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入学式後騒動

どうも、昨日載せたばかりですが、出来たんで載せます。

本当はpixivの万事屋幻想殺しと一緒に出したかったんですが、

今日はこっちが気分がのって書けたんで、こっちを進めました。


まぁ、おそらく次回は遠いですが、

とりあえず行きます第5話!




右手に買った食パンと牛乳、左手に雑誌を持って森田正信は学校をブラブラと歩き回っていた。本当は菓子パンや調理パンが欲しかったが、彼が行った時にはすでに売店は戦後間もなく状態であり。それらは何も残っておらず、彼に残されていたのは売れ残りの何の味付けもされていないただ食パンだけであった。大変味気ないが何も食べずに午後を過ごせる訳もないので食パンに牛乳という張りこみをしている警察もびっくりな寂しい昼飯に送ることになっていた。


(あ~あ、もっと早く行けてればな~。いや、コンビニ寄った時に買えばよかったのか)


昼飯の買い出しに遅れたことを後悔しながら森田は校舎から出て、少し離れたグランドにつながる階段に腰を下ろした。教室に戻って昼食にしてもよかったが、クラスに知り合いはいないし他のクラスにも知り合いはいないので、戻ったところで一人寂しく過ごすのが目に見えていたからだ。


(やっぱ、覚悟はしてたけど知らない人ばかりってのは、なかなか慣れなないなー。とりあえず、まずは普通に話せる友達作んないと……そういえば、)


ふと、森田は今朝助けてくれた二人の新入生を思い出した


(今朝のあの二人。名前聞けなかったな…うちのクラスにいなかったから、別のクラスだとは思うけど…また後で探してみようかな)


そう頭の中で結論付けると、恐らく学校で暇になるだろうからと朝のうちにコンビニで買っておいたジ○ンプを開きながら、売店で買ったただの食パンを口へと運ぶ。味気ないがないよりマシと割り切って味わっていると、


「よぉ!また会ったな」


何やら聞き覚えのある声に嫌な予感がしたが、森田は声のする方へ恐る恐る振り向いた。

そして、振り返った先にあったものは頭に包帯を巻いた一人の男の姿だった。

森田はその男のことを知っていた。というか、先ほど知り合ったばかりだ。


「ヨっ、ヨッシーさん?」


名前を知らない以上、あだ名で呼んでしまうことは仕方のないことだろうが、どうやらヨッシーはそれが気に入らなかったらしい。


「お前がヨッシーって言うんじゃねぇよ!」

「あ!すいません…」


とりあえず平謝りしていると、部下その①(勝手に命名)が森田に近づき耳元で囁く。


「今朝は、まぁ随分と世話になったな…」

「いやっ…僕、何もしてないと思うんですけど…」


尤もなことを言っているのだが、相手は先輩のため下手に反論する訳にいかないので小声で呟くのだった。すると、ヨッシーがその部下①を制し森田から離すと、横に並び落ち着かせようと肩をポンポンと軽く叩いた。


「まぁなんだ、別に俺達は、もうお前をどうこうしようって訳じゃないだ。それよりも今朝の…あの新入生二人に会いたんだが」

「えっ?」

「お前も同じ1年だろ?」

「いや、でも僕初対面だったし、彼らの名前も知らないんですけど…」


確かに今朝の新入生のおかげで森田は助かり感謝もしているが、入学式直前ということもあり時間のない森田は彼らの名前を聞く事が出来なかった。ならば、どれだけ聞かれようとも脅されようとも森田自身が彼らの求める答えを知らないのだから答えようがない。


「なんだ。そうか、残念だ。だけどよ、探し出すくらいは出来るだろう?」

「……あぁ、そういうことですか…」


森田は、嫌々彼らの意図を察した。

一年生二年生の教室は『第三棟』にあり。一年生は二階、二年生は一階と分けられている。その為、二年生が一年生しかいない階をウロウロしていると目立ち、先生からも目を付けられたり、色々面倒な事になる可能性もある。そうなると、今朝の新入生を探すことはかなり面倒になるので、彼らは同じ一年で二階にいても目立たない森田に彼らを呼んで貰おうとしているのだ。つまり、早い話パシリになれということだ。


「どうやら、俺達の言いたい事が分かったみたいだな」

「いや、でも…」

「いいから、ほらっ!さっさと行け!」

「うわっ、と!」


話が終わりヨッシーが離れた直後だった。部下その②(勝手に命名)が森田の背中を、行っとこい言わんばかりにバシンッ!、と勢いよく叩いた。割と力が入っていたのと驚いた事もあって森田は手の力を緩めてしまい持っていたジ○ンプを手から離してしまい、ジ○ンプは地面に叩きつけられてしまった。あぁあ、まだちゃんと読んでないのに…。と森田が肩を落とした正にその瞬間だった。


「ほわちゃぁぁ!!!」


今朝、謎の必殺技によって先輩にぶつかった新入生A(勝手に命名)が、今朝と違ってあらかな敵意丸出しでヨッシーにとび蹴りをお見舞いした。


「アジャパァァ!!!」


悲痛な叫び?声とともにヨッシーは愉快痛快に階段の一番下まで転げ落ちていった。


「「「ヨッシー!!」」」


急いで階段を下りてヨッシーの元に向かう部下達と強烈な飛び蹴りの後に華麗な着地を決めている新入生A。更にその新入生Aを追いかけて来た今朝先輩にぶつかってない方の新入生B(勝手に命名)状況と顔ぶれだけ見れば今朝の騒動と同じようにも見える。

変わったことがあるとすれば、新入生Aが今朝と違い怒っているということだ。


「貴様等、さては石○都知事のまわし者だな!!?」


新入生Aは鬼のような形相で続ける。


「夢を見ることが困難なこの時代!ジ○ンプこそが希望の象徴!溢れ出る人々の夢を!条例程度で防げると思うな!!」

「なぁ大河…頼むから、長いセリフ言う時は、ちゃんと相手が聞いているのかを確かめてからにしてくれ」


訳の分からないことを大声で怒鳴る新入生Aを諭すように新入生Bが優しくツッコム。階段の上では新入生A・B、主にAが騒がしく。階段の下ではヨッシーの部下達がヨッシーを心配し慌てふためく。何とも混沌とした状況だが、ちゃんと理解しておいてほしい事が一つだけある。先ほどヨッシーが落ちた階段は、上から下まで、高さでいうと2、3メートル程はある。新入生Aはあまり気にしていないようだが、もし打ち所が悪かったら死んでもおかしくない高さでかなり危険な行為なのだ。


「テメェ!何しやがんだ!?」


部下の一人が階段の下から新入生Aを見て叫ぶ。

一方、新入生Aはそんな彼らを汚い物でも見るかのような蔑んだ目を向け、そして語る。


「ジ○ンプを粗末にする奴に…生きる価値なんてない!」

「何そのジ○ンプに対する飽くなき愛情!?どっから湧いてくんの!?」

「っていうか!ジ○ンプ落したことが許せねえなら!それは、そいつを叩いた俺せいだろ!!なのに何で

ヨッシーを蹴ったんだよ!?」


と、部下その②が追及した。彼の言う「そいつ」とは森田のことである。

確かに彼がジ○ンプを落としたのは、彼が森田の背中を叩いたからであって、原因は彼にある。ならば、先ほどの飛び蹴りを喰らわせる相手はヨッシーにではなく部下その②でなくてはならないはずなのだ。

その矛盾を叩きつけられた新入生Aは、


「……………………………………………………はっ!!」


あからさまに驚いた顔をした。


「『はっ!!』じゃねぇよ!!」

「何今気付きました!みたいな顔してんだ!?」

「もうホントに何の為にヨッシー蹴ったんだよ!?」


非の打ち所のないヨッシーの部下達のツッコミ新入生Aはおどおどと慌てだした。


「やっ、やっべ~。なぁ、竜!どうしよう!?」


と新入生Aは新入生Bに尋ねた。そして、竜と呼ばれた新入生Bは腕を組んで何かを考えるように目を閉じる。それから暫く経ち、答えを見つけたのか新入生Bは目を開いて、新入生Aの肩に手を置いて、まっすぐ彼の目を見つめた。


「素直に、謝りなさい」


その言葉をしっかりと受け止めた新入生Aは、黙って頷くと、


「すいませんした!」


腰の角度を90度に曲げ、深々と謝った。そんな彼を見たヨッシーの部下達はもちろん、


「「「ふざけてんのかアアァァァァ!!?」」」


火に油を注ぐとはこのことだろう。彼の怒りは先ほどよりも遥かに熱く燃え上がった。彼らの怒りに流石に焦ったようで、新入生Aは慌てて新入生Bの方を睨んだ。


「え!ちょっ、なにこれ?おい竜!全然ダメじゃん!」

「ばかっ、こういう時はやっぱ土下座だろ!」


そういう問題じゃないだろ。と森田は心の中でツッコンだ。


「お前らァ!」

「どうしてくれようか!!」


もう今直ぐにでもヨッシーの部下達は飛び掛かってきそうな雰囲気になっていると、


「あ~、とりあえず先輩、大丈夫ですか?」


今朝と同じく新入生Bがフォローに回った。


「うっ!う…ん」


そして、何故こうタイミング良いのかヨッシーが目を覚まし、部下達の関心が一気にヨッシーの方に向いた。


「ヨッシー!大丈夫か!?」

「うっ…俺は……………誰だ?」

「「「ヨッシィィィ!!」」」


この流れは、今朝と大して変ってない。


「なんてこった!ヨッシーのメモリーカードが吹っ飛んだ!」

「しかも、今朝よりも重症だ!!」

「えっ!?なに、またヨッシーのメモリーカード飛んじゃったの?あぁもう。便利なものを頼るからこういう事になるんだよ…もっと昔を…」

「もういいから!!それ!」

「同じことベラベラ繰り返してんじゃねぇよ!」

「大体お前のせいだろ!!」


せっかく彼らの関心を別に向けたのに再び自分に向けさせるのも今朝の騒動と大して変っていない。だが、今朝以上の深刻な事態に流石に焦った不良たちはヨッシーを抱えると。


「お前等…マジで覚えてろよ!!」


今朝とは違い「マジ」という言葉を付け足し、彼らは素早くかつ丁寧にヨッシーをどこかへ運んで行った。何はともあれ、森田は助かった。過程はどうであれ、一日に二度も助けられたのだから、森田は改めて礼を言うために彼らと向かい合った。


「また、助けられちゃったね…」

「あぁ?あれ…お前たしか…」


声をかけられた新入生Aは最初は不思議そうな顔をしたが、やがて、ハッ!と何かを思い出した様な顔をした。


「え~っと…あれだ!森永君!!」

「…………森田ね」


残念ながら今朝のことだけでは、名前の最初の二文字を覚えてくれるくらいの脳の容量しか使ってくれないらしい。だが三文字でいいところをわざわざ四文字にしているところを踏まえて考えると、もしかしたら、ただふざけているだけかもしれない。だが、結局のところ彼の本心を知ることの出来ない森田は苦笑いを浮かべ、もう一度名前を教える事にした。そして、それを聞いて新入生Aは、あぁそっか。と、うっかりしたとでも言いたそうな顔を浮かべると急に階段を下りてジ○ンプの所まで行き。


「まったく、ひでーことしやがるな~」


それを拾い周りに付いた砂を手で払った。

まるで、本当にただジ○ンプを傷つけたことが許せない。と言いたげな態度をとる新入生Aの姿に森田は呆れるように笑って尋ねる。


「助けてもらったし、見たかったらいいけど?」

「おぉ!いいのか!?」

「うん、汚れてていいなら…」

「いや~全然かまわねぇよ!悪いな、明治くん…」

「森田ね!何、明治って!?森永から続いてんの!?」


と100点のツッコミを決めていると、新入生Bが新入生Aに向かって大声を出す。


「大河!そんなことより早くメシ買いに行くぞ!」

「あぁ!そうだった!また後で見せてくれ!」

「あっ、待って!」


校舎に戻ろうとする二人を森田は呼び止めた。


「パンならもう何もなかったよ」

「「ナニィィィィ!!」」

「ほら、もう食パンしかなかったよ…」


森田の持つ食パンを見せられた二人は溜息をついた。森田が二人をからかっている可能性もない訳ではないが、流石にただの食パンだけを好き好んで買う人間はそうそういないだろうから、二人は森田の言葉を信じ現実を受け入れることにした。


「マジかよ…どうするよ?」

「いや…どうするも何も…もうジュースで過ごすしかねえだろ」


どうやら彼らは放課後まで飲料だけで過ごすつもりらしい。

いくらなんでも無謀だと感じた森田は食パンの袋を開けて二人に差し出す。


「一人には少し多し、食べる?」

「いいのか!?」

「助けてもらったしね。その代わり飲み物は自分で買ってよ」


それを聞いた新入生A。正確には大河というらしい彼は、森田の肩に「ありがとう」といった感じに手を置いた。


「いや~何から何まで悪いなっ!森田○義君!」

「途中まで合ってるんだけど、なんか有名人になった!?」






以上です。


とりあえず、愛川、小夜月と同じくレギュラー的存在である森田も

少しスポット当ててみました。

え~一見に重要なキャラに見えませんが、

まぁ薄々勘づいている方いると思いますけど、

森田は銀○でいうところの新○的ツッコミキャラです。

つまり、かなり重要です。

彼が出てくるおかげで、大河もそして、夏火もボケれるようになってくんです。

だから、結構重要な人物です。


逆にそこそこ出番のあるヨッシーは、

今のところ、これ以降の出番は考えてありませんww。

と言う訳で、皆さんヨッシーに祈りを…


では、今回の話でのあとがきはこの辺で、

次回もがんばります!

って、そんな見てる人いないのに、何張り切ってるの?とか、言わないで…

がんばってれば、見てくれる人もいるんだから…

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