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3月‐4月 ~修了式、そしてエイプリルフール~

「以上、160名の卒業を許可する。」



三年生は、たったいま、中学校を、卒業したんだね。



佐藤のお兄ちゃんも、そう。



佐藤とお兄ちゃんは、とっても仲が良くて・・・



いっつもいっしょだったね。



前に聞いたとき、佐藤は



「兄貴嫌い」



って言っていたけど。



でも、剣道部で、お兄ちゃんから、佐藤が教わったことは、たくさんあるでしょ?



仲のいい男兄弟って、いいなぁ・・・って、



あなたたちを見て、思いました。



そのお兄ちゃんも、卒業して・・・



泣いてた。



佐藤のお兄ちゃんのクラスのみんな、泣いてた。



きっと、いいクラスだったんだね。



あたしも、卒業するときに泣けるくらいの、いいクラスになりたい。



できれば、今のクラスで。



だけど、クラスがえだから、今のクラスでっていうのは、無理だよね。



じゃぁ、せめて、佐藤と同じクラスで・・・・・・



感動できる卒業式になれるように、



感動できる思い出、心に残る思い出、



いっぱい作りたいよ・・・







佐藤と過ごした一年間。



振り返ると、



たくさんのことがあったよね。



4月。



佐藤と会って、クラスのみんなと会って、



勝手にヘンなあだ名つけられて。



その名も、「ブラックパパ」。



佐藤は噛みそうになりながら、授業中も必死に、



その名前を繰り返してたこと、



鮮明に覚えてるよ。



うれしかったよ、すごく。



でもそのころは、あたしが佐藤に話しかけても、



「ブラックッパパは黙ってろ!!」



って、相手にしてくれなかったよね。



そんな佐藤が、いきなり変わったのは、9月、運動会の頃。



佐藤がめずらしく床なんか拭いていたから、



「水筒こぼしたの??」



ってきいたら



「うん、おとしちゃった~」



って返ってきて。



あれにはびっくりしたなぁ・・・



あたしが今まで話しかけてた時の態度とは全然違ったもん。



それから・・・



だんだん仲良くなって・・・



たくさんしゃべるようになったよね。



掃除の時とか。



技術の時とか。



話しかけてくれるようになったんだよね。



もちろんいつまでもあだ名だったけど・・・



あ、違う、ある時突然、名字で呼んでくれるようになったんだっけ。



「加藤さん」



ってなぜかさん付けだったけど。



ほんとうに、思い出してみると、たくさんの思い出が、できた。



あたしだけかもしれないけど・・・



心の引き出しにしまっておくね。



そう。



今日は、修了式。



一年間お世話になったみんなと、ほんのひと時「バイバイ」。



そして、春休みが明けたら、



あたしたちは、1年生から、2年生―――先輩に、なる。



恋は幼稚だったかもしれないけど、



学年は、どんどん大きくなっていくんだね。



もう、佐藤とも、さようならかもしれないね。



2年になったら、クラス離れちゃうかも・・・



でも、ほんとうに、楽しい中学校一年生生活を、ありがとう。



佐藤には、ほんとうに、感謝してる。



佐藤がいたから、



こんなに楽しくて、



こんなにうれしくて、



こんなにドキドキして、



こんなに切なくて、



こんなにつらくて、



それでも、人は人を好きでいられるってこと、学んだんだよ。



いっぱい泣いて、いっぱい笑って、



いろんなこと、学んだんだよ。



最後まで、叶わなかったけど、



いろんなことを経験できる恋を、させてくれて、ありがとう。



さようなら―――あたしの初恋。





































――――――春休み 4月1日。



エイプリルフール。



今日は、部活の日。



しほと待ち合わせして、自転車で学校へGO☆



学校についてみると・・・



まほがいた。



それと・・・



それと?



剣道部の2年生???



「なんで剣道部がいるんだろう??」



「今日バスケ部のはずなのにね。」



って、まほとしほと言っていたら。



ほどなくして、剣道部の先生が来た。



「あ、今日、剣道とバスケ、一緒だから。」



クールにそう言い残して去って行ったんだけど・・・・



えぇぇぇ!!!!????



じゃぁ、佐藤といっしょじゃん!!!



嬉しかったけど、もう他人だもんね。



そう、自分に言い聞かせて・・・



だけど、体は勝手に、外を向く。



佐藤、来ないかなぁって。



先輩、今日は機嫌いいみたい♪



「スクエアパス、やりたくない人ーー??」



ってきいて、みんながやりたくないほうに手をあげたら、やらなかった!!!



佐藤が来たのは、ゾーン練習してるとき。



あたしフォワードでディフェンスしてた。



でも、佐藤来た瞬間、



ドキッ!



ってなって、目が佐藤のほうしか向かなくなって・・・



先輩に、何回も、注意された。



それでも、佐藤のほう、見てた。



ずーーーっと、佐藤に見とれて、時間が過ぎていって・・・



だって、剣道やってる時の佐藤、すっごく!!!!!



かっこいいんだもん!!!



きっと、剣道着が世界一似合うのって、佐藤だと思う。



それに、休み時間。



みんな、剣道部の人たちおしゃべりしてるのに、佐藤はひとり、



壁に寄り掛かって、水筒飲みながら何か考えごとしてた。



で、たまにこっち見てきたり!?!?



あたしも、佐藤のほう見てたから、今のって、ある意味、



見つめあってた―――???



とか考えてみたりね。



遠かったから、あまり恥ずかしくなかったけど。



ほんとうに、佐藤のことばかり考えてたから、あっという間に部活が終わっちゃった。



それで、外でバッシュを靴に履き替えて、ウィンブレを履いてたとき。



ふいに、手を掴まれて、引っ張られた。



走って、ついた場所は・・・体育館裏。



手を引っ張った相手は・・・



・・・・・・



「ええ!!!!????佐藤!?!?!?」



「なんだよ、その反応。」



「えええ、だって・・・何の用よ、あたしなんかに。」



こういうとき、素直になれないのが、あたしで・・・



「あたしなんかにだと!?!?!?」



すぐ、怒るのが、佐藤。



しばらく、見つめられて・・・



あたしが、耐えられなくなって、口を開いた。



「だから・・・なぁに???」



佐藤は・・・しばらくして、口を開いて・・・・・・



「おれに見とれて、先輩に怒られてんじゃねえよ!!」



って言って・・・



そのあと、急にまじめな顔になって。



「ごめんなさい、そんなこと、思ってません・・・

 お、俺・・・前から、お前のこと・・・

 加藤のこと、好きだったんだ。

 ずっと言えなくて、ごめん......」



あたし、言葉が出なかった。



佐藤、あたしが佐藤に見とれてて怒られたって、知ってた・・・



そして、佐藤は、あたしのことが、好きだった―――???



どうしても、信じられなくて・・・



「今日、エイプリルフールだもんね~~~☆

 そんな嘘、嘘だってバレバレだって~~(笑)」



って、かるく笑い飛ばしてみたけど。



佐藤の真剣な顔はいつまでも笑わなくて。



ふいに。



唇に、柔らかいものがくっついた。



それが、佐藤の唇だと思うまでに、10秒はかかった。



唇が離れて・・・



佐藤は、



「これで信じた???」



っていった。



あたしは、びっくりしたけど、うなずいて・・・



「あたしも、ずっと、佐藤のコト好きだった・・・!!!」



っていった。



佐藤は、微笑んでくれた。



あたしも、微笑み返した。



そして、心が通じ合ったあたしたちの前に、サクラの花びらが、ひとひら、



すぅ~~っと、風に流れていったよ。



叶わないと思っていた恋。



最後の最後で、叶いました・・・



佐藤。



これからは、ずっと・・・一緒にいてくれるよね?



                  ‐END‐

読んでくれていた方がいるかどうかわかりませんが、

なんとか無事、最終話まで書き終えました!

とくに最終話は長くて大変でしたが…

ぜひ、読んでもらえたら嬉しいです。

ほんとうに今まで、ありがとうございました―――!!!

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