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知らない世界で街づくり  作者: 星野 シラセ
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第3章 07話 プラスアルファ

更新遅くなりましたが2話アップです。2/16


人員増強のため奴隷を購入してから2日後。約束の日になったため帰り支度を始める。


「ではみんな話をした通り今日村に帰るけど、一度街を出て人目につかないところに行ってから竜の涙の力で帰るぞ用意してくれ」


本来ならこのグングルトの別荘から一気に帰ってしまうのが楽なのだが、竜の涙の力をあまり他の人に知られない方がいいということと、ちょっとした理由で一度街を出てから竜の涙の力を使うこととした。


この広い屋敷だが、オレ達がたまに来るときに使うだけだともったいないからミルアン様に話をしてここを管理してくれるメイドや執事が自由に使っていい場所として提供した。


台所も広く、料理のレシピもティカがメモして残しているからいろいろと勉強することもできる。


それに自分たちで使うのであれば掃除や手入れも力が入るだろうから、宝の持ち腐れにしておくよりはよっぽど有意義な使い方になると思う。


オレ達が使うときには事前に手紙でも出しておいて夜の間に移動すれば見つかることもない。まぁ光のマテルで光学迷彩を展開しておけばもし見られても気づかれはしないだろう。


昼の軽い食事を取った後、家を後にする。


「それでは皆さん、お世話になりました。また来るときには連絡しますのでそれまでは自由に使ってください。ミルアン様にもよろしくお伝えください」


代表としてオレがメイドや執事の面々に挨拶をする。


「ユウ様には私達をメイドや執事以上の付き合いをしていただきうれしく思っております。淋しくなってしまいますね。またいらしてください。それまでには私たちもクッキーを焼けるようになっておきます」


おっ!それは楽しみだ。ティカと一緒に練習して作っていたが、初めに焼いたものは少し焼き過ぎてしまい固くなってしまっていた。


食べることはできたが、どちらかというとクッキーというより保存食系の食べ物になっていた。


「台所の棚に入っている砂糖は自由に使っていいですよ。あれだけあれば何回か焼くことはできると思います。それでは皆さんお世話になりました」


お手伝いさんたちに見送られながらオレ達は家を出て奴隷商のところに向かう。


今回は人数が多いが竜の涙の力で一瞬で移動できるため馬車は乗ってきた1台だけだ。途中までは元気な面々は徒歩で移動してもらう。体調の悪い人を優先で馬車に乗せよう。


奴隷商の前まで来ると何やらバタバタと召使たちが慌てているようだ。


「どうしたのですか?」


クロが召使の一人に話を聞いてくれている。


「先ほど奴隷を売りに来た商人がいたのですが、一人の鬼人族の奴隷が暴れだしまして・・・本来であれば暴れることなく苦しむのですが、どうやら前の奴隷商が掛けた奴隷の契約がうまく働いていないようなのです」


ん?奴隷の契約が働いていない?もしかして契約に失敗しているのか?


「まだ店の中で暴れており、他の奴隷も怪我を負ってしまっております。我々でどうにかしようと努力しておりますが。鬼人族の中でも力を持っている奴のようで奴隷を使ってもまだ取り押さえることが出来ないのです」


マジかよ。それじゃオレの奴隷もケガしている可能性があるのか?こりゃ早く取り押さえないとかなりの被害が出そうだな。


そこに、この店の店主の奴隷商が店から命からがらといった感じで出てきた。そして奴隷商を追いかけるように一つ目の鬼人族、ゲームなどで出てくるギガンテスと呼ばれるような大男が椅子を片手に持って外に出てきた。


眼は血走り、怒りに我を忘れており狂戦士(バーサーカー)となって暴れまくっている。


俺はとっさにマテルハンドを展開し奴隷商を手で覆うようにしてガードする。すると暴れている鬼人族が手に持った椅子で店主をたたきつけたが、マテルハンドに弾かれ椅子だけが破壊された。


「ちょっとまてまて!お前はなんでそんなに怒ってるんだよ?」


「ぐおぉぉぉ!」


だめだ、話が通じない。これはとりあえず眠らせて落ち着いてから話をするしかないな。


狂戦士となった鬼人族はそのあとも叫びながら店主を殺そうと腕を振り下ろしマテルハンドを叩いている。その騒ぎを聞きつけて周りの店や家から野次馬が集まり始めた。


オレのマテルハンドは一般の人には見えないだろうけど、マテルを使える人にはうっすら見えると思う。だからこのままこの状況を続けているのは俺にとってあまりメリットがないため、この場を収めるべく動き始める。


まずは別のマテルハンドを出して鬼人族を抑えてみる。しかし、予想以上の力で解かれてしまう。


眠らせることが出来ればいいが生憎そのようなマテルはまだ開発していないので、ここは力技で行くしかない。


そう思った次の瞬間には力いっぱいの踏み込みで飛び出し、一瞬で鬼人族との距離を縮めオレの倍はある大きな体の懐に潜り込む。


「おりゃっ!」


腰を落とし、鳩尾にパンチを一発素早くお見舞いする。


「ぐぇ?!」


間抜けな声を上げた鬼人族は息が出来なくなり膝をつき、そのまま前に倒れて気を失った。


ふぅ。とりあえずこの場は収まったな。オレは倒れてきた鬼人族を片手で抑えながら奴隷商に声をかける。


「大丈夫か?なんか店も大変なことになっているが、なんでこんなことになったんだ?」


近くで小さく丸くなり震えている奴隷商は俺を見て我に返ったようだ。


「はっ!!ゆっユウ様!ありがとうございます。ありがとうございます」


奴隷商はオレの足に縋り付いて泣き始めた。


まぁ命を落とすところだったから緊張が解けたんだろう。でもおっさんに縋り付かれてもうれしくはない。


「それが・・・奴隷を売りに来た商人がいまして、何人かの人族とこの大きな鬼人族を売りたいと来たのです。そして奴隷の所有者を私に切り替えようとしたところ突然こいつが暴れだしまして・・・。もうなにがなんだか・・・」


どういうわけだ?通常は奴隷となれば主人には逆らえないようになっており、その契約に逆らえば死ぬ苦しみを味わうから動けなくなるはずだが???


「ユウ様、この鬼人族はもしかしたら特殊な能力を持っているのかもしれません。狂戦士となる鬼人族の中に、稀に痛みや苦しみをまったく感じなくなるものがいると聞いたことがあります」


そうか、そんな能力を持っていれば奴隷になっても狂戦士化することで苦しみを味わうことなく暴れることは可能だ。でもなんでいきなり暴れたかわからない。


「なんで暴れたのか原因がわらかないな、とりあえずこいつは置いておいて、怪我人の治療するから怪我した人を店の中に集めてくれる?」


「承知いたしました」


クロとミミ、ティカの3人が店の中に入って行き怪我をした人を集めている。


俺は暴れていた鬼人族を担いで店の中に入って行こうとしたが、なんか周りの視線がいたい。オレが自分の倍以上ある鬼人族を軽く担いだことに野次馬がドン引きしたようだ。


えっ?そこまでドン引きしないでもよくないか?


「いやぁ、やっぱりあんたか。騒ぎを聞いて来たが様子を見ていたやつから聞いたら小さな男が一瞬で狂戦士を仕留めたって聞いたからどんな奴だろうと思って見に来たんだが、あんたを見て納得したよ」


「やぁオルミさん、オレは別にこいつを静かにしただけだよ。オレの買った奴隷もケガしただろうからちょっと頭に来てね」


「はっははは!ミルアン様が認めるだけの男だ!あんたはこの騒ぎでさらに有名になるだろうよ」


本当に勘弁してほしい。あんなデカい家をもらっただけでかなり目立っているのでさらに目立ってしまったようだ。


「俺は怪我人を手当てするから中に行くよ。まぁ野次馬をうまく言いくるめておいてくれ」


俺はオルミさんに軽く手を振り店の中に移動した。オルミさんがちょっと待て!!って言ってた気がするがもう振り返りたくない。振り返ったらいけない気がする。


店の中には怪我をした奴隷や召使たちが大勢集められていた。中には重傷な者もいる。


「クロ!面倒くさいから病気をしている奴隷も全員集めて」


どうせ後で治療するんだから一度にやってしまったほうがいいと思い、治療が必要な人は全員集めてもらった。


今回は人数が多いため両手に大量の神秘の力を集めて集中をする。そして一気に放出すると、神秘の力がドーム型に広がりけが人を包んでいく。


時間にして15分、重症患者の治療にはちょっと時間がっかかったけど、全員の傷、病気を治すことが出来た。オレが今回買った奴隷についても昔の怪我とかすべて治療したためみんな信じられないような表情で俺を見ている。


「みんなとりあえず怪我も病気も何もかも治した。まだ体調が悪かったり痛みがある人は言ってくれ」


しかし誰も何も言ってこないので完治したと思っていいだろう。


そこに奴隷商が入ってきて腰を抜かして座り込んだ。


「あぁ・・・召使たちが怪我を・・・?!治っている!!」


「オレの買った奴隷もケガしていたのでついでにみんな治しておきました」


するとまた奴隷商が俺の脚にしがみ付いてありがとう、ありがとうって泣きながらお礼を言っている。


奴隷たちも口々にお礼を言ってくれた。オレが買った奴隷たちは「この人なら・・・」とつぶやいたり「俺はあの方のところに行くんだ」などと周りに自慢する奴もいるようだ。


「とりあえず騒ぎは収まりましたが、この鬼人族はどうしますか?気が付いてまた暴れだしたら厄介ですよ」


クロの言うことはもっともだが、何で暴れだしたのかがわからなければ根本的な解決にならない。


「なんで暴れだしたんだ?ちょっとみんな、話を聞いてくれ。こいつが暴れだした理由が知りたいんだが、わかるやつはいるか?」


怪我を治療した奴隷や召使に声をかけてみたところ、申し訳なさそうに一人が手を挙げた。オレが買った鬼人族の女性だ。


「あの・・・その人は私の父なんです。私は家を飛び出して1年以上経つのですが、ここで私を見たとたんに「誰が娘を奴隷にしたんだって」言いながら暴れだしちゃったんです・・・」


そのあとも鬼人族の娘の話や奴隷商の話を聞いていたが、内容をまとめるとこうだ。


娘が家を出て行ってしまい意気消沈して働く気がなくなってしまった親父が借金を作り返済できなくなり奴隷となったが、この街の奴隷商に連れてこられたところオレに引き渡すために準備していた娘と鉢合わせ。なぜ娘が奴隷になっているのかわからず「誰が娘を奴隷にしたんだ」って叫びながらキレちゃったようだ。


「それではおっさんは君の言うことなら聞くかい?」


「はい、たぶん聞いてくれると思います」


それならいいや。一人増えても問題ないだろう。


「クロ、このおっさんも連れていくけどいいかな?」


「問題ないかと思いますが・・・狂戦士となった時は私達でも力では負けてしまうのでユウ様に頼ることになりますがよろしいですか?」


「いいよ。その時はオレがお灸を据えるよ。ってわけで、こいつも一緒に連れていくけどいいか?」


まだ足もとに居た奴隷商に聞いてみたところ、首が取れそうなぐらい大きく縦に首を振り連れていくことを了承してくれた。


そりゃそうだろうな。こいつが居たら店が今以上に壊れるだろう。


「それじゃあ、オレの奴隷となるメンバーはこれから移動するから店の外に出てくれ。クロ、打ち合わせ通りこの後街の外にある街道横の林の中で合流だ」


「承知しました。では失礼します」


それから奴隷を集めて外に出て、野次馬が集まる中人をかき分けて街の外に移動をはじめた。


鬼人族のおっさんはまだ気を失ってるので馬車の荷台にどうにか載せてそのまま連れていくことにした。病気や怪我をしていた奴隷もみんな治療したため歩くのは問題ないようだ。


門番の注目を浴びながらオレ達は街から出て歩みを進めた。

更新や書き込みの返信が遅くなっており申し訳ありません。

私は無事ですよ 笑

年度末で仕事も忙しく疲れて書く気力が・・・少しずつ書き溜めてアップします。

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