裏サイト〈椚山シスターズ研究会〉チャットルームより抜粋 その四
サスケ『おい！ あのトップ記事はどういうことか訊いてんだっつの！ 出てこいよ会長！』
漆間太郎『落ち着いてくださいよサスケさん。こんなところでアタリ散らしても仕方ないっすよ』
サスケ『んなこと言ったって他のどこで言えっつんだよ！ 苦情んとこ書いても返事ねえしよ！』
恢都『その様子だと、サスケさんも会長の連絡先はご存知ないようですね。』
サスケ『ああ！？ 知るワケねえだろ！ お前こそ知らねえのかよ！』
恢都『私は知りません。』
恢都『と言うより、誰も知らないようですね。』
漆間太郎『でも思ったよりも怒ってる人少ないっすね。最初に見た時はもっと大変なことになると思ったっすけど』
サスケ『どいつもこいつも理解してねえんだゼ。あの記事の為にどれだけの人間がどれだけの時間使ってどれだけ真剣に心砕いてきたかってことをよ。それを自分勝手に変えるなんて、許されるワケがねっつの』
Ｙｕｕ『俺もサスケさんに賛成です。みんな完成度の高さを評価してるけど、どんなにすごい記事でも自分勝手にするのは良くないと思います』
カニナベ『でもこのサイト作った張本人だし、別にいいんじゃない？』
Ｙｕｕ『そういう問題じゃないでしょう』
サスケ『そう、そういう問題じゃないゼ。こんだけ大きいサイトになって、何人もの人間が関わってるんだから、管理人でも好き勝手していいってもんじゃねえっつの』
ワガハイ『オレも会長は許せないと思う。下手すればここがなくなってたかもしれないし』
カニナベ『なんでみんなそんなに熱いの？ ただのサイトだし、なくなっても問題ないじゃん。もしかしてみんな、引きこもりなの？』
ワガハイ『引きこもりを馬鹿にするな！ お前は引きこもりの凄さをわかってない！』
漆間太郎『ワガハイさん、論点そこっすか？』
サスケ『ここをただのサイトだと思ってる奴には、この気持ちはわかんねえっつの。ここはただのサイトじゃねえ。俺たち男の楽園だゼ。シス研を心の拠り所にしてる奴も、少なくないはずだぜ』
Ｙｕｕ『俺もそうです。毎日ここに来るのを楽しみにしてます。だからこそ腹が立つんですよ。こんな横暴が許されていいはずがない』
漆間太郎『その気持ちはわかるっすけど、会長にも何か事情があってのことだと思うっすよ。あまり手荒なことはして欲しくないっす』
Ｙｕｕ『手を出すつもりはないですよ。ただ、許せないってだけです』
サスケ『俺はそんな甘くないぜ。事情がどうあろうと、殴られるだけのことはしてんだからな。もしリアルで会長に会えるなら、事情訊く前にまずは一発ぶん殴らせてもらうゼ』
漆間太郎『そんな……』
恢都『サスケさん、それにＹｕｕさん、ワガハイさんも。ちょっと、いいですか？』
サスケ『あん？ なんだよ』
Ｙｕｕ『何ですか？』
恢都『言っておきたいことがあるんです。』
恢都『まず一つ。これぐらいのことで、このサイトは潰れません。』
恢都『そしてもう一つ。どんな事情があったって、会長がこのサイトを見捨てる訳がありません。』
恢都『だから今は、じっくり待ちましょう。』
サスケ『それはそうだけどな。だからって許すワケにはいかねえっつの』
恢都『はい。サスケさんはそう言うと思ってました。ただ、私が言っておきたかっただけです。』
サスケ『チッ、なんなんだっつの』
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