12月。
「だぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
一気に、脱力。
12月1日。
実力テスト。
12月の初日からテスト…
「綾―――、テストどうだった――??」
「もう最悪―――!!!!!!!とくに社会とか、マジしんでる!」
「あたしも―――!社会意味不明だったよね!!!!!!」
「うん!!!『は、これ問題??』って感じ。」
テストできない軍団でしゃべってる、あたし。
もう、テストで今日の分の自分を使い果しました!って感じだったんだけど……
「15分間走やるよ―――!」
は??ジュウゴフンカンソー??何それ?
って思ったら。
「15分走り続けてね―――!」
って先輩が。
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!
なんだそれ、精神を使い果たしたこの私に、15分間走れと!?
もう、最初の5分間で疲れてきた。
「ううう…こんな調子であと10分も……」
「つらいね―――…」
みんな、愚痴いいまくり。
でも、そのすぐ後。
佐藤がいた。
佐藤が、剣道の素振りをしてた。
遠くから見る佐藤は、とても輝いていて―――。
あたしに走る勇気が出てきたのも、佐藤のおかげ。
おかげでその日、休憩しないで15分走ることができた。
佐藤が、あたしに元気をくれたんだよ。
そんな楽しい日々も、もう終わり。
冬休みが来たら、もう来年になることを考えなくちゃいけない。
来年になったら―――。
来年になっても、今年とおんなじに接してくれるの?
今年は、いろんなことがあったね。
佐藤と出会ったのは、今年の4月、サクラが舞う頃。
佐藤のことが大好きになったのは、9月、運動会の季節。
佐藤と距離ができちゃったのは、11月、落ち葉の季節。
そして今は、佐藤のことを想いながら―――
こうやって、年が明けるのを待っています――――――。