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知らない世界で街づくり  作者: 星野 シラセ
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第2章 19話 びっくり

村の住人に説明をしてもらったが、特に異論は出ていないとの事だった。むしろ歓迎ムードになっている。クロとミミが説明をうまくしてくれたのだろう。


オレより村の住人達と過ごすことが多いので、受け入れてもらいやすいと思ってお願いしたのだ。


ズズたち妖魔グループは、初めて風呂に入ったらしくすぐに気に入りなかなか上がろうとしなかったが、さすがにのぼせたようでふらふらしていたので風のマテルで涼しい風を送りクールダウンしてから、ゲストハウスに案内してもらった。


風呂に入り疲れたのだろう。朝を少し過ぎたころだったが、ベットに入りすぐに寝息を立てたらしい。


クロとミミには少し休むように言ったのだが、歓迎会の準備を手伝うと言ってティカの所に行ってしまった。


つくづく、いい仲間に恵まれたと思う。俺のことを気遣ってくれるのは嬉しいが、それ以上に周りに気を使ってくれているのが嬉しい。前ジルさんに奴隷は主人には気を使うが、それ以外には主人の命令がなければ言うことは聞かないと聞いた。


従者3人は奴隷ではないし執事、メイドという立場のため当たり前といわれたらそれまでかもしれないが、やはり主人としては嬉しい。


ここはオレも頑張らなくてはならない。妖魔の家を建てるため前に作った畑の反対側にある家の後ろを開拓する。基本的には入り口の門から見て広場を通り、俺の家が中心で、西側にはモーンの小屋や畑がある。そして東側に住宅や店などを並ばせるつもりだ。


村を作るなんてまったくやったことないし、シ〇シティのようなゲームならやったことあるが、規模がそこまで大きくないので参考にならない。


以前に立てた家3軒はそのままにして、家の後ろにある壁を一度撤去する。壁を作るのはだいぶやったのでかなり手馴れてきたため、30分程度で撤去は完了した。


そして、より広く壁を作り直す。今後のことも考えて壁は200m程度東の森側に広げて設置した。森の中でまだ手をあまり加えていない場所のため、木以外にも雑草も生えているので結構時間がかかってしまった。


それでも壁設置は2時間ぐらいでできた。昼休憩を挟んで、神秘の力をかなり高め一気に土をやわらかくする。木が倒れ雑草も掘り起こされている。この状態で前から少しずつ練習していた神秘の力をマジックハンドのように使う技を駆使し、まずは雑草を撤去していく。


一度掘り起こされているので掴めばすぐ取れ、何本もマジックハンドを遠くまで延ばして雑草を掴んでは集め、掴んでは集め・・・2時間ぐらいで雑草はほとんど集め終わった。なんだかんだで、雑草だけでも俺の身長(約170cm)ぐらいまで積み上がった。これはモーンたちの餌になるからこのまま天日干しだ。


次に木を集めていく。マジックハンドでは筋力は必要なく神秘の力の込め具合で力が変わるため、惜しげもなく力を込めて木を運搬し、開拓した土地の端に枝を切って重ねていく。


もうちょっとで夕方に差し掛かるが、今日中に仕上げてしまいたいのでもう少し頑張ろう。


次は土のマテルでやわらかくした土地を、雨が降ってもぐちゃぐちゃにならないように硬く固めていく。しかし石ほどには硬くせずその手前ぐらいでやめておく。


なんとなく石みたいにすると硬すぎる感じがする。本当になんとなくなので、あとで村人から要望があればもっと硬く変化させよう。


もう少しで日が落ちるが、次に家をとりあえず3軒建てる。村のレイアウトとしてはこちら方向は住宅などを作っていこうとしている。先に建ててあった3軒と背中合わせになるように建てた。


この3軒は妖魔や他に家が欲しい人が居ればとりあえず分け与えようと思っている。土のマテルで作ったレンガつくりっぽい家のため、あまり長持ちはしないかもしれないが、住むにはまったく問題ないので今はこれで問題ないだろう。


日が落ちたころ、クロが迎えに来た。


「ユウ様、お疲れ様でした。さすがですね、一人でここまでしてしまうとは。しかしいろいろ驚かされていたのでもうこのぐらいでは驚かないですね」


まぁそうだろう。地下でもかなり驚いていたからね。もう整地するぐらいでは驚かないだろう。


「もうそろそろ準備が整います。汗をかいていらっしゃるようですので、お風呂に入ってきてからはじめましょう。開始時間は少しあとに設定し住民に話しておきます。そして、その時間に合わせて妖魔の方々にも来ていただくようお話してきます」


さすがだね、気が利くよ。クロがこうやって裏で調整してくれるから、オレも自由にできる。でもなんか頼りにしすぎると何もできなくなりそうだから、自分でもちゃんと動くようにしよう。うん、そうしよう。


汗をかいたあとの風呂は気持ちいい。サウナとかあってもいいな。今度作ってみるか。


風呂を上がり、着替えてから家のリビングに行く。するとみんなが集まっていた。


「みんな待たせたね。それでは今日は新たな村の住人を迎え入れる歓迎会を開きたいと思う。他の街や村では妖魔というだけで忌み嫌う人がいると聞いた。しかし考えてくれ、同じ空気を吸って、同じ言葉を話し、同じものを食べている。それだけで敬遠するのはおかしいと思う」


村のみんなは真剣に話しを聞いている。ズズたちは涙を浮かべて話を聞いている。俺ってこんなキャラじゃなかったきがするが・・・。まぁ村長だし仕方ない。


「オレが村を作ろうと思ったきっかけは、街で見た差別が嫌になったからだ。ここではみんな平等だ。力を合わせてみんなで生きていく。そんな街にしたい。ズズ、グノ、ホツ、ピリ、シナ、この村の住人として歓迎するよ!じゃあいくよ!かんぱーい」


「かんぱーい」


みんなの談笑の声が聞こえる。村でどんなものを作っているとか、手先が器用ならこんなものは作れるか?とか。コミュニケーションは取れているようだ。


「ユウ様、さすがですね。私もお話を聞いていて涙があふれてきました。私も元とはいえ貴族の出ですが、このような考えの貴族が増えれば世の中はこのように平和で居られるのかもしれません」


ティカが隣に来て話しかけてきた。そうえばティカは元は兎族の貴族だったんだよな。この世界ではもう奴隷という制度が浸透しちゃってるから、なかなか難しいだろうけど、少しでもきっかけになればいいと思う。


「ユウ様、あっ、ありがっ、とう、ござっ、ございます。びえーーーーん」


妖魔のピリが泣きながら話しかけてきた。なだめて話を聞くと、今まで妖魔と土族以外の種族にこんなに話しかけてもらったことはなく、嬉しくて泣いているようだ。


「ユウ様、私からもお礼を言わせてもらいたい」


ズズが話しかけてきた。


「みんなピリと同じ気持ちだ。この村の住人はわれわれを恐れずに、普通に話かけてくれる。今までにも同じような人は居たが、目を見ると嫌がっていることがわかってしまった。しかしこの村の人たちはみな興味を持った目で話しかけてくる。それが嬉しいのです。恐怖ではなく興味を持って好意を持って話てくれる。こんなに嬉しいことはないです」


ズズも苦労をしたのだろう。矢継ぎ早に話しかけてくる。今までは言いたいことも言えないで、相手に嫌われないように話をしていたのだろう。一気に今までのつっかえが取れたように饒舌に話をする。


よかったよかった。いい事をしようと思ってやってるわけではないが、結果みんな喜んでくれているので結果オーライだ。今日はオレもお酒を飲もう!


それからみんなに飲まされ、案の定飲みすぎて気を失い、みんなにベッドに運ばれたようだった。


-----


次の日、やっぱり二日酔いだった。頭が痛い。


「ユウ様、大丈夫ですか?お水をお持ちしました」


ティカは気が利く。最近心なしか身長が伸びているような・・・体つきも前よりふっくらしてきたが、筋肉がついて引き締まった感じだ。


「ありがとう。やっぱりお酒はほどほどにしなくちゃね。昨日はみんなに注がれて、調子に乗って全部飲んじゃったからなぁ」


「頭痛がしますか?頭痛に効く薬草があったと思いますのであとで持ってきます」


「うん、お願い」


今日は昼までゆっくりしよう。


その後ティカが持ってきてくれた薬草を飲んだら頭痛はしなくなった。すげーな、効き目がパない(ハンパじゃない)


話を聞いたら、今日はみんな二日酔いでぐだぐだらしい。奥さんがいる人は奥さんに怒られているらしい。まぁ今日ぐらいは多めに見て欲しい。


昼からは起きて、クロたちと一緒にゲストハウスに居る妖魔達のところにいく。そうえいば、洞窟の中で妖魔たちが居たところにはじめ6つの反応があったよな。妖魔達は5人だから反応が1つ足りない。


「クロ、ズズたちを発見したとき、オレは6つの反応があったのを覚えてるんだけど、あの時出てきたのは5人だよね。ほかに何かなかった?」


「それは、ホールスネークの子供です。ユウ様がホールスネーク退治に出ているときに土の壁から出てきまして、私とミミで対処しました。子供といっても3mはあり、妖魔たちも油断をして居ればやられていたかとおもいます」


あぶねっ!それって俺達が行くのが遅れていたら妖魔達は食われていたかもしれないって事だよね。なんかちょっと鳥肌たったわ。本当に間一髪だったんだな。


「それって危なかったね。みんな無事でよかったよ」


ゲストハウスに着いて、ズズたちに話をする。


「昨日はお疲れ。二日酔いじゃない?」


「はい、何人か頭が痛いといっておりますが、大丈夫です」


「そっか、大丈夫そうだね。昨日のうちに家を作ったから割り当てたいんだけど、どう分けたら良いかな?家は3軒作ったんだけど」


ズズたちは意味がわからない、という風に困った顔をしている。


「家というのは・・・そんなに簡単に作れるものなのですか?」


「ユウ様には朝飯前のことです。ホールスネークを倒した状況を見たと思いますが、あのようにマテルを使いこなし、マテュリスより優れております」


「そう・・・ですか。わかりました。3軒を使ってよろしいのであれば、私とピリ、グノとシナ、ホツは一人とこのような配置にしていただきたい」


ん?この配置は・・・恋人なのかな?


「何を考えて・・・あぁそういうことですね。ユウ様、私とピリは夫婦です。グノとシナも夫婦ですよ」


「ぬぁんだとーーーーー!」

「なんだって!」

「にゃんだって!」

「なんてことです!」


4人で驚いてしまった。背が小さく、子供のように見えるが、妖精族に近い容姿のためこれで成人なのだそうだ。


マジで、おませなお子ちゃまかと思ったが、本当に大人だったとは!


「あと・・・私のお腹には赤ちゃんがいるので、これからはあまり激しい運動や力仕事はできないのです」


「ばかな!シャ〇と同じく3倍速いのか?!」

「私でさえ手をつないだだけというのに!」

「じぇ・・にゃにゃにゃ」

「子供みたいでも大人・・・私でも・・・」


みんな混乱している。クロはなんか自分の進展なしっぷりをばらしちゃってるし、ミミはなぜか、なぜかわからないが、朝の連ドラで有名になった、ある地方の驚いたときの言葉を言おうとしていたし、ティカは目がなんか怖い。


ピリさんの妊娠発言に驚いてしまったが、今まではお腹がぽっこりしてるのは子供だからかと思っていたが、おめでただとは・・・なんか子供が子供を生む感じがしちゃうから心配になってしまう。


でもおめでたい話には違いない!これは今後みんなでサポートしていこう。


「おどろいちゃってごめん。でもそれはおめでたい話だ。みんなでサポートするから元気な赤ちゃんを産んでね。村で第1号の赤ちゃんだ!」


新たな住民が増え、新たな命も半年後ぐらいには生まれるだろう。村としては活気付いてよいと思う。


村人にピリさんの妊娠を話したら、同じように意味不明な発言をしてしまうほど驚いていたが、みんな喜んでいた。


生まれてくるまでに少しでも良い村にできるように頑張ろう。

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