一月 ~happy new year!!~
「あああぁぁぁ……」
気の抜けたため息を、一つ。
「もう年が明けちゃったよ~~~!」
「ホントにね。一月から三月って、あっという間だからな~」
玲奈と話してる。
ただいま、一月八日、金曜日の、10時ごろ。
今日は始業式だったんだ。
正月をおばあちゃんの家で過ごして、
家帰って来てから塾の冬季講習、バスケに行って・・・
気がついたら、学校始ってた。
佐藤に会えるから、ちょっとは楽しみにしてたのに…。
席替えで、またどん底に突き落とされた。
(誰と隣かな~♪)
そう思いながら、楽しみに引いたくじの結果は、
―――高松の隣。
高松のことだって、嫌いじゃない。
でも……
佐藤と隣になりたかったな、って、
欲張ってるんだ。
それに・・・
今日の佐藤は、暗い。
いつもの明るさは消えて、
まるで、ブラックホールがまわりの悪い運気を吸い取ってるみたいに・・・
佐藤は、暗かった。
どうしたんだろう・・・
聞きたいけど、
もう佐藤には嫌われちゃったかなとか思ってるあたしだもん・・・
もう関われないかな…
「あっははははははは!!!」
爆笑してるのは、
あたしと高松と紫村。
この二人、本当に面白い。
あたしが本当に心の底から面白いと思って笑える男子なんだ。
あたしは結構天然。
だから、いつもとぼけたこと言って、みんなを笑わせちゃうの。
わざとじゃないんだけどな…
でも、いつも、笑ってくれる相手が佐藤ならいいのに、って、
思っちゃうんだ。
と、そこに!!!!!!
「よ~、何笑ってんの~?」
さ、佐藤、登場!!!!
きゃ~~~~~~!!
あたしとしゃべりに来てくれた~~!
わけなくて。
「トイレいこーぜー。」
「おう」
連れだって、トイレに行っちゃった……
あーぁ、つまらないな…
「うえ~~~~~、疲れた~~」
「うわ、靴泥まみれになっちゃったよ~~」
「のどかわいた!」
今日は、部活が外練だったんだ。
みんなでわいわい言いながら、手を洗いに来た。
ふと、体育館のほうを見て……
ドキッ!!!
(わ、佐藤と目があっちゃった♥)
胴着姿の佐藤はまた一段とかっこよくて。
あたし、ほとんどゆでダコ状態。
でも、ずっと見とれてるわけにいかないよね・・・
あっちもあたしのこと見てるっぽいし…
あたし、その場を離れて、
さっさと友達と帰っちゃった。
「あ~ぁ、最悪・・・。まりなはどうだった??」
「あたしも最悪・・・」
「なんかさ、あの問題ムずくなかった??」
「うん!!てかさ~~・・・」
塾のテストの話。
確かに、あたしは問題できなかった。
だって!!!
佐藤が、斜め前に座っているんだよ??
気にしないほうがおかしいでしょ。
気になって気になって・・・・・・
最近、佐藤が花梨と仲良くしてる気がするんだ。
理科の席も近くて・・・
いっつもしゃべってる気がする。
それも、佐藤はすごく楽しそうなんだよ!!!
ずるいよ・・・
だけど、二人とも何も悪くないんだよね。
あたしが勝手にやきもち焼いてるだけなんだから。
それでも・・・
楽しそうな二人を見てると、ふと、嫌な予感が胸をよぎるんだ・・・
――二人は、両想いなんじゃないの?
って。
そんなこと考えるようになってから、
佐藤が近くにいると気になってしょうがない。
みんなといるときは、明るくふるまってても、
一人になると、急に、寂しくなるんだよ。
それならそれで、いいかなって思った。
でも、中途半端な自分が、嫌なの。
ちゃんと、このキモチにけりをつけたい。
そう思った時には、
「happy new year!!!」
といった日から、
早くも一か月が過ぎようとしていたんだ―――。