プロローグ
この作品は、俗にライトノベル(軽小説)と言われる物であり、中高生向けに書いた物です。その為、一般的な文学作品を好まれる方が読まれると、小馬鹿にされたような印象を受ける恐れがあります。
また作中には一部卑猥な描写が含まれます。これもライトノベルというジャンル上は仕方のないことであり、決して作者が常々こういう事を妄想している訳ではありません。ですので、どうか読了後に作者に冷たいコメントしないで下さい。いや、マジで。
以上の点をご留意の上、楽しく読書に励んでいただきたいと思います。
プロローグ
「せんぱーいっ!」
底抜けに明るい声が後ろから聞こえて、わずかに残っていた眠気が一気に吹き飛ぶ。
振り向くとそこには、僕が愛して止まない、目に入れても痛くない、世界と引き換えにしてでも守りたい、可愛い可愛い後輩の姿があった。ぴょこぴょこと揺れるツインテールが、ほんのり桜色に上気した頬が、小股で走る細い足が、ヒラヒラとはためくスカートが、彼女の全てが愛らしい。後ろから差す朝日までもが、彼女の可憐さを引き上げる為の演出に見えてしまう。
ああ、僕はなんて幸せ者なんだろう。こんな可愛らしい彼女と一緒に登校できるなんて。
ここ最近感じたことのない充足感を胸に抱きながら、僕はゆっくりと、彼女の方へと歩み寄っていく。
本当に、ついこの間までは、自分がこんな幸福を享受できるとは想像もしていなかった。
そう。全ての始まりは昨日の夕方、放課後の河原での出来事だった……。