第2章 16話 奥底にあるもの
更新遅れて申し訳ないです。
今回は2話アップです
地上に戻り、ミミとティカに事情を話した。
「これから井戸の底の穴を調べようと思うんだけど、もしものことを考えるとティカの竜の涙の力が必要になるかもしれない。一度いったことのある場所へ瞬時に移動する能力を試してみたいんだけど」
洞窟の中で道に迷ったり、途中で一度地上に戻らなければならない状態になったら、ティカのネックレス、竜の涙の機能を使えばすぐに地上に戻ってこれる。緊急脱出用として使用ができないか確認したい。
「はい、問題ありません。一度、一緒に移動してみましょうか?」
話を聞くと、竜の涙をもらってから何となく竜の涙の言いたいことがわかるようになったらしい。はっきりではないが意思をお互いに読める?感じらしい。
そのため、いろいろと質問して教えてもらったらしい。瞬間移動の方法もわかったため密かに練習し、今では余り時間もかからずに移動できるそうだ。
「それじゃ、今いる4人を、家のリビングにお願いできる?」
「わかりました。それでは皆さん私の周りに集まってください。それでは行きますね。」
ティカが目をつぶって集中すると、竜の涙が光り、光ったと思ったらもう家のリビングにいた。
なんじゃこりゃ。すごすぎて言葉も出ない。ほんとにタイムラグがないから移動したことに気付かないところだった。
「こっ、これは・・・。これなら洞窟の中からでも、すぐ戻ってこれそうですね」
「にゃんだかわからにゃいうちに、家のにゃかにいたにゃ」
クロとミミも相当驚いている。
「すごいとしかいいようがないな。でもこれで脱出の方法は決まった。後は洞窟内を探索する準備だ」
みんなで探索する準備を行った。食料や野営の準備装備を整えて、お昼の休憩をした後に村のみんなに事情を話し、洞窟に探検に向かった。
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洞窟にはロープをつかい中に入っていく。洞窟の中は暗いため、マテルで光の玉を作り先に洞窟の中に投入して何もないことを確認しておく。
暗いまま洞窟に入って、モンスターだらけだったら、さすがに怖い。それに暗視ゴーグルのマテルを使っても良かったが、ミミとティカが光のマテルの方がいいというので、今回は普通に光のマテルを使用した。
洞窟の中は、天井は3mぐらい、幅2mぐらいの通路のようだ。少し先に広いスペースがあったので行ってみると、高さ5m、幅10mぐらいの広いドーム状の部屋に出た。
今通ってきた道を含めて、このホールには3本の通路がつながっている。どの通路も人が通ることが出来るスーペースがあり、人工物っぽいものも見られる。
「この空間は何なんだろう?ただの洞窟なら足元はあまりよくないだろうけど、ここはそうでもないし、何となく人の手が加わっているようなところも見られるし・・・」
「そうですね。私の知っている闇族の住処はこのようなものは該当しないので、闇族の者が作ったものではないようです」
「私は洞窟に入ることが初めてですので、わかりません。でも人の手が加えられている様に見えます」
「昔、聞いたはにゃしのにゃかに、地下に住む住民がいるって聞いたことがあるにゃ。でももう絶滅したってはにゃしだったにゃ」
ミミの話は少しヒントになりそうだ。地下に住む住民って言ったらドワーフだよな。エルフのような妖精族というのがいることは前に聞いたことがある。ただ、ここらではほとんど見ることがないと言っていた。
ドワーフだったら村でいろいろ作ったりするのに協力してもらえれば、かなり心強い。これは探すしかないでしょ!
「洞窟の中に住む住民というと、オレの知っている中ではドワーフという背が小さく、ひげが生えていて力自慢の種族なんだけど、ドワーフって知ってる?」
「ドワーフというのはわかりませんが、その特徴に似た土族は知っております。今は数も少なく、この大陸ではほとんどみられることがなくなった種族です。まさかこの洞窟が土族の洞窟の可能性が?」
やはりドワーフはいるんだな。ファンタジーの世界だとドワーフとかエルフとかが定番だしね。出てきてほしいな。ぶっきらぼうな職人気質のおっさんも村に居れば楽しそうだ。
「少しね。人の手が加えられてるから何か文明をもった種族がいるか、もしくは昔誰かが作った何かか。土族なら村に迎え入れたいと考えてるんだけどいいかな?」
「いいと思います。土族は手先が器用だと聞いたことがあります」
方針は決まった。洞窟の中を調べて、土族がいたら話をし、村人として迎え入れることとする。
どの道を行くかまず決めるのだが…ここは独断で左の通路から進むことにする。わからなくならないように、調べる通路の前に石で丸を地面に描く。
左の通路を進んでいくと道が広くなったり、狭くなったり、天井が低くなったり変化が見られたが、特に問題なく進めた。
30分ぐらい進むとミミが耳をピコピコ動かし警戒している。
「ユウ様、この先に何かいるにゃ。見てくるから静かにするにゃ」
ミミが偵察に出ていった。無理はしないように言ってあるから、様子を見たらすぐ帰ってくるだろう。
「ユウ様すぐ逃げるにゃ。おおきにゃ蛇が来るにゃ」
慌てたミミが怯えながら逃げるように言ってくる。クロが慌ててミミの横に行きおっかなびっくりな感じで肩を抑えてなだめている・・・が、鼻息が荒く怖い。むしろ恐怖感を与えるんじゃないか?
すると何かが這う、ずるずるという音が聞こえてきた。なんかやばそう・・・洞窟の通路は高さ2mぐらい、幅2mぐらいの広さだが、進行方向にカーブになっており、先が見えない。その先のほうからずるずる音が聞こえるので姿を確認できない。
光のマテルを一つ作り、カーブになっている通路のほうに投げると、少しずつ全貌が明らかになってきた。胴回り1.5mぐらいある大きな蛇が、洞窟内を窮屈そうにこちらに進んでくる。舌をチロチロ出しているので蛇で間違えないだろう。
「ユウ様、私は・・・蛇が・・・嫌いなんです!!!!」
ティカがご乱心だ。蛇嫌いだったのね。髪を振り乱しオレの周りをぐるぐる回っている。ウサギ跳びで回っている。どうしちゃったのよ!
「ティカ落ち着け!あれは大きいが、ただの蛇だ。どうにかするから落ち着いてくれ!」
ティカを落ち着かせたときには、もう20mぐらいのところまで近づいていた。
クロは鼻息荒いし、ミミは震えてうずくまってるし、ティカはうさぎ跳びはやめたが、オレの足にしがみついて耳を伏せちゃってるし、みんなポンコツぶりがすごいな。
ここは「私が時間を稼ぐ間にご主人様は先にお逃げください!」ぐらい言うのが従者じゃないのかね?と問いたい。小一時間ほど問いたい。
まぁここは主人としてみんなを守らないといけないな。怖くないわけじゃないけど、とりあえずやれることやらなきゃな。
オレはまずは火のマテルを蛇に向けて放つ。結構マテルをつぎ込んだつもりだが、蛇の鱗を少し焦がしたぐらいで火が消えてしまった。
ん?なんか変な消え方したな。火のマテルを打ち消す能力でもあるのか?
次に土のマテルで床を泥状にする。しかし、蛇はうまく泥の中を泳ぐようにこちらに進んでくる。まったく意味ないな。
そのあと、来た通路を戻りながら落とし穴を作ってみたが、小さかったのか蛇が頭を上げて落とし穴を超えてきた。
次に、土のマテルで壁を作った。洞窟の通路を土の壁でふさいだのでとりあえず時間が稼げそうだ。
「なんかすっごくやばそうだよね。マテルもほとんど効いてないし、直接攻撃するにも。突っ込んでいったときに口を開けられたらそのままパクリだな」
「ユウ様、もう逃げましょう!私は食べられたくないです」
ティカは相当蛇が嫌いなようだ。兎って蛇に食べられたりするのかな?といっても、兎じゃなくて兎族だからそうそう食べられることはないだろうけど。
「あれは蛇ですが、通常のものとはけた違いです。魔物の類でしょう」
「こわいにゃ。にょろにょろにゃ。ちろちろにゃ」
ミミが怖がってぶつぶつ話している。こりゃトラウマになりそうだな。
そんな時、ティカが身に着けている中の涙が点滅している。
「??ティカ、竜の涙がなんか言ってないか?」
「はい・・・あれは魔物の一種でホールスネークというらしいのですが、本来あんなに大きくなるものではなく、豊富な食料と長い年月生きている主のようなものではないか?と言っているようです」
もしかして・・・豊富な食料ってこの洞窟に住んでいたであろう人たちだったりして?・・・嫌なことを想像してしまった。
「そっか。でもやっぱり蛇の魔物なんだね。今考えると大きくてよかったかもしれない。小さいと自由に動き回られて噛みつかれる可能性がある。しかしどうしたものかね」
そんなことを言っていると、土の壁を叩くような音が響き渡った。次の瞬間土の壁が崩れ去り、ホールスネークがこちらに進んできた。
マジかよ!岩と同じぐらいの固さにしたはずだけど、体当たりだけで破壊したよ。こりゃどうするかな。
またずるずるとこちらに向かって進んでくるので、通路の先に逃げる。井戸から出ることも考えたが、こんなものが地上に出たらそれこそ村の危機になってしまうので井戸の底はマテルで埋めておいた。
洞窟の先に進むとまた二股となった。どちらに進むべきか・・・。考えている時間にもこちらに近づいてくるホールスネーク。
「もう・・・もう私耐えきれません!!いやーーーーー!」
その恐怖に耐えかねてティカが暴走し、左側の通路を走って行ってしまった。完全に我を忘れているな。俺なら先に何があるかわからないから怖くて一人で走っていけないぞ。
仕方ないのでオレ達もティカを追いかける。走って追いかけたのですぐ追いついたが、もう後ろにもさがれないのでそのまま先に進む。すると大きく開けた場所に出たのだが、広いようで先が全く見えない。
光のマテルを自分の上でいっぱい作って5個ぐらいを適当にばらまいた。すると壊れている家や、看板のついた店だったような建物が並んでいたが、それでも広すぎて一部しか見えない。
初めて光のマテルを出した時の様に、太陽のような明るさ放つ光の玉を1つ作り、広い空間の上空に飛ばした。これにより周囲の状況がよく見えるようになった。
「これって、街だよね?」
「そのようです。ここは土族の村だったのかもしれません。しかしこの壊れ具合と人がいないところを見ると・・・」
「ホールスネークにぱくりかにゃ?」
「そんな・・・へびに・・・」
ティカの顔が青ざめている。まぁそうなるわな。
やはりここの住民はホールスネークの餌食になってしまった可能性が高い。ここはかなり広いが本当に生きながらえている人はいないのだろうか?外に逃げることだってできたと思う。
今来た通路を土のマテルで2重に固めた。これからこの街の中を探索し、何があったのか手がかりや生き残りを探そう。




