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知らない世界で街づくり  作者: 星野 シラセ
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第2章 33話 対価

自分のことを話すことで3人がどんな反応をするか少し不安を覚えるが、これで離れて行ってしまうならそれは仕方ないと覚悟を決める。


「3人に重要な話がある。昨日ちょっとしたことがあって、心変わりというか、やっと決心がついたから話をしておこうと思ってね」


この3人は歩くスピードを落とし、オレの話に耳を傾ける。


「実はオレはこの星の人ではないんだ。神様・・・って言ってもわからないか。この世界を作ったすごく大きな存在に、魔王がこの世界を征服しないようにしてほしいって頼まれて他の星から来たんだ」


三人はさすがに驚いたらしく、歩みを止めてオレの話を真剣に聞き始めた。


「ただ、この世界に来てすぐ、魔王ごと、魔王城を吹き飛ばしちゃったんだ」


「ちょっと待ってください。魔王城を吹き飛ばしたとは、どんなことをすればそんなことが出来るんですか!」


クロがさすがに突っ込みを入れてきた。

「でもユウ様にゃらやりそうにゃ」


ミミはなぜか納得してる。


「まぁオレも死にかけて必死だったからなんかよくわからないうちに吹っ飛ばしたんだよ。でもそれで俺の役目は終わったんだけど、神様が忙しくてあと500年ぐらい元の世界に帰ることが出来ない」


「ちょっと待ってください。それではユウ様は元の世界に帰ってしまうということですか?」


ティカが慌てて聞き返してきた。


「いや、初めはすぐに帰れると思っていたんだが、500年も帰れないなら、元の世界に帰ったとしてももう誰もオレを知っている人はいない。オレの世界では人は通常100年生きれば長生きだったからね。だからこの世界で生きていくことにしたんだよ」


ティカはとりあえず落ち着いたようだ。


「神様からこの世界で生きていけるようにと、いろいろと力をくれたんだ。いろいろな言葉がわかるのもその能力の一つ、身体能力が高いのも一つ、寿命が1000年ぐらいあるのも一つ」


「寿命が1000年もあるんですか!?それはまたすごいですね」


クロがニヤリと笑みを浮かべて驚いている。自分も長生きだからながく仕えることが出来る主人だと確認できたので喜んでいるようだ。


「でも神秘の力はオレのもともと持っている力みたい。でもこの星ではなかった知識を元の世界で得ているから、これからもびっくりすることをあるかもしれないからみんなでちゃんと注意してほしい」


3人は顔を見合わせてからそれぞれうなづいた。


「これでユウ様がなぜここまで強いかわかりました」


「私はにゃんとにゃく気づいていたにゃ。人よりももっとすごい存在だお思っていたにゃ」


「ユウ様の力はまだまだ奥が深いのですね。私も少しでもお力添えできるように頑張ります!」


3人とも特に気にしていないようだ。オレも安心した。


「みんなはオレがこの星の人じゃないと分っても怖くないのか?」


「この星には多くの種族がいます。その一つと思えばなんとも思いません。私はむしろ優秀な主人に出会いうれしいですよ」


クロの説明はわかりやすい。確かに種族が多いから長生きだったり、体力が多かったりしても驚きはしても否定はしないのかもしれない。


「そっか、それじゃみんなこれからもよろしく」


「私もずっとユウ様のおそばに・・・」


ティカも目をつぶってお祈りをしているように何か言葉をつぶやいていた。


-----


それから、廃墟を進んでいくと19階で大きなトカゲのようなだがドラゴンに似た魔物がいた。


「あれは・・・ダルダガウンです。強力な顎を持ち、強固な皮膚なので生半可な攻撃でははじかれてしまいます」


ダルダガウン?なんだその強そうな名前は。でもドラゴンだよな。やっぱり見た目通り強いみたい。


「強そうだけど、いつも通り3人で攻撃、遠くでティカが援護射撃するってことでいこう」


ダルダガウンはクロの話通りすごく固い。普通に剣で切ったら、剣がはじき返された。


クロとミミは関節などを狙って少しずつダメージを与えているみたいだ。


ティカのマテルは当たってもあまりダメージが通ってないみたいだ。


「ティカ!土のマテルで俺がやったみたいに弾を作って高速回転させながら相手に当ててみて!1発ずつでいいよ」


「わっわかりました。やってみます」


オレは剣に神秘の力を纏わせて少しずつダルダガウンの皮膚を削っていく。


「マテルを放ちます。少し離れてください!」


ティカの言葉にオレ達は距離を取る。その直後、1発の石の弾丸がダルダガウンの胸に突き刺さった。


叫び声をあげて苦しむダルダガウンに3人でとどめを刺す。瀕死状態だったので皮膚の弱いところを狙い倒すことができた。


「やはりダルダガウンは強いです。しかしいつもは他の魔物と一緒に居ても特に問題ないかと思いますので今回の原因ではないと思います」


そっか、これが原因だったら楽だったけど、さすがにそんな簡単にはいかないな。


「この魔物の素材は高く売れるにゃ。さっそく集めるにゃ」


それから30分ほどダルダガウンの肉、皮膚、爪、ほとんどの部位を切り分けて闇ストレージに保管する


それから28階まで歩みを進め、だいぶ素材もたまったので一度戻ることにした。


-----


闇族の住処に戻りケン達と合流し、お互いの素材を確認する。


「ご主人様、どんな戦いをしてきたのよ!!こんな素材滅多にお目にかかれないのにこんなにたくさんとってきて!」


「私もユウ様の戦いを見てみたかったです。どれほどすごい戦いだったか」


ケンとは対照的にガイは戦いを見てみたかったようだ。


「それじゃこれを売ってくるね」


クロと二人で洞窟の入り口まで移動する。


「こんにちわ!素材もってきましたよ」


「まってたよ!今日はどんな素材を持ってきてくれたんだ!」


あらかじめ売るものと持っておくものを分けておいたので、売るものを入れた袋を5つ商人の兄ちゃんに渡す。


「おい・・・なんだよこれ・・・ちょっと待っててくれ。今持ってる金じゃ間に合わない。ちょっと街に行って持ってくる」


ありゃ。そんなに高価なものだったのか?前は金コイン1枚になったけど、今回はそれ以上なのか。


10分程すると、商人の兄ちゃんがほかの商人も連れて帰ってきた。


「悪いが、今回は俺一人ではさばききれないから他の商人仲間を連れてきた。この素材でこの量だ、相当な金額になるから了承してほしい」


「いいですよ。オレは買い取ってもらえるならお任せしますよ」


それからは商人たちであーでもないこーでもないと話はじめ、それを聞きつけた探索者も数人近づいてきて話に加わって話をしていた。


30分ぐらいしてやっと話がまとまり、金額も決まったらしい。


「いや、待たせて悪い。だれがどの素材を買い取るかもめてね。でもやっと話がまとまった。今回の買取りは金コイン5枚でどうだろうか?」


(金コイン5枚ならいいのではないでしょうか。ダルダガウンの素材がかなり高額になったのでしょう)


「わかりました。その金額でお願いします」


商人たちは大喜びをしている。金コイン5枚で買っても利益を得ることが出来るあら相当高く売れるのだろう。


それから、商人や探索者たちに気付かれないようにみんなのもとに戻り、売り上げの結果を発表した。


そして、みんなにとりあえず銀コインを1枚ずつ配る。


「みんな一生懸命集めてくれた素材がいい値段で売れたから、お小遣いね」


「えっ?こんなに高価なお金を持たせていただけるのですか?」


ワグがびっくりしている。オレがそうだとうなづいてもまだ信じられないようだ。


「ユウ様は皆さんが頑張ったことを評価して、相応な対価をお渡ししただけです。村長として頑張った人に対価を払うことは普通なのですよ」


「それでは廃墟の探索に出ていない私たちは・・・なぜもらえたのでしょうか?」


ラルが不思議そうに質問してくる。


「ユウ様にとって、ちゃんと帰ってきたときに料理を作って待っていてくれることはそれだけでうれしいことなのです。それに対しての対価ですのでもらっても問題ないですよ」


ティカがラルたちに説明している。


「まっそういうこと!オレはみんなが一生懸命手伝ってくれたからその対価を払ったんだよ。これからは村で自分たちでお金を稼ぐことになるけど、お願いして手伝ってもらったときはちゃんと対価を払うから頑張ってね」


みんな感動しているようだ。


ケンとガイも自分までもらえるとは思っていなかったのか喜んでいた。


クロ、ミミ、ティカにお同じく銀コインを渡し、クロには村で必要な者買うための資金といて金コイン1枚を渡した。


その日の夜は昨日より豪華な料理を作り楽しんだ。風呂に入り、かき氷も食べみんな満足して眠りについた。

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