。

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