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知らない世界で街づくり  作者: 星野 シラセ
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第3章 01話 新たな命

年始のばたばたで更新遅くなりました。

第3章を開始いたします。

村の発展を少しずつしていきたいと思います。

地球ではないこの世のどこかにある知らない世界。


そんな見たことも聞いたこともない世界に神様の手伝いをするために飛ばされて、どうにか生きていこうと奮闘しやっと自分の居場所ともいえる村を作るところまでたどり着いた。


(ガタッ!ゴゴゴッ!ダンッ!)


・・・。


辛いこともあったが、信頼できる仲間に出会い困難を一つずつ乗り越えることで今日までやってこれたのだと思う。


(ズズッ!ズズッ!ドンッ!)


・・・。


私の作った村、モーン村は辺境の荒野と言われる荒れた土地の近くだが、現在人口・・・


(ドドドンッ!ドコドコッ!)


「おいっ!人が書き物してる時に後ろで何やってるんだよ!!」


そこには、オレの部屋にある家具を移動しているケンとガイの姿があった。


「あら、ご主人様の部屋の掃除じゃない。さっき言ったでしょ?部屋の物を動かすから少しうるさくなるって」


言われたか?なにか話しかけられたような気もするが、書くことに夢中になってしまい空返事をしていたのかもしれない。


「そっか。悪い、よく話を聞いていなかった。しかしなんでいきなりオレの部屋の掃除を始めたんだ?」


「昨日ティカちゃんにお願いされたのよ。床とか棚とか目につくところは掃除できるけど、家具の下とかは掃除できないから動かして掃除してほしいって」


そう、今まではオレが作った土の家の中は土のベッドや土のテーブルを使っていたが、やはり木のぬくもりがいいというオレの希望もあり、木を使った家具を備え付けるようになった。


作るのは手先が器用な妖魔達が引き受けてくれている。木材は鱗人族と人族の家族で用意してくれたようだ。意外とうまくやっているみたいだ。


村の住人はオレを含めて全員で31人になった。各家に配置できるまでは少し時間がかかったが、ちゃんとお金を妖魔達に払って作ってもらい手に入れたようだ。オレだってちゃんとお金を払った。


この村はまだ出来たばかりなのでお金の流通があまりない。しかし少し前に雑貨屋が村の中にできたためお金でのやり取りが前よりは多くなった。


妖精族貴族のミルアン様と同盟を組んだ時の条件に、この村に雑貨屋を開いてもらえる人の紹介ということを盛り込んだのですぐに派遣してくれた。村に入ってすぐ左側の、畑に行くまでのスペースに3軒続きで店舗兼住居を作りそこに店を開いてもらった。


まだ1軒しかないのだが、いずれ増えるだろう。


「ケン、ガイもう少し静かに掃除してもらえるかな?」


ケンとガイは顔を見合わせてどうしたものかと悩んでいるようだ。


「ユウ様、最近ずいぶん部屋にいることが多いようですので少し外にお出かけしてはどうですか?」


ティカが掃除の手伝いに来たようだ。


「うぅぅ。それもそうなんだけど・・・寒くなってきたから・・・」


「そんなおじいさんみたいなこと言わないでちょっとで良いですので外で時間を潰してきてください」


「わかったよ。ちょっと村の中をぶらぶらしてくるよ」


俺はしぶしぶ部屋を出てそのまま家のドアを開け村の広場向かう。


「ご主人様はもうティカちゃんの尻に敷かれているのね。ティカちゃん、ちゃんと手綱は握っていなきゃだめよ」


扉の中から何か聞こえるが・・・いや聞こえない聞こえない。


広場では子供たちがマテルの練習をしていた。


「ユウ兄ちゃん!マテル教えてくれよ」


人族のナルが声をかけてきた。


「わたしも、マテルやる!」


鱗人族のピリュが教えてほしいみたいだ。他の子供たちも何人かは教えてあげたがまだ全員ではない。


「みんなマテルの練習ちゃんとしてるね。やったことない子は1から教えるよ。やったことある子は少し先に進もうね」


「あー!!子供たちだけじゃずるいですよ、私たちにも教えてください」


兎族のナジとアルニや他のみんなも集まり始めた。


神秘の力については、オレの青空教室で村人全員が感じることができるようになった。後は個人の練習がうまくいったメンバーから次の段階に移っている。


今、村にいる子供は人族のナル、犬族の双子フー、リン、鱗人族のエクとピリュの5人だ。


そして、妖魔のピリが赤ちゃんを抱いて子供たちと一緒にいる。妖魔は背が小さく見た目が子供とほぼ変わらないので一瞬子供として数えそうになったのは内緒だ。


「ピリさん、モモちゃんは元気そうですね。モモちゃ~んいないいないバー」


「キャッキャッ」


モモちゃんご機嫌だな。しかしモモちゃんが生まれる時には一騒動あったなぁ。


-----


暑い季節が寒い季節に変わろうとする頃、ちょっと肌寒くなってきた晴れた日にズズが慌てた様子でオレの家の扉をたたいた。


「ユウ様!ユウ様!ピリが!ピリが産気づいたんだ!俺じゃどうもできないから、ミミさんとクロさんに!とにかく来てくれ!」


「ちょっ?!生まれるの?生まれちゃうの?クロ!ミミ!それにティカも!みんな手伝てあげて!」


「りょっ了解しました」


それからは慌てて家を出てピリが住んでいる家に向かう。その騒ぎを聞きつけてほかの住人も集まってきた。


「こんな時は・・・どっどうするんだ?」


「えぇ・・・私も出産に立ち会うことはなかったので・・・申し訳ありません」


オレがおろおろしていると、クロも経験が無いようで申し訳なさそうにしている。


「はいはいっ!男の人は外に出て!女の人はみんな手伝って!まずはお湯を用意!あと布もいっぱい使うよ!」


みんなでおろおろしていると人族のヴァンスさんの奥さん、ソリアさんが家に入ってきて指示を出してくれた。


手伝いとして犬族のカイルさんの奥さん、メイさんも一緒にピリさんのところにスタンバイしている。


やっぱりこういうのは出産を経験している奥さん方に任せるのが一番だろう。


外に出る前にお湯を溜める浴槽を作ってもらいたいと頼まれたので部屋の端に浴槽を作ってから外に出た。


浴槽はお湯を溜めておくために必要らしい。中ではみんなばたばたするので外でお湯をだして男達で扉までバケツリレーをして中にいるミミに渡した。


オレのできることは・・・無心にお湯を出す。桶を目標にセットし放水・・・桶を目標にセットし放水・・・。


「ユウ様、ソリアさんがもういいって言ってるにゃ」


ミミが家の中と外の伝達役になってくれており、お湯を出す必要がなくなったことを伝えてくれた。


やることがなくなったので、男達で会話を始める。


「やっぱり男は何もできない!うろうろしないでどっしり構えていればいいんだ!」


ヴァンスさんがズズに向かって話しかけ、こちらの世界のタバコとなるバフに火をつけ始めた。


「そうそう、こんな時は男はどっしり待っているのが一番だ」


ヴァンスさんに賛同したのはこれまた出産立会いの経験があるカイルさんだ。


「やっぱりお二人はお子さんが生まれたときもこんな感じだったんですか?」


「俺の時は始めはおろおろしていたんだが妻の母親にうるさいって頭を叩かれて怒られたんだよな。それからはもう諦めてどっしり座って待つことにしている」


ヴァンスさんもなんだかんだ言って初めはおろおろしていたらしい。


「私は双子だったので始めは心配してうろうろしていましたね。でもさすがに長い時間待っているとどうしても大変なので座ってただ待つだけでしたね」


やはり誰でも初めは同じなんだな。ちょっと安心した。オレはかなりビビってたから、見るに見かねて二人が落ち着かせてくれたようだ。


でも、やっぱりズズは落ち着かないようだ。


「ズズ、子供は男の子と女の子どっちがいいんだ?」


「俺は男の子の方がいいが、女の子でもいいともう。元気に生まれてくれればそれだけでいい」


元気に生まれてくれるのが一番いい、これが本当の気持ちだろうな。


「オレに子供が出来るとしたら・・・やっぱり一姫二太郎がいいかな?」


「いち・・・にたろ?なんですかそれは?」


クロが質問してきた。まぁそうだわな。


「ごめんごめん、オレの世界では1番目は育てやすい女の子、親が子育てに慣れた2番目に男の子が生まれるのがいいとされてるんだ。昔の人の知恵だろうね」


「そのようなお話は初めて聞きました。しかしそういう昔の人の知恵は大切ですね」


「それにゃら私もいちひめにたろうがいいにゃ。でも子供はいっぱい欲しいにゃ」


丁度ミミとティカが休憩で外に出てきたようだ。まだ赤ちゃんは生まれないみたいだが、ピリの様子を見ていると一緒に力が入ってしまい酸欠になりそうだったのでメイさんが外で休んでくるように言ったらしい。


(いちひめにたろう・・・いちひめにたろう・・・)


・・・ティカ、呪文じゃないんだからそんな連呼しないで。


「クロ、ミミは子供はいっぱい欲しいらしいぞ、お父さんとして頑張って稼がないと妻と子供を養えないぞ」


「こっ子供いっっぱぱぱいっ!!!ふがっ」


クロが久々にオーバーヒートした様だ。ここは追い打ちをかけてやろう。


「クロ、もうそろそろ覚悟を決め・・・ぐふぁ?!」


クロをからかおうとしたら後ろからすごい衝撃を受けて吹き飛ばされた。


「いっててて・・・。なんだよいきなりって、えっ?!」


後ろを振り向くとそこにはミミが怒った顔でオレを見ていた。


(クロさんをいじめちゃだめにゃ。そういうことはクロさんが自分で決断してほしいにゃ)


ミミとしては身を固めるにしても、自分で決めて欲しいらしく、周りに言われて流されるように決めるのは嫌ということだ。


まぁ確かに周りに言われて流されて・・・っていうのは男らしくないし言われた相手もうれしくないだろう。


「ユウ様はどうにゃのにゃ?ティカも待ってると思うにゃ」


「オレは・・・」


「私はべっ別にそんな急いでないですので待ってます」


ティカが食い気味に慌てて話を割り込ませてきた。顔を真っ赤にして上目づかいで見てくるのでかわいい。


「おぎゃーおぎゃー」


家の中から元気な子供の泣き声が聞こえてきた。


「生まれたにゃ!」


ティカとミミは急いで家の中に入って行った。遅れてズズも家の中に入って行った。


それからすぐにメイさんとソリアさんが外に出てきてみんなも入ってもいい言われたので、静かに家の中に進む。


「みんなありがとう。無事俺とピリの子供が生まれた。元気な女の子だ。子供の名前は前々から妻と話して決めていたのだが、モモという名前にする」


モモちゃん、かわいいね。最近気づいたのだが妖魔はみんな2文字の名前のようだ。何か決まりがあるのだろうか?


「ズズ、ピリおめでとう。村で初めて生まれた子だ。この村ではみんなモモちゃんを歓迎するよ。さぁみんな、ピリは疲れてるだろうからもうそろそろ帰るぞ!」


みんなで家を出てから歓迎パーティーの話し合いをする。まだピリが出産直後で動けないから、少し時期をずらしてからお祝いをすることにした。


それからというと、女性陣や子供たちは暇さえあればモモちゃんの様子を見にピリのところに行っているようだ。


-----


モモちゃんの出産から数週間が経ち、もう眼も開いていて、クリクリの曇りなき(まなこ)で見てくるのでこちらも顔が綻ぶ。


「ユウ様、モモはユウ様のマテル教室に来てから神秘の力を扱えるようになったみたいなんです。指の先から光のマテルを出して遊んだりするんですよ」


これは驚きだ。モモには一度オレの神秘の力でモモの神秘の力を探ったことがあるんだが、その時に力の出し方を覚えたらしい。そして夜にズズやピリが光のマテルを使うのを見て遊び感覚で使えるようになったのだろう。


小さい時からマテルを使えるなら将来は有望なマテル使いになるだろう。


「それはすごいね。モモちゃんは将来マテュリスになるかもね」


そういうと周りの子供たちもやんややんやと言い始める。やはりみんな向上心があり負けず嫌いなのかな。俺も私もとより一層やる気が出たようだ。


「それじゃみんなで練習しよう。でもマテルが出来ても出来なくてもみんな十分えらいぞ!ガンバって練習したことに意味があるんだ」


やはり得意不得意はある。平均からいうとみんな子供としては神秘の力の使い方がうまいと思うが、同い年でも差が出てしまうのは仕方ない。


大人たちも生活マテルは十分使用できるようになった。


オーク族の面々は畑仕事に井戸水を使っていたが、水のマテルで水を出せるようになったので作業がだいぶ楽になったようだ。


猫族と兎族の狩人組は火のマテルを使えるようになったので、狩りに出たときに休憩や野営ですぐに火を起こせると喜んでいた。


犬族の畜産組はモーンにエサを与えるときに重い飼葉を運ぶのにマテルを使った身体強化を教えたため子供たちでも飼葉を運べるようになった。


風呂のお湯を出す火と水のダブルマテルは、神秘の力を大量に消費し調整が難しいのでまだオレ、クロ、ミミ、ティカしか使えないが、2人で協力すればできるものも出てきた。


マテル教室の様子を見ていた雑貨屋のトルネさんが店から出てきた。


トルネさんはもともと人族の行商人でエーテハイムの街の廃墟で仕入れたものをグングルトで売っていたが、ちょうど腰を据えて店を開きたいと思っていたところをミルアン様に声をかけられてこの村に来たのだ。


ダンジョンの探索・・・商人・・・トルネ・・・イメージは太ってひげを生やした某ゲームの商人を思い浮かべるだろうが、それは間違っていない。


オレも初めて会ったときに思わず「とっトル〇コ?!」と言ってしまい、似ている人を知っていると説明するのに時間を要したぐらい似ている。


「ユウ様、この街に来てから驚くことばかりです。家と商店をもらえる、肉はほかの街に比べて格段に安い、人種が多種多様だが争いもなくみんな手を取り合って生活している。そして極めつけは村人全員マテル使いだってことです。こんな村他にないですよ」


そりゃそうだ。この村は住人も認めるぐらいほかの村や町とは違うところが多い。でもそれがオレの狙いでもあるんだけどね。


「まぁ驚くのは確かですが、どうですか?この村での生活は。まだ来て間もないので慣れていないことも多いと思いますが、不自由していないですか?」


「不自由どころか、裕福なぐらいいい生活をさせてもらっていますよ。私までマテルを教えてもらい、使えるようになるなんて夢にも思っていませんでしたからね」


トルネさんは行商人であるが、マテルは使えなかったのでいつもマテルを使える探索者を雇って廃墟に入っていたらしい。


「誰でもマテルは使えるんですよ。でも神秘の力をうまく使えない人が多いので使い方を覚えればできるんです」


「ユウ様は簡単に言うが、それを一生出来ずにいる人が殆どですよ。・・・それで物は相談なんですが、そのうち私の知り合いをこの村に住まわせてもらえないでしょうか?」


「この村に住むにはトルネさんにやったのと同じ面接などがありますが、それで問題なければ住んでもらっても構いませんよ」


「わかりました。私の知り合いでエーテハイムで宿と食堂をやっている奴がいるんですが、以前に人族の貴族に財産を奪われて生活が苦しく家族を養えないと嘆いているやつがいるんです」


宿か。この村には今はないからいいかな。最近行商人の人が多くなってきて宿代わりに格安で部屋を貸してるけど、ミミとティカの負担になってるだろうからちゃんとした宿としてやってもらうのもいいかもしれない。


「宿は村にないのでいいと思います。あと食堂もいいですね。後で一度村に来てもらうようにお話してください」


「ありがてえ。さっそく行商人に連絡を頼みます」


村も少しずつ大きくしていく必要があるな。


だんだん住人も増えてきてにぎやかになってきた村をどのように発展させるか考えながら、村のみんなにマテルを教えていった。

なんだかんだで第3章まできました。

今年の目標は誤字脱字を無く・・・少なくしたいです。


一部登場人物の名前が間違っていましたので修正しました。

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[一言] いい村だなぁ
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