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しわ

作者: 網笠せい
掲載日:2025/10/22

 歳をとると、人となりが顔に出るというけれど、本当だろうか。

 お風呂上がりに美顔ローラーを頬の上に走らせながら、私は鏡をのぞきこんだ。

 三十路になって、ちらほらとシワが出てきた。額に横向きに、眉間には縦にシワが寄っている。もしかしたら、日頃の表情のくせがシワになって、人となりとしてにじみ出るのかもしれない。


 ──そんなに悩んだっけな?


 見透かされているようで、少しだけ怖くなって、美顔ローラーを熱心に動かした。

 キッチンから母がひょいと顔を出して、「そんなに熱心に手入れしても、できるときはできるのよ、シワ」と呆れる。母の顔をじっと見つめた。

 記憶の中にいる母よりも、少しだけシワが増えている。それだけ一緒に過ごした時間が長いということだ。

 母の額には、上向きのシワができていた。きっと「え、本当!」と好奇心に目を輝かせるときにできたシワだろう。

 目元の笑いジワに気付いて、母はなんだかんだいい歳の取り方をしたのだな、と私は鏡に向かって微笑んだ。

 どうせできるなら、笑いジワがいい。

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