第2章 24話 騒動
遅くなってしまっております。
少しずつ書いてたまったらアップします。
ガイを仲間として迎い入れた時には、もう日も落ちて辺りは暗くなっていた。
「もう暗くなっちゃったね。そういえば泊まる場所決めてなかった。ここ数日馬車で寝てたから、ゆっくり寝られる場所を少し探してみよう」
「それなら、私が今泊まっている宿はどうでしょうか?私はお金がないため納屋に寝泊まりしておりますが、中級で綺麗な宿です。空きはあると思います」
ガイが泊まっている宿がいいかな。今から他のところを探すのも面倒くさいし、ガイだけ一人になっちゃうからここは一緒の宿に一緒に泊まることとしよう。
「それじゃ、ガイ、その宿に案内してくれる?俺たちもその宿に泊まろう」
6人となったオレたちはガイを先頭にして馬車で後を追っていく。どうやら鬼人族の統治する地区にある宿らしい。
鬼人族の地区は特徴は武器・防具屋が多い。宿はいくつかあるが、値段が安いところが人気のようだ。途中でピークランの配下が絡んできたが、木札を見せると素直に去って行った。木札を見せても絡んでくるかと思ったが、意外と統制がとれているようだ。
大通りを曲がり、1本中に入ったところに目的の宿があった。正面から見た感じでは大きくはないが清潔感のある宿だった。
「ここが私の借りている宿です。私は納屋に行きますので馬車をお預かりします」
「いや。今日からガイも宿の中だよ。お金は気にするな。一緒にいる間はオレが面倒見てやる。でも一つだけ我慢して欲しいことがある」
ガイは一緒に宿の中で泊まることに驚いているようだ。ふと、思ったのだがケンタウロスはどうやって寝るのだろう。ベットで寝られるのか?
「ガイはケンと一緒の部屋になって欲しい。でも間違ってもケンと一線を越えるようなことはないように!!」
「いいのですか?私が部屋に泊まっても。ケンさんと一緒の部屋は全然問題ないです。むしろそうしていただきたいです」
ガイ、純粋なのはいいことだがもっと世間というものを知ったほうがいい。世の中には怖いものがたくさんある、その一つがケンだ。男としてはこれほど怖いものはない。
「あら、ひどいわご主人様。私だって師弟としてそんなことしないし、ご主人様以外に身をゆだねる気は今のところないわ」
一生なくても良いです。そんなにオレに気をゆるさないでください。
「それなら良かった。じゃあクロ、3部屋借りてきて。ケンとガイ、オレとクロ、ミミとティカの組み合わせで良いだろう。あと、馬車を納屋に置かせてもらうことと、馬の世話をしてもらうように頼んで」
「承知いたしました。」
クロが宿の中に入って行き交渉をしてきてもらう間に宿の隣にある納屋に馬車を進める。ガイは今まで使用していたので勝手を知っており、馬車を納屋に引っ張って行ってくれた。
馬車を納屋に持って行ってから、宿の中に入った。すでに受け付けはクロが済ませていたため、店主に軽く挨拶をして部屋に向かう。
2階建ての宿だが奥に長く廊下が伸びており、一番最初の部屋は食堂となっていた。その反対側は湯浴みをする部屋のようだ。外から見た感じだと小さく見えたが、奥に長い建物で結構でかい宿のようだ。
鍵に書かれた部屋の番号を探していくと、オレ達の部屋は一番奥の部屋だった。
「それじゃ、荷物を置いたら食堂で飯食おうか。みんな食堂に集合ね」
部屋に入りクロとオレで荷物を置いていく。無限リュックを置いておくのはちょっと不安に思っていたところ、クロが闇ストレージの中に入れてくれたので安心できた。身に着けていた武器や別のバックなどは特に高級品でもないし置いておくことにする。
食堂に移動するとみんな揃っていた。お腹が減っていたのだろう。ほかの客の頼んだ料理に目が釘づけになっている。
ケンとガイは椅子に座ることが出来ないので、高いテーブルが別に用意された。この世界ではいろいろな人種がいるので、それぞれに対応したものがおおい。ここの街は幅広い人種が集まっているため、いろいろと用意してあるのだろう。
「みんなお腹へったでしょ。好きな物食べていいよ。村に帰ったらちゃんとガイの歓迎会するけどとりあえず軽く歓迎も兼ねてパーッとやろう」
それからはそれぞれ好きな酒や食べ物を頼み、軽い宴会状態になった。他にいた客も酒を飲んでいたのでいつの間にか一緒に飲んでいたり、料理を一緒に食ったりしていた。
この世界ではあまり祭りやお祝いが少ないから、飲み屋で楽しく飲んでいるとみんな集まってくるようだ。楽しいからいいけど、料金がよくわからなくなるのは店はどうしているのだろう?
酒を軽く飲んでいたところ、店の中のマテル道具の照明が神秘の力が切れて点いていないものがあったので、すべての照明に一気に力を注いでみた。十分力が込められたことで食堂が明るくなり、食事もよりおいしそうに見える。
すると店主が慌てて現れて、しきりに「お代をお支払いします」と言ってきた。
「オレが勝手に気になってやったことなんで気にしないでいいですよ。おいしい料理もありますしみんな楽しそうですし、それだけで満足ですよ」
酔っぱらってそんなことを言いっていたが、そのあとは疲れていたため眠くなってしまい、クロに部屋まで連れて行ってもらったようだ。
-----
次の日、クロに話を聞いたらあの後まだ飲み食べしていた人たちは残っていたようだが、クロが店主に銀コイン1枚を渡そうとしたところ、銅コイン3枚にまけてくれたとのことだった。
なんでも、宿で使っている照明のマテル道具が結構いい品なんだが、長く持つ代わりに神秘の力を込める量が多く料金が高くなってしまうので、なかなかマテル使いを雇えなかったらしい。
オレは食堂の照明に力を込めようとしていたのだが、酔っぱらっていて適当に範囲指定したため、宿のすべての部屋の照明も力を補充していたらしい。そっか、だから昨日いきなり眠くなったのかな。
そんなことがあり、店主がだいぶ割引をしてくれたらしい。他の客も合わせると20人ぐらいいたのにそれだけで済んだなら安い。みんなで楽しめたからいいってことにしよう。
朝早い時間に目が覚めたため、宿の湯浴みをする部屋に行き、マテルを使いお湯を出す。村でやっている感覚で普通にやったのだが、他の客がキョトンとしてじっとこっちを見ている。
やべっ!一般的にはお湯をマテルで出すのはある程度熟練したマテル使いのやることだった。
「・・・よかったら、つかいます?」
この言葉に、顔を洗いに来た宿泊客は桶を持って列を作り、オレがお湯を入れると笑顔でお礼を言って布タオルで体を拭いていた。今は暑い時期のため、寝汗を書いているだろうから服だけでもすっきりする。
オレとしては風呂に入りたいが、ここでは風呂桶もないため、他の客と同じようにタオルを濡らして体を拭いてきれいにした。
部屋に戻り、クロと食堂に行くとほかのメンバーはすでにそろっており、待っていてくれたようだ。
「ごめん待たせた?昨日は寝ちゃってごめんね。みんなも楽しめたようだしよかったよ。今日は飯食ったら、オルミさんに会ってミルアン様に会いに行こうと思う。ガイ、申し訳ないんだけど妖精族の貴族にあってもらえるかな?」
「・・・はい。私は緊張しやすいタイプなので、一人だと怖くて・・・ケンさんやユウ様が一緒なら大丈夫です」
やっぱりガイは見た目に反して気が小さいようだ。でも今日のスケジュールは決まった。さっそく朝ごはんを食べて、オルミさんと約束した広場に向かう。
広場にはみんな徒歩で向かった。途中で昨日からんできた鬼人族貴族の配下に会ったが、さすがに顔を覚えていたらしくスルーだった。いつもこうなら楽なんだが・・・
朝なので、みんなバタバタと忙しそうに動いている。店ももう開いていていろいろと売りに出している商品の説明をしている人も多い。
広場に着いたがすでにオルミさん達は来ていた。
「遅くなり申し訳ありません。お待ちになりましたか?」
「いや、そんなに待ってはいないから大丈夫だ。おっ!うまくやったようだな。さすが同族の者がいると話が早いな」
オルミさんは嬉しそうに話をしている。ミルアン様のプレッシャーがそんなにすごかったのだろうか?肩の荷が下りたような安堵の表情だ。
「はい、話はしてあるのでこれからお会いすることも了承してもらっています。ただ、ガイ・・・ガイガスは私の村の住人になることになりました。そいて同族のケンの弟子として修行することになります」
「おっと!それはまた話が急だな。だが問題はないよ。ミルアンさんはお礼を言うだけだから引き止めたりはしないだろう・・・たぶん」
なんかちょっと歯切れば悪い言い方だな。お礼だけじゃないのか?
「お礼がいたいというだけと聞いておりましたが?」
「オレもそういわれているから、それだけだとは思うけど、あの人も気紛れだからな。でも無理強いはしない人だ、何かを言われてもちゃんと話をすればわかってくれるだろう」
とりあえず会って話をしてみないと分からないな。もともとその予定だし会って見るしかないな。
ガイは不安そうな顔をしてケンの後ろに隠れているが、ケンよりも一回り大きく、歴戦を潜り抜けた戦士のような雰囲気なので隠れているというより、影から狙っているようにしか見えない。
これじゃ周りから近寄りがたい人だと思われるな。昨日から話をしていて臆病なだけだということはわかっているから今は表情を読み取れるけど、勘違いされるタイプだな。
「わかった、とりあえずミルアン様に会って話をしよう。ガイ、いいね?」
「はい、頑張ります」
何を頑張るんだかわからないが、ガイが怖気づく前にあったほうがいい。
「そこの愚民、待つんだ」
ぐみん?そんな呼び方するのは、たいがいろくでもない奴等なんだよな?振り返りたくないが・・・
「お前たちだ!そこの馬人族を連れているお前らだ」
やっぱり俺達だよな。仕方ないなふりむくしかないか。
「お前はドルナーキスのところのバグル!何の用だ!こちらの客人はオレ達の客人だお前らには関係ないだろう」
オルミさんがバグルという男に声を張り上げている。振り返ると昨日最初に絡んできた人族貴族の配下の傭兵が、部下を10人ぐらい引き連れて立っていた。
「オルミ、お前には用はない。お前たちの客人だろうがなんだろうが、オレ達はその馬人族に用事があるんだ。今日こそドルナーキス様の配下に入ってもらうぞ」
あぁ、これがガイが断っていた勧誘なんだろうな。こんな汗臭そうなおっさんたちの仲間にはなりたくないな。人族貴族ってだけでやだけど。
「何度も言っていますが、私は配下に入りません。それにすでにケンさんの弟子になりました。そしてユウ様の村の住人です」
「そうよ。私の弟子に用事があるなら、まず私に話を通しなさい」
ケンも師匠としてちゃんと弟子を守ってやるようだ。見た目はガイのほうが師匠みたいなのでなんか変な感じだが堂々とした感じはケンの方がさすがに上だな。
「ちょうどいいお前も馬人族だから、そいつと一緒にこい!オルナーキス様がこき使ってかわいがってくれるだろうよ!」
バグルはドルナーキスが馬人族を自分の配下にしようとしているので、ついでにケンのことも一緒に連れて行こうとしている。さすがにこれはケンも切れるだろう。
「かわいがってくれるの?・・・それは魅力的ね」
ケンのやろう・・・とんでもねぇな。かわいがってくれるという言葉だけをピックアップして他はまるで聞いていない。
「でもだめ。私にはご主人様がいるの。そんな他の人にかわいがってもらったらご主人様が嫉妬しちゃうじゃない」
いや、しないから。むしろ引き取ってもらいたくなった。でも村人だしここは仕方ないがオレが話をつけよう。
「ちょっと待ってくれ。うちの村の住人だ、いくら街の大貴族だろうが村の住人に危害を加えるなら黙ってはいないぞ」
少しトーンを落とし、脅すような声で話しかける。
「ほー、それはそれは。小さな村の村長さんが大貴族に逆らおうっていうのか?今この人数差を見てもわからないなら痛い目を見てもらうしかないな」
そういうと、傭兵たちがオレ達を囲んで、一斉に襲い掛かってきた。
オレはクロと、ミミに目配せし、静かに動き始めた。




