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15欲求不満のはらしかた

「うん、頼まれた」


 と言ってささらは俺を見ながら優しく微笑んでくれた、俺の彼女がささらで本当に良かった、ささらがいなかったらこんなに俺の力は続かなかった。


「最初は『探査(エクスポレイション)』内で感覚を掴んで『転移(テレポーテーション)』する、それをどんどん大きくしていくのが『転移(テレポーテーション)』のコツかな」

「ささらもそれを覚える、和樹が出来ない時にはささらが『転移(テレポーテーション)』をできるようにする」


「少しずつ地球全体の空間の感覚をつかむんだ、ささら。ありがとう」

「えへへへっ、和樹をお姫様抱っこするのも面白いかも」


「………………なるべく自分で解決するよ」

「そんな和樹を支えるぞ、オー!!」


 俺は独学でつかんだ『転移(テレポーテーション)』のコツをS級覚醒者の全員に伝えた、岩や壁がある空間には飛べないことも伝えた。ささらは短距離の『転移(テレポーテーション)』ならすぐにできるようになった、他の皆も一緒で長距離の転移がどうも難しいらしかった。


「A級覚醒者の訓練の手伝い~~!? 日本政府は俺を過労で殺す気だな」

「文面を読むとよーするに、ダンジョン全体を焼いて早くクリアさせたいみたいだね」


 それならと河田めぐみに連絡をとった、あれだけの実力があるならA級覚醒者だと思ったが、その推測は外れておらず彼女はA級覚醒者だった。だから自衛隊の方にも説明して直接会って、用件を伝えて手伝ってもらうことにした。


「河田さん、お久しぶりです。今回は手伝いをよろしくお願いします」

「自称・日本最強は辞めちゃったけど、私が役にたつなら何の用かしら?」


「貴女にA級覚醒者に講義をして欲しいんです、散々色んなダンジョンをクリアした貴方にしかできない」

「つまりは私がA級代表で先生ってやつね!! はいはい、いいわ!! 最短でのダンジョンクリアの仕方と異常時の即座の避難を教えてあげるわ!!」


 河田めぐみは二つ返事で自衛隊公認のA級の講師になった、ニューチューブでもそのことをアピールして視聴者数を増やしていたし、あちこちに招待されて講演もして貰った。どこか目立ちたがり屋なところがある彼女にはぴったりの仕事だった、本人もだ満足で特に異常時の撤退の仕方を集中的に教えていた。


「河田めぐみ君の影響だろう、最近はダンジョンはちまちまクリアするのではなく、大量の魔力で焼き尽くして攻略するものだと言われるようになってきた。彼女の推薦に感謝する」

「いえ、こっちも仕事が減って楽になりましたので、それで異世界化している取り戻せないダンジョンはいくつくらいあるんです?」

「おうっ、イケおじ!! ささらも気になるこの世界はどのくらい異世界化してるの?」


「嫌な答えで済まんが日本全国で百は超えていると思う、君の家と同じようにもうこちらの世界には戻ってこない場所がそれだけある。だから君たちにはすまんが仕事をまわしている」

「百以上、俺たちは出遅れたんでしょうか?」

「まだ手遅れってことはないよね?」


「最初はダンジョンが放置されると異世界化することを知らなかった、次に知っても政府の圧力で公表しなかった。おかげで今頃こうして対策を立てているというわけだ」

「S級覚醒者は他にみつかりそうですか?」

「和樹ばっかり働き過ぎなの、他の人は?」


「それなら少しだけ良いニュースだ、河田めぐみさんを代表とするA級覚醒者の中にS級へと上がれる者がでてきているようだ。彼らは最初はA級だったからダンジョンの怖さも知っているし、S級になったら安全にダンジョンをクリアしてくれるだろう」

「河田さん、どうして私が一番じゃないのって言ってそうだ」

「そうだね、それにあの人あれで結構なところ慎重な人だから、ここまで無事に生き残ってると思う」


 そんな感じで俺の日常にはやや変化が起きた、ノルマとされるダンジョンが減ったのだ。新しくS級になった人がいたり、S級覚醒者が『転移(テレポーテーション)』を覚え始めていたからだ。俺は月曜日の午前中以外はダンジョンかささらの部屋にいた、仕事と休息の繰り返しで他のことをする暇がなかった。それがちょっと時間ができたおかげで、近くに出かけたりささらとイチャイチャすることも増えた。


「和樹のえっち~」

「………………さっ、ささら。今すぐそれを止めてくれ」


「ヤダ、和樹もたまってるの分かるもん!!」

「自分でどうにかするから、だから今すぐ止めてくれ」


 ある日、目が覚めたらささらがコンドームもつけずに、俺のをがっつりフェラしていたから驚いた。結局そのまま俺はささらのことを引きはがせずに、気持ち良くフェラして貰ってささらの口の中にだしてしまった。


「ささら、飲み込むなよ!!」

「ごっくん!! もう手遅れだもんね。和樹の味、お~ぼえた」


 それからは俺がささらより遅く起きると度々こんなことがあった、男としては夢のような出来事ではあるが少しばかり恥ずかしくてなかなか慣れなかった。俺はお仕置きにささらの大事なところを口と舌で可愛がった。


「ああっ、やぁん。和樹、気持ちいい、気持ち良いよう!!」

「気持ち良いんじゃ、お仕置きにならないな」


「やぁん、ささらお仕置きされるようなことしてないもん、和樹のこと気持ち良くいかせてあげただけだもん」

「それもそうだ、そうじゃ。今度はささらが気持ち良くいけるように可愛がってやる」


「ひぃやん、やぁ、ああっ、ああっ、凄く気持ち良い。やぁん、和樹大好き。いきそう、いっちゃう!!」

「ん、ささらの味がする。ささらはこんな味なのか」


「恥ずかしいから和樹だけ!! 内緒!!」

「俺のだってささらだけだ!! 内緒!!」


 そうやって忙しい生活をしている俺たちは定期的に政府にもきていた、今のものより良い武器や防具を求めてだった。


「なかなかいいのがないな」

「今の武器使いやすいもんね」


 そんな俺たちに覚醒者の一人が話しかけてきた、その子はC級覚醒者でA級やS級のようなダンジョンクリアはできない、だが私たちにもダンジョンをクリアする資格があるという話だった。


「最初、ダンジョンは早い者勝ちだった。なのに今は新しいダンジョンは後からでもA級がくると、C級の私たちは追いだされる、凄く不公平!! 全部貴方たちと河田めぐみのせいでしょ、なんとかして!!」

「今、日本のダンジョンのどれだけが異世界化してしまっているのか知っているのか? いわば今の俺たちは異世界に土地を盗られているようなものだ。でもすでに固定化しているダンジョンなら挑戦可能だろう、C級でもダンジョンに挑戦して強くなればいい」


 俺とささらは五十を超えるB級以下の覚醒者に、囲まれて格闘コーナーにつれていかれた。皆、武器を持っていた、いわゆるリンチというやつだった。


「ささらっ、絶対に殺すなよ!!」

「もちろん、和樹も気をつけて!!」


 俺たちはやさしく武器を持っている相手を素手で吹っ飛ばしていった、怪我や後遺症が残らないように細心の注意をはらってだ。そうしてみるみるうちに約五十人の気絶した覚醒者ができあがった。やがて自衛隊がかけつけてきて、目を覚ました相手の対応をしてくれた。


「最初からS級覚醒者なんてずるいしゃん、ずるい!! ずるいよぉ!!」


 一人のC級覚醒者の少女がそう言って泣いていたが、俺たちには何もできなかった。固定化されているダンジョンはもう攻略を急ぐ必要がないので、そういったダンジョンで気長に敵を倒して、A級覚醒者になってくれることを祈った。


「強くなってくれよ、皆」

お読みいただき、ありがとうございました!!


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★★★★★にしてくださると作者は喜びます!!


どうか、よろしくお願いいたします!!

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