表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンコンサルタント  作者: 栁屋 なぎ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/14

13. 第一印象って大事だよね

 トリセツを開きながら、気絶してる彼女の扱いについて、改めて考える。


 ひとまず助けはしたけど、こちら側(ダンジョン側)に誘っても素直に来てくれるかは分からない。無理に取り込んだとしても、恨みを買っていればそのうち裏切られ危険に晒される。


 だからといって、このまま返してもダンジョンの場所がバレ、中のモンスターも枯渇してるとなれば、好機と捉え攻められたら、今度こそニャディーの元まで冒険者が来てしまう。ニャディーもクロも強いが、集団で攻撃されたら負けてしまうかもしれない。


 答えの出ないまま頭を抱えていると。


「ん……ここは……。あ、そうか死んじゃったんだな。死後の世界ってこんな感じなのか」


 ムクリと体を起こし、勘違いをしたエコレの独り言が聞こえた。


 「どうも、おはよう。ここはまだ死後の世界じゃないよ。気絶してた所を運んできたんだ」


 アニメに出てくる知能キャラの様に、本を片手にクールに行きたかったが、読んでた本(トリセツ)が大きすぎて、閉じる際にバタン!と重めの音がなり、エコレの肩が少し跳ね上がった。そのまま振り向いた彼女と目が合う。


 「た、助けていただき、ありがとうございます。まさかダンジョンから救出してくれる人が居るなんて……」


 「ん?あぁ、ここはダンジョンの中だよ。俺は小林翔護、このダンジョンに住ませてもらってるんだ」


 今まで洞窟で戦って居たのに、起きたら木の家で寝てたとなればそう思うのも無理はない。


 「しょ、しょーごさんはダンジョンに住んでるんですか……あ、私はエコレと言います。私たちが最初の発見者じゃなかったんですね。だからモンスターも少ないし、宝箱もなかったのか……」


 もっと驚きや質問があると思ったが、勝手に納得してすんなりと、ダンジョンに住んでる事を受け止められてしまった。襲われるよりは良かったが、身構えていたのがアホらしくなる。


 まぁ、もちろん武器は取り上げてあるし、自分の足元にはゴブリンをシバく時に使った棒が置いてあるので、襲われてもニャディーが助けに来てくれる時間稼ぎくらいならできるが。


 「た、助けていただいて、こんな事を言うのもなんですが……少しの間、お邪魔させてもらってもいいですか?」


 言いずらそうに、口を開けては閉じてを繰り返してから、申し訳なさそうにそう告げる。

 ダンジョン側に無理に誘うのも、ダンジョンの戦力が整う前に帰られるのも、両方避けたかった身としては、向こうから居座りたいと言われれば、それに越したことはない。


 「理由を聞いてもいいかな?」


 相手の求めているのが分かれば、より裏切られる確率も減るので、すぐに返事をせずに聞いてみる。


 「そ、それは――」


 彼女の昔の話を聞き少し同情してしまう。山賊に地元を襲われ、逃げた先の街では人に恵まれず。終いにはダンジョンに置いていかれ……元の世界でも嫌な人はそこそこいたが、そこまで殺伐とした世の中ではなかった。

 何はともあれ話を聞く限り、人に疲れて半ば自暴自棄になってるだけで、裏切る理由も無さそうだし、仲間に加わって貰ってもいいと思う。


 「だってさニャディー、クロ。害は無さそうだし、一緒に住んでもいいかな?」


 「いいにゃよー。」

 

 ガチャリと扉が開き、外で待っていてくれた2人が中へ入り込む。


 「え?!だれ?! え??!グファ・ベア?!!」


 現れた猫耳少女と、さっきまで戦っていたグファ・ベア(クロ)に咄嗟に身構える。武器は取り上げられているので、通用しないであろうファイティングポーズだ。


 「やぁ、にゃーはニャルディアだにゃ。このダンジョンのマスターだにゃ」


 「こっちはクロ。さっきまで殺り合ってた仲だし、すぐにとは言わないけど、同じダンジョンの仲間として上手くやってこ!」


 クロは喋れないので、代わりに紹介をする。

 エコレの身構えに対して、クロもさっきまで戦っていた手前、警戒を露わにし少し唸ると、後ろで小さな悲鳴がきこえた。


 「な、なんでモンスターがここに?!」


 一触即発の雰囲気にニャディーはクロを、自分はエコレをなだめ、少し時間を置いてから改めて説明をする。

 混乱させないよう、ニャディーとクロに外で待っててもらったが、意味がなかったようだ。

 

 「落ち着いてきたかな?さっきここに住んでるって言ったじゃん?」


 落ち着かせるために出したお茶が冷める頃、聞く体制になったので話を続ける。

 

 「い、言いましたけど。てっきり流れの冒険者が住み着いてるのかと……ダンジョン側だなんて思いませんよ」


 言われてみれば、ダンジョンに住んでると言われたら、住み込みで攻略してると思うのが一般的で、ダンジョンの運営側なんて思いもしないだろ。

 それならすぐに受け止められたのも納得出来る。


 「少し思い違いは合ったけど、改めてどうする?こちら側(ダンジョン)に来れば衣食住は保証するよ、冒険者と戦う事になるかもしれないけど」


 少し下を向いた後、意を決したように話し出す。


 「……やっぱり、ここに住ませてください」



 ◆◆◆

 

 

 新しい仲間が増えて嬉しい所だが、素直に喜んでは居られない。ゴブリンの反乱で少なくなったモンスターが、さらに倒されて少なくなってしまった。手持ちのDPも新しいサーチアイを買い、エコレを置き去りにした冒険者もまだ生きていてるらしく、DPが入らず資産が底を尽きかけていた。


 資産とは現金だけでなく車や家、株やゲーム機などお金になりそうな物を全てを資産として見るのだが、ダンジョンも同じでモンスターも立派な資産だ。


 「さすがにモンスターが少なすぎて、ダンジョンの赤字が凄いな……他のダンジョンはどうやって稼いでるんだ?」


 「みんなお宝で冒険者を誘って、倒して稼いでるにゃよ。やっぱ冒険者を倒すのが、1番手っ取り早く稼げるにゃ」

 

「じゃ、じゃぁこれからお宝を置いて、冒険者を呼び込む感じですか?」


 やはり冒険者を呼び込むのが主流の様だが、個人的にはあまりいいとは言えない。冒険者に仲間意識を持っているとか、死んで欲しくない訳ではなく、普通にハイリスクでコストも高いからだ。

 

 倒した時のリターンは大きいみたいだが、冒険者だってみんながみんな馬鹿じゃない。死なないように無理はしないし、情報を持ち帰られれば対策も取られる。


 それにもし倒せないほど強い冒険者が来れば、それでゲームオーバーだ。せめてこの周辺の冒険者に、攻略出来ない程のダンジョンにしてからでないと、いくらリターンが良くてもリスクが見合っていないと思う。


「しょーごは慎重だにゃ。にゃーだってそんなホイホイやられないにゃ!」


 自信があるのはいい事だが、世の中そう言ってるやつが真っ先にやられるのだ。


 「そ、それならこれからどうするんですか?」


 モンスターが増えるのを待っていても、2日程で手持ちのDPが尽きてしまうため、流暢に待っていられない。それに忘れてはいけないのが、あと5ヶ月で30万DPを稼がなければならないのだ。


 しかし、DPを得る方法は限られている。ダンジョンの中で生き物が倒された時がメインで、生きてる内は少ししかDPを得られない。よくある物語のように外貨をDPに変換はできないのだ。


 「とりあえず、今出来る事と言えば……外に出稼ぎに行くか」


 「そ、それなら私も行きます。少しならこのダンジョンの周りも探索してたので、もしかしたら力になれるかもしれないです」


 「じゃぁ途中まで一緒に行くにゃ!」


 ニャディーも末鬼に話があるようなので、一緒に降りていく。ニャディーは下に降りるほどデバフがかかるが、「身体が重いだけだから大丈夫だにゃ!」と元気そうだったので、気持ちが悪くなるとかは無いようだ。クロも一緒に行きたがっていたが、肩に貰った傷が癒えるまで待機中だ。


 「これまではにゃーが居たから襲われなかったけど、この先は気をつけるにゃよー!この階は末鬼に話しを付けて、襲われないように交渉してみるにゃ!」


 「ありがとね!こっちもちょっくら稼いでくるよ」


 草原エリアでニャディーと分かれ、さらに上へと登っていく。ゴブリンも全く姿を見せず、なんの苦労もなく1階へたどり着いた。


 この世界に来て初めての外に、少しワクワクしながらダンジョンの入口をくぐった。


1日の生産DP : 120

1日の維持費用DP : 170

残り : 約180DP

エピソードタイトルはつけた方が良いみたいなので、時間ある時に付けていきます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ