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知らない世界で街づくり  作者: 星野 シラセ
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第3章 03話 ツン?

意外なキャラと会話ができるように!

今回の移動は竜の涙の力でエーテハイムの闇族の住処まで移動するが、妖魔のズズ、ホツ、シナが一緒だ。


ニルニア鉱石を加工するために必要なものを買うため、本人たちを連れて行き直接いろいろ見てもらうためだ。


「ユウ様、俺達は竜の涙の力で移動するのは初めてだからちょっと怖いんだが・・・本当に大丈夫なのか?」


「大丈夫大丈夫!何の心配もいらないよ。気づいたら着いてるから、じっと立っていればいいよ」


そう言っても、やはり緊張しているようで表情が硬い。


「それでは皆さん準備はよろしいでしょうか?では行きますよ」


ティカはそう言って、目を閉じ竜の涙に意識を集中し始める。


竜の涙が激しく光るのでまぶしくて目を閉じたが、次に目を開けたときにはもう闇族の住処についていた。本当に便利だなこれ。


「ティカありがとう。神秘の力とか結構使ったんじゃない?」


「いいえ。この力は竜の涙の力なので、私はあまり力を使っていないんですよ。いずれ力を補充する必要があると思いますが今は大丈夫なようです。ただ、竜の涙が行ったことある場所じゃなければいけないようです。」


ティカの話だと、竜の涙は使用する人ではなくて竜の涙自体が行ったことある場所しかいけないようだ。昔からいろいろ旅をしてきた竜の涙は本来はいろいろなところに行けるはずなのだが、長年眠りについていたので忘れてしまったらしい。


最近思うのだが、竜の涙はオレとティカのいい雰囲気の時に興奮してピカピカ点滅したり、長年寝ていて行ったことのある場所を忘れたりなんか小さなおっさんでも入っているんじゃないかと思ってしまう。なんとも人らしい。


「ズズ、ホツ、シナ、着いたぞ。ここがエーテハイムの拠点となる闇族の住処だ。元はクロの屋敷だが、今はオレ達も使わせてもらっている」


「いえ、ここはすでにユウ様の所有するお屋敷となります。ご自由にお使いください」


クロがすかさず説明を入れた。クロはこういうところは堅いんだよな。


「それじゃ、とりあえずエーテハイムで買える必要なものはクロと一緒に買ってきてくれる?オレは一度グングルトに行ってくる。ティカ、竜の涙を貸してもらえるか?」


「はい、グングルトへは何日ぐらい行かれますか?」


「早ければ今日中に帰って来るよ。問題なければ明日グングルトに移動する」


通常グングルトまでは馬車で2日程度だが、俺一人であれば数時間で移動できるだろう。帰りは竜の涙の力を使えば一瞬で帰って来ることが出来るので、今日中に帰ってくることが出来るのだ。


「ちょっと待ってくれ、グングルトには昔行ったことあるがエーテハイムから1日でつける距離じゃないぞ!」


ズズが驚いた表情で突っ込みを入れてきた。まぁ普通はそう思うだろう。


「ユウ様は特殊なマテルで移動速度を上げることが出来るので可能なのです」


クロがうまく説明してくれる。さすが、こういう時は機転が利くな。


「そっそうか、さすがだな。モーン村に住み始めてから今までの常識がことごとく崩れていくよ」


早速、ティカから竜の涙を受け取って首にかける。


するとびっくり、頭の中に言葉が送り込まれてくる感覚がする。その言葉に意識を集中してみる。


(ティカちゃん!離れたくない!こんな汗臭い男の首にかけられるなんんて嫌よ!)


ん?これって・・・竜の涙の声か?


「ティカ、竜の涙ってちょっと声が高くてうるさいぐらいにべらべらしゃべったりする?」


「えーっと、すごくおしゃべりだとは思います。いつも頭の中で会話しているので声には出しませんが、お話し好きですね」


やっぱりそうだな。なんかおっさんだと勝手に思っていたが、おばさんだったとは!これは意外だな。


(おーい、竜の涙!聞こえるか?ユウだ、オレの声聞こえるか?)


(もー!本当にこんな奴についていかなくちゃいけないの?なんか話しかけてきてるし。どうせ私の言葉なんて理解できないんだから言いたいこといっぱい言ってやるわ!キモイ!エロイ!汗臭い!嫌ーーっ!!)


・・・もうすでに嫌な気分がするんだが、ここは抑えて大人な対応をする。


(竜の涙さ~ん。声聞こえてますし、ちゃんと理解できますよ。あまり言いたいことをバンバン言われるとオレ傷つくよ。毎日風呂入っているけど汗臭い?)


(なっ?!なんで・・・なんであんたが私の声を理解できるのよ!私は悪用されないように初めに主人と認めた人しか言葉が理解できないはずよ!ティカちゃんだけのはずなのに!)


えっ?!そうなの?じゃあなんで俺はわかるんだ?・・・あっ!これも神様からもらった翻訳能力か?これってどこまで万能なんだろう。まぁ理解できるのはありがたい。


(神様からもらった翻訳能力があるから理解が出来るみたいなんだが・・・。まぁグングルトに行ってまたこっちに戻ってきたらティカに戻すからちょっとの間我慢してくれ)


「ナミちゃん、ユウ様のことお願いね。危険だったり、他の女・・・の人についていきそうになったら強制的にこっちに戻ってきてもいいからね」


なんかティカが恐ろしいことをさらっと言っている。完全に首輪をつけられたな。


(もう!しょうがないわね。ティカちゃんが言ってるから仕方なく付き合ってあげる。本当に嫌なのよ!本当に本当にあんたと一緒なんて嫌なんだからね!)


そこまで嫌がられているとちょっとへこむが・・・まぁなるべく早く要件済ませようでもその前に、


「ティカ、ナミちゃんってなんだ?」


「えっと、竜の涙さんって呼ぶのも大変でしたので涙からとってナミちゃんとお呼びしてます。本人は気に入ってるみたいなのでいつもそう呼んでるんですよ」


そっか、確かに毎回竜の涙と呼ぶのは面倒くさいが、ナミだったら呼びやすいな。


「わかった、じゃあナミのことちょっと借りていくぞ!言ってくる」


(何あんたかってに私んこと呼び捨てにしてるのよ!その名前はティカちゃんが私のために・・・)


うるさい。本当によくしゃべるな。まぁあまり意識しないようにしよう。


それからクロといくつか話をしてから闇族の住処を出て、そのまま街を出た。


場合によっては数日かかるかもしれないので、3日経っても戻ってこないときは何かあったと思ってもらうこととした。


街から距離を取ってから一気に加速する。人目につかない場所を選んで移動しているが、最近考案した光のマテルを使用している。


通常は光のマテルは夜に照明の代わりに使うものだが、自分の周りに光のマテルを薄く展開し、光の屈折を変えることで自分が見えずらくなる。言ってみれば光学迷彩のようなものを作ってみた。


(しっかし、あなた本当に規格外ね。今までいろんな主人に携わってきたけど、あなたほどぶっ飛んだ人も珍しいわ)


(ぶっ飛んでるって・・・どんなふうにぶっ飛んでるんだ?)


(そりゃ、魔物と話をしたり、魔物もビックリする速度で走ったり、いろんなマテルを作り出しちゃったりしてるじゃない)


たしかに何気なくやってきたことだが、他にこういうことをできる人は見たことないな。クロやミミも相当優秀だがまだ人の範疇なのだろう。


(そんなこと言われても、できるものは仕方ない。まぁそういう奴だと理解してくれよ)


(そういうテキトーなところもなんか嫌なのよ。ティカのお願いだから一緒にいてあげるんだからね!)


なんかデレが無く、ツンばかりで厳しい性格だな。まぁティカになついてるみたいだし仕方ないとしておこう。


(このまま街道を爆走して昼までにはグングルトに着く、そのあとミルアン様に会って家を見せてもらったら一度帰るから、その時は移動よろしくな)


(なんであんたのために移動の能力を使わなきゃならないのよ!)


(でもその方がティカに早く会えるだろ?)


(うっ・・・それもそうね。でもあれ結構力使うのよ!一応私も疲れるのよ神秘の力を作る力は人の能力は超えるけどでも上限があるんだから)


やっぱり竜の涙の力を使ってるからそれなりに神秘の力が減るらしい。仕方ない後でチャージしてやるか。


(わかった、あとでチャージしてやるから帰りは頼むよ)


(えっ?!チャージって、そんな簡単に私を満足させられるほどの力があるとでも思ってるの?あなたはかなり力があるみたいだけど甘く見てほしくないわ)


ん?なんかおかしい。竜の涙に初めに力を込めたのは俺なんだが・・・もしかしてわかってない?


(まぁいいよ。オレは後でできるだけチャージするよ)


それから休憩なしで走り続けて昼頃にグングルトの街に着いた。


さっそく門を抜けて街に入ると前と同じく各貴族の配下の者が絡んできた。


「兄ちゃんこの街は初めてか?初めてならオレがいろいろ教えて」


オレは相手が話し終わるのを待たずに木札を見せる。


「ん?何だ持っているのか。それならいいさっさと行きな」


あら、あっさりと引き下がったな。もっとからんできて難癖つけて金をせびるのかと思ったが意外とちゃんとしてるな。


そのまま街の中を進み、ミルアン様の屋敷まで来た。途中2回道を間違えて近くの人に聞いたが、1回しか来たことないしそりゃ仕方ない。


屋敷の前にいた門番に名前を告げると以前に手紙でそのうち伺うということを伝えていたためすんなりと通してもらえた。


その後、間で待っているとミルアン様が来てくれた。


「ユウ殿、この前モーン村に私が行って以来ですね。どうですか?村は順調に発展していいます?」


「はい、おかげさまで村の敷地を拡げています。グングルトの街も以前訪れた時と違い少し静かになったようにおもいますが」


するとミルアン様は少し口元を抑えて笑う。


「フフッ、そう思いますか?それであれば少しは私も街の役になっているということになるでしょう。人族貴族の没落により統治していた土地を私のところで管理するようにりました」


この話は聞いていた。モーン村で人族貴族を倒したのはオレ達なので本来はここを統治するのは俺なのだが、面倒くさいので統治する権利を買い取ってもらったのだ。


「私の権力が大きくなり、以前より自由に行動できる範囲が広がったことで街の住人が私の統治する土地に多く住み始めたので、他の貴族があまり大きな顔をできなくなりました」


まぁ確かに権力のバランスが変わってくれば当然街の雰囲気も変わるってことか。前は人族貴族が筆頭だったが、今はミルアン様の妖精族が筆頭となった。


そのため、今までも自由な風潮だったがより自由化が進んだということだろう。住みやすい街になってきているのは確かだろう。


「それはいい方向に動いていると思います。私たちのような旅人や商人は足を運びやすくなると思いますよ」


「そうなのです、最近街に来る人の数が多くなり全体的に活気が出てきので街の人々の表情も明るくなってきました」


街に住んでいる住人の表情が明るく活気づくのはいいことだと思う。そのあともお互いの近況を話ししたが、ニルニア鉱石についてはまだ話はしない。


「それで今日は、この街での別荘を確認しに来たのですよね?」


「はい、同盟を結ばせていただいた時の条件としてグングルトの街で家を1軒いただきたいとしておりましたのでその家を見せていただきに来ました」


「準備はできております。ただ、あの同盟において金貨と家を1軒としてはあまりにも破格。よって、こちらにいる間は身の回りの世話をするものをこちらで手配いたします。お代はいただきませんよ」


それはありがたい。移動自体は竜の涙で一瞬だが、たまに使うだけだと掃除とかも大変だ。お手伝いさんがいてくれればだいぶ助かる。


「それではありがたくお受けいたします。さっそくなんですが明日村の者がこちらに来るので家を使わせてもらいたいのですが」


「問題ありません。もうユウ殿の屋敷ですのでご自由に使ってください。身の回りの世話をするものは私の屋敷の者を5人向かわせます」


「ありがとうございます。それでは明日到着したらご連絡しますのでそれから来ていただくようにしてください」


そのあとミルアン様が執事を呼び何かを話し、少し待っていたところオルミさんが来てくれた。


「おう!久しぶりだなユウ!屋敷に案内してやるよ」


「お久しぶりですオルミさん。よろしくお願いします。それではミルアンさま失礼いたします」


「私もまた村に行かせてもらうよ。屋敷を気に入ってくれればいいが・・・フフッ」


またミルアン様が口元を抑えて笑っている。なんだろう、ちょっと不安になった。


(あの女なんか隠してるわよ。楽しんでる感じだったわね。いけ好かないわ)


(なんかおちゃめな人だから、いたずらでも仕掛けてあるのかもな)


それからオルミさんに連れられ家を出てグングルトの拠点となる家に向かった。

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