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男女の友情が成立する方法

作者: こうじ

 はい? 王太子様が好きじゃないのか、て。


 どうしたんですか、急にそんな事を聞いてきて。


 仲が良いからそういう婚約の話もあったんじゃないか、と。


 なるほど、まぁ確かに周囲からはそういう風に見られますわね。


 結論から言うと王太子様とは恋愛とかはありませんわ。


 お互いにそれぞれ婚約者がいますし、私と王太子の関係は友情と言った方が近いと思いますわ。


 よく男女の間に友情は成立するのか、と言う事が話題になりますわね。


 最初は意識してなくても徐々に異性として意識するようになって……。


 そんな事になる方もいらっしゃる、と思います。


 ただ私はそうはなりませんでしたわ。


 何事も最初が肝心だと思うんですの。


 幼い頃に私と王太子様の間に婚約の話が出ていたのは事実ですわ。


 幼い頃の王太子様は言葉が悪いですがハッキリ言ってクソガキでしたわ。


 ワガママで自己中で他人の意見を聞かない……。


 自分が選ばれた人間である、と勘違いされてましたわ。


 王太子様も『あの頃の私をぶん殴ってやりたい』と仰っておりましたわ。


 そんな性格ですから初めてお会いした時の印象は最悪でしたわ。


『お前が俺の婚約者か?』と上から目線、婚約者なんだから言う事を聞けよ、と言わんばかりの態度。


 私、こう見えても勝ち気な性格なので気がついたら王太子様の顔面にグーパンを炸裂させてましたわ。


 ほら、私のお父様は騎士団長で幼い頃から鍛えられてましたので力には自信がありますの。


 加えて『舐められたら負け』と教えられてきたので思わず手が出てしまいましたわ。


 王太子様、呆然としながら鼻血をタラタラと流していましたが私はそんな事を気にせずに王太子様に言ったんです。


『貴方はそんなに偉いんですか? 貴方が誇れるのは血筋だけでしょう? でも、それは偶々王家に生まれただけであって貴方の実力ではありませんよね? 王太子として国の為に行動をしていますか? 民の為に何かしてますか? 王族貴族は民の為に働くのが義務なのです』


 まぁ、そんな事を言いました。


 普通は不敬と言われ罰される行為でしたがお互い幼かったので特に何も言われませんでした。


 ただ、王太子様にとって私の言葉はかなり心に刺さったみたいでその日から徐々に変わっていきました。


 私、お母様と一緒に孤児院とかにボランティアに行っているんですが王太子様も参加する様になりました。


 そこで民の生活や国の現状を知っていたおかげで今では民を想う素晴らしい方になりましたわ。


 それと、お父様の手伝いで不正貴族の取り締まりにも参加して貴族の現状も知りましたわ。


 これも王太子様として成長された一因だと思いますわ。


 だから、私と王太子様の間に恋愛とかはありませんわ。


 あるのはこの国をより良い国にしたい、と思う気持ちですわ。


 納得していただきましたか?


 だから、疚しい考えは捨てた方がよろしいと思いますわ。


 貴女の家の派閥の公爵が王太子様の婚約者を追い落として自分の娘をその座に入れよう、と画策している事は耳に入ってますわ。


 あら、顔色が悪いですわね。


 近い内にお父様がその公爵家を捕縛するそうなので早めに縁を切った方がよろしいですわよ。


 では、ごきげんよう。


 

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