保健室騒動
どうも!できたので載せます。
今回は、ラノベにおいてはお決まりの話。
えっ?何かって?
そりゃ、ラノベ主人公のお約束ってやつです。
色々と流れが無理やりだが、
それでもいいのだ!第8話!
教科書販売を夏火に任せて、残った大河は宣言通りに保健室へと向かっていた。
「(女子が身体測定なら保健の先生は居ないはず。後は保健室のドアが閉まってなければ、ベットは使いたい放題!)」
保健の先生が留守ならば大抵、保健室は閉まっているものだが、先生が出張でない今なら測定道具を取り出し易いようにドアに鍵を掛けていない可能性もある。可能性としてはなくもないレベルの話だが、もし開いていればベットで寝てればいいし、もし開いてなければ教室で待っていればいい。どちらにしても教科書を買いに行かない大河にとっては、楽な事に変わりないので、暇つぶしも兼ねて保健室調べへと足を運ぶことにした。
「(さぁて、鬼が出るか蛇が出るか……ってカッコいいから使ってみたけど、使い方あってるのかな?)」
少し不安な思いを持ちつつも、大河は保健室に着くと、早速扉へと手を伸ばす。
そして、横にスライドさせると、
ガラガラガラッ。と音を立てて扉が横に動いた。
「(おぉ!本日2度目のラッキー!!やっぱ日頃の行いが良いんだな)」
そう納得しながら部屋に入ると部屋の中は明かりこそ付いていたが保険の先生はおらず。怪我人もいなかったのか、保健室独特の薬の臭いもまったくしなかった。
「誰も居ませんか~?」
別に尋ねなくても分かることだが、一様は確認を取り。
「だるいからベットで寝ますね~」
と誰も聞いてない報告をした後。部屋の3分の1ほどのスペースを取り並べられたベッドに向かう。ベッドはよく見かける普通の保健室用の白いパイプベッドに白い布団、白い枕といかにも保健室らしいベットであった。
「(掛け布団がないな…洗濯中か?)」
保健室を見渡したが、それらしい物はどこにもなった。探してもいいが、元々許可もなく勝手に保健室を使っている事もあるので、変に部屋を物色するのも悪いと思い。掛け布団が必要なほど寒い訳でもなかったので、大河はそのままベットへと寝転んだ。
「(おぉ~!!シーツも全部替えてあって、もうこれ、高級ホテル並みじゃね?これ…)」
色々とらえ方が間違っているが、それだけ嬉しいのだろう。
そして、最後の仕上げとして、大河は、ベッド囲むカーテンを閉めて誰にも邪魔されない自分だけの世界を作り出した。
「(あぁ!もう誰にも邪魔させない!すばらしきこのせかい!)」
随分と満足する理由が単純なようだが、それが人生を楽しむポイントかもしれない。かくして、完璧に自分の世界に入り込んでしまった大河は、誰もいない保健室にて早々と眠りへとつくのだった。
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眠ってどれだけの時間が経っただろうか、眠っている時の時間の感じ方など人それぞれであり数分しか寝てないつもりでも何時間でも寝ていたり、何時間も寝ていたつもりでも数分しか経っていない事もある。だから、今大河はどれだけ寝ていたは正確に把握できていない。
しかし、あまり寝た気分がしないのだから、少なくとも長いこと眠ってはいないのだろうと大河は判断した。何故寝る気満々だったのに早く起きてしまったのか。それは、回りから聞こえる音に問題があった。多少の物音ならば問題はなかったのだが、今聞こえてきたのは話し声であり、それもかなり騒がしかった。よく聞いてみると。
「・・・!・・づきさんって!・・おおきいよね~!・・イルもいいし~」
「そうだ・ね~。なにか・・・・・・してんの?」
「ちょっ・、さわ・・・い~」
「・ょっ、!まっ、や、・・ろって!」
「えぇい!・・・・ないか!よいでは・・・!」
まだ夢現の為なのか、しっかりと内容が聞き取れないが、声からしてそこにいるのは女子であることは分かった。
「(だ~…うるせえな~…)」
静かにしていて欲しい時に聞こえてくる女子の会話というのは、正に天敵である。人が寝ていることに気付いてないというのもあるだろうが、女子の会話のトーンには遠慮が感じられず、その喧しさはどんどんと増していった。そんな女子達の会話を耳に入れている内に大河の眠気もだんだん失われていき、それに比例してイライラが増していった。
「それにしても、昼食後に身体測定とか、学校側は何考えてんだろうね~」
「ホント、女子の気持ちわかってないよね~。私なんてお昼抜いちゃった」
「そんなに気にする必要あるの?別に何十キロって増える訳じゃないでしょ?」
「うわっ、!余裕だ!!スタイルの良い奴が余裕ぶっこいてる!!」
「すっごいむかつく!だから、触らせろ!!」
「いや、何で!?」
「(ああァァァ!!うっせえな!)」
やがて我慢できなくなった大河はバッと上半身を起こすとカーテンを掴み、ガッシャアァァ!。と乱暴だと誰もが分かる音を出しながらカーテンを開けた。
「えぇい!うるせぇな!保健室では静かにしろ!!人が眠っている、時…に……」
と大河は思わず言葉詰まらせた。
なぜなら彼がカーテンを開けたその先にあったものは、昼に会った愛川に彼女の友達の小夜月さらに教室で見かけた女子や全く知らない女子。計9名の女子が下着姿で身長や体重を計っているという楽園。もとい、修羅場が待ち受けていたからだ。
「あっ、えっ、え~っと……………」
大河は、突然迎えた幸運。もとい、不幸を何とか打破する為、必死に頭を回転させたが、やはりパニックになっている状態でいい打開案を与えてくれるほど神様は優しくはない。いい案を思いつくには落ち着くことが必要だと思い。一先ず状況把握をすることにした。しかし、状況を理解しようとすればするほど、大河の『状況打開計画』の作成は困難を極めた。と言うより、周りを見るたび下着姿の女子生徒の姿が視界に入ってきて、そちらにばかり気を取られてしまう。
「(だけど仕方がないんだよ。…悲しいけどオレ、男の子なのよね)」
取りあえず、男のサガの虚しさを理解することは出来たが、今はそんなことが分かっても何の役にも立たない。何というか、余計に虚しさが増すだけだった。
だけど、大河はまだ諦めてはいない。自分で解決出来なくても、他の誰かの手を借りる事が出来れば、まだ丸く治まる可能性もある。いや、治まらないにしても、少なくともこの入り組んだ空気を少しは和ませることが出来るかもしれない。
そうなれば、覗きという印象を彼女達にあまり与えず、ただの事故として処理され、将来は、笑い話にでもなって語り継がれるだけで済むかもしれない。かなり都合が良すぎるかもしれないが、大河はその筋書きを疑う事はしなかった。というより、もう誰か他の人物の助けを借りる以外にこの状況を打破できそうになかったのだ。
そうと決まれば、と早速大河は助け舟になってくれそうな人物を探すが、今日は入学初日。新しい学校生活が始まったばかりなので、今保健室にいる女子の顔ぶれは、何となく見覚えがあっても名前をまだ覚えていない女子ばかりだった。流石にそんな彼女達に助けを乞う事は出来ないし、期待も出来ない。ならば、唯一の知り合いである愛川の助け期待したが、それも彼女を見た瞬間に諦めた。
愛川は、最初は大河の登場に驚いていたが、今は顔を恥ずかしそうに真っ赤にし、目には涙を溜めて、今にも泣きだしてしまいそうな顔をしていた。流石に泣きそうな女子に助けを期待するのはいくらなんでも虫が良すぎるというやつだ。ならば、残された頼りは最後知り合い(さっき会ったばかりだが)小夜月だけだったが、彼女に至っては最早論外だった。愛川と同じように最初は驚いていたものの、今は明らかに敵意むき出しの鬼のような形相になっており、今にも襲いかかってきそうな状態だった。
結局、状況を把握し、整理した結果。今の大河の周りには誰も味方がいないと結論が出た。つまり、もう頼れるのは自分だけ。
「(ふぅ…ヤレヤレだぜ…)」
と、口には出さず若干カッコつけてる感があるが、大河は心の中でこう思う。
そもそも、女子の下着姿を見ておいて、助けをその女子に求めるなんて、都合がよすぎたんだ。例え、故意でないしても、不運な偶然だとしても女子が下着姿でいる所を見たら、それはもう『覗き』でしかないのだ。すなわち、今更何をしたところで『覗き』をした事には変わりがない。ならば、せめてこの場を和ませる気の利いた事でも言って、彼女達の自分に対するイメージを少しでもまともなものにしよう。そう自分に言い聞かせ、大河は犠牲を出さず助かるというあまい考えを潔く捨て、自分の運命を受け入れると、パッ、と頭に浮かんだこの場を和ませる気の利いた事を言おうとした。
「まっ、間違えちゃった~……」
この場を和ませようと一番最初に浮かんだ台詞がこれか、と大河は自分の言葉選びのセンスのなさを後悔することになるのだが、それはもう少し後の話である。
「「間違えた」?あぁ、間違えたみたいだな。人の道をなアァッ!!」
少しうまい事を言いながら、最初に大河を成敗しようと拳を振り上げて突っ込んできたのは、やはり先ほどから敵意をむき出しでいた小夜月であった。
ここまで来たら逃げることも、つもりない。覚悟を決めた大河が最後にする事。それは、この地獄。もとい天国の光景を目に焼けつける事だった。
「(どうせ、もう助からないんだ。だから、そのくらいの救いはあっても、いいよね?)」
心の中でとはいえ、変にカッコつける大河にイラッとする人がいるかもしれないが、そこら辺はどうか見逃してほしい。何度もいうが、結局は彼も男の子なのだ。
出来れば、全ての女子の姿を目に焼け付けておきたかったが、今はそんな時間もない。ならば誰でもいいな。と大河が何も考えずに最初に目に留まったのは、昔からの知り合いである愛川だった。
今は泣きそうな顔をしているが、小学校時代、彼女はいつも可愛らしい笑顔を浮かべるのが特徴の少女だった。初めて彼女に会った時、直接見た訳でも、された訳でもないのに何故か大河はクラスの皆に気を配る優しい女の子なのだろうと思ってしまう程、その笑顔は印象的で癒されるものだった。そして、その笑顔は小学校時代から今日という日まで時間がたった今でも、まったく変わっていない。
もしも彼女に変わった事があるとすれば、それは精神的な方面などではなく。
主に肉体的な方面でだった(いやらしい意味で)。
当たり前だが、小学校の頃とは体付きが違い。女子高校生らしく、年相応の成長を遂げていた。他の女子達と比べてもスタイルは中々良い方であり。ピンクや黄色といった色つきの下着を付けている他の女子と違い彼女の身に付けているのは何の変哲のないただの白い下着だったが、恥ずかしがる彼女の態度がその何の変哲のない下着の破壊力を更に倍増させ、更に顔が赤くなっている事もあって、通常の3倍可愛くも感じさせた。
そんな愛川の姿を目に焼け付けた後、次に目に留まったのは、たった今、大河に殴り掛かって来ている小夜月。彼女のスタイルもまた抜群に良かった。着痩せするタイプなのか、昼に挨拶をした時は分からなかったが、B・W・Hのどれを取っても優れており。W・Hも引き締まって無駄な肉が付いておらず、スタイルの良さを際立たせ、特にBに至っては、この保健室にいる女子の中で誰よりも優れていた。きっと、さっきの女子の会話で盛り上がっていたのは、このBについてに違いない。等と、大河が「お前実は結構余裕あるだろ!?」とツッコまれそうな結論をだした直後だった。そんなツッコミを否定しなければならない程の強烈で凶悪な拳が小夜月によって大河の顔面に叩き込まれる。
以上。そこまでが、大河が気を失う前に見た修羅場と言う名の天国の姿だった。
以上です。
え~まぁ察していると思いますが、
お約束のラッキースケベ回ってやつです。
ちょっと流れが強引にも思えますが、
そこら辺は主人公大河の、主人公特性というやつです。
ただ、思いのほか、作成に手間取りました。
単純に作れると思ってたんですが、意外と話の持ってき方が難しかったです。
後、表現とかも、ヒロインの魅力を説明しようと、
くどくなってしまった気もします。
でも、やっぱり最初の内は仕方ないと割り切って、少し長い分を載せました。
それと、ヒロインの特徴を簡単に説明しますと、
愛川は、スレンダーな体つきで、まぁ出るとこ出てるって設定です。
そして、小夜月は、え~分かりやすい巨乳設定です。
いや、だってお約束でしょ?それにやっぱ、みんな好きでしょ?
まぁ完全に独断と偏見で決めた設定ですが…
とりあえず、キャラ設定としては、あまり珍しくない、
お決まりなものを目指してみました。
ベタですが、やっぱこういう風に特徴押さえた方が書きやすいですよね。
ではでは、長々とまるで専門家みたいなことを書きましたが、
ただの独り言ですので、あまり気に留めないでください。
ではでは、今回はこの辺で、
次回もがんばります。