表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
知らない世界で街づくり  作者: 星野 シラセ
61/90

第3章 04話 巨大

オルミさんに連れられて歩くこと10分。


街のはずれにある閑静な住宅街を進んでいくと何やらおかしな場所に出た。


「ここだ。ここの屋敷がユウの屋敷になる。もともと人族貴族の別邸みたいだったんだが、悪趣味な装飾はすべて取っ払ってミルアン様の嗜好を取り入れた」


「・・・なんですか?この広さとデカさは?!」


そう、グングルトの街の外れに近い場所に鉄柵で囲われた敷地があり、その中に馬鹿でかい屋敷が立っていた。


屋敷自体はミルアン様の屋敷の5倍はありそうだ。そして柵に覆われた土地はサッカーコート2面ぐらいありそうだ。


「これはいくらなんでも広すぎですよ。こんなすごい家をもらっちゃっていいんですか?」


「何言ってるんだ。人族貴族をやっつけたのはユウだってオレは聞いているぞ。だが村があるから街はいらないと言ってこの地区の統治の権利を譲ったらしいじゃないか。そりゃこれぐらいの家もらったってまだ足りないぐらいだぞ」


確かに街をあげるから家1軒欲しいと言ったら、さすがにバランスが悪いかもしれないが、それでもこんなにでかい家はなかなか見ないだろう。


ミルアン様がお手伝いさんを派遣してくれる意味が分かった。5人ぐらいいないと掃除すらままならないと思う。


「安心しろ、家の中はお前たちが来た時しか人は入らない。家の周りの手入れだけは周期的にやると言っていた」


何から何まで手配済みのようだ。それだけ手厚くもてなしてくれているのはありがたい。そのうちこちらからもいろいろ持って来よう。


「ありがとう。さっそく家の中を確認してみる。お手伝いさんは明日の昼頃来てくれれば大丈夫だ」


「わかった伝えておくよ。それじゃまたな」


門をくぐり家の敷地に入ると芝がきれいに刈られており、寝ころんだら気持ちよさそうだ。


(しっかしすごいわね。こんな家ここらじゃ1・2を争うぐらいの大きさよ。これを見た時の反応を想像してあの女笑っていたのね)


(あの女とか言うなよ。俺達に友好的な人なんだがちょっとおちゃめなんだよ)


門から庭を歩いて玄関まで5分はかかる。広くていいが広すぎないか?


玄関も重厚な造りで彫刻が施された木のドアがつけられており、家の立派さを引き立てている。


家の中に入ると、シンプルながら一つ一つに匠の技が光る造りとなっていた。エントランスは吹き抜けで、正面に2階へと続く階段があり、階段を上った先には左右に分かれる階段がまたついている。


イメージは海外の中世の貴族が住んでいる城そのままだ。階段を上がった正面に大きな肖像画でも飾りたくなる造りだ。


それから家の中を散策してみると部屋数は12、応接間2、食事やパーティーなどに使う大きな部屋が1、キッチン1、トイレ5、地下室1だった。


ここなら村のみんなを呼んでも住めるぐらいの大きさだな。


もう夕方だし、みんなのところに一度戻るか。そのためにもナミに力をチャージしてやらなくてはならない。


(ナミ、もうそろそろ闇族の住処に戻りたいんだが力をチャージしてやるから移動してくれないか?)


(疲れるから嫌なのよ。まぁ少し足しになるかもしれないからチャージしてみて)


なんか、上目線なのがちょっと癪だが仕方ないので力を溜め始める。


(ちょっとなに?!なによそれ?!あなたそんなに力が?!えっなになになに?)


(うるさい!ちょっと黙ってろ。よし!とりあえずこんなもんかな?前にお前を起こしたときと同じぐらい力を溜めたからこれぐらいあれば大丈夫だろう)


(えっ?あたしを起こした?!何?何それ聞いてないわよ、嫌?!なに?あら?いい・・・この力すごく体に馴染むわ)


やっと少し静かになった。さすがに力が大きいのでいっぺんには注入できない。でも1分ぐらいですべての力を吸収した様だ。


(ちょっと聞きたいんだけど、私を起こしたのって神様じゃないの?私相当枯渇してたから人には無理だと思ってたんだけど)


(俺だよ。神様からお前を預けられたからとりあえず力を込めて起こしたんだよ)


(何それ!!聞いてないわよ!ティカちゃんも教えてくれなかったしひどいわ!でもこのやけに体に馴染む力は間違いないわね)


やっと納得した様だ。でも神様でなければ起きれないぐらい枯渇してたってどれだけ放っておかれていたんだよと突っ込みたいがぐっと抑える。


(じゃあ、移動お願いできるか?)


(仕方ないわね。でもなんかすごいお肌つるつるなったし、これからもたまにチャージしてくれれば移動はやってあげてもいいわよ)


なんかいきなりツンデレになったな。オレの力目当てか!!これだけが目当てか!!!って目くじら立てることでもないか。だってただの光る石だし。


そして、竜の涙が光ると一瞬で闇族の住処に移動していた。


「ただいま!」


オレが声を出すとキッチンの方からクロやティカが出てきた。


「遅かったですね。先に食事をいただいております」


「いいよ。ちょっと家が大きかったからいろいろ中を見てたんだ。オレもご飯食べようかな」


「大きなおうちですか?キッチンはどのような感じでしたか?」


クロに遅くなった理由を話していると、ティカがキッチンについて聞いてきた。やっぱりいつも使うところだから気になるのだろう。


「すごく大きいし広いよ。ここのキッチンより広いからみんなで料理しても大丈夫だよ」


「それはすごい楽しみです。また腕によりをかけて料理しますね」


それから夕飯を食べながら家のことを話しするとみんな興味深そうに聞いていた。


「ユウ様、本日の買い物ではいくつか手に入らなかったものがあります。グングルトの街で手に入らない場合はさらに先のターブルの港町に行くか、さらに海を越えて隣の大陸まで行く必要があるかもしれないとのことです」


ターブル?初めて聞いたな。海沿いの港町はちょっと行ってみたい気もする。しかし大陸を超えるとなるとまた大がかりだな。


「ターブルは大きい街なの?」


「いいえ、エーテハイムより少し大きいぐらいの街です。ただ、ここらでは一番近い海の玄関となっているので、他の大陸へ行くにはその街に行く必要があります」


うーん。どうだろう。大陸を超えていくとかなり時間かかりそうだよな。でもどうしても必要な物なら買いに行く必要はある。


「その手に入らなかったものはどうしても必要なものなの?あと、隣の大陸までってどのぐらいかかる?」


「はい、固いニルニア鉱石を鍛えるのに必要な薬剤のようで、ここらではあまり手に入らないとのことです。隣の大陸が産地のため行けば手に入ります。海路での移動については片道10日はかかります」


片道10日は結構かかるな。でもそれがないとどうしようもないなら仕方ない。


「クロ、その薬品はクロが見てもすぐわかる?それなら後で何人かで行くことにしたいんだけど」


「はい、私も実物を拝見したことありますのでわかります」


よし、決まった。とりあえず明日はグングルトに移動、今は手に入るものだけ買って帰り、あとでまた移動しよう。


食事も済んでお茶を飲みながらみんなに今後の予定を話す。


とりあえず明日移動して買い物し、その後一度村に帰り、そのあと何人かで隣の大陸に移動する。そして帰りは竜の涙で帰ってくる予定だ。


「わかりました。皆さんもそれでいいですね。それでは片付けを始めましょう」


クロの言葉を合図にみんなで動き始める。始めはオレは座っているように言われていたんだが、一人で座っているのは性に合わないため手伝うようにしている。


みんなでやればそれだけ早く終わるからね。


その日もみんな風呂に入り、オレは最後にゆっくりと入ることにした。


湯船につかりながらいくつか考える。


今俺のいる大陸はガルガバル、そして今度向かう大陸は隣にあるリーテカイト大陸というところだそうだ。ガルガバルより広いが山が多く移動が困難なところが多いらしい。


しかし鉱石が多くいろいろな鉱石を掘り出しそれを商売にしている人が多いためニルニア鉱石を加工するのに必要な薬品もあるのだそうだ。


その薬品はニルニア鉱石以外にも固い魔物に振り掛けると柔らかくなるので冒険者たちが買うこともあるらしい。ただ、値段が高いため品数が出ず流通量も少なくなってしまうのだそうだ。


この世界に来て初めてガルガバル以外の大陸に行くので少しワクワクしている。


その日は寝るまでいろいろ考えながら寝たためか、ナミにひたすら小言を言われ続けるという最悪な夢を見てうなされてしまった。


次の日は朝から準備をして竜の涙の力でグングルトの別荘に移動する。


「初めに言っておくけど、驚くなよ・・・フフッ」


オレは口元を抑えて笑いをこらえる。そうか、ミルアン様はこういう気持ちだったのか。


いたずらをする時の子供の様に相手の驚く表情を想像して思わず笑ってしまったのだ。


(あんたいい性格してるわね。あの女と同じ顔になってるわよ。まぁわからなくもないけど)


なぜかオレの首にかけていなくてもナミの声が聞こえるようになった。ナミによれば、力をチャージしたことでナミの力自体が強くなり声が大きくなったようだと言っていたが・・・謎だ。


そして移動してすぐのみんなの言葉は


「でかっ?!」


であった。オレはその様子を見てまた笑うのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ