恋する 乙女の 底ヂカラ☆

４月。

「ブラックッパパが走ってる!!!」

ゴミ拾い中、友達と追いかけっこしてたら男子たちが騒ぎだした。

「おぅおぅ、どーせお前なんかじゃつかまらないぜ!!!」

他の男子もはやし立てる。

「あーもー、うるさいなぁ!!!

　だれが走ろうといいでしょうが!!!」

あたし、怒鳴っちゃう。あ～あ、こんなんじゃ全っ然、女の子らしくないよ…。

「だって面白いじゃんか!!!」

「おもしろがらないでよ、もう。」

あたし、頬をぷぅっと膨らませた。

そして、くだらない追いかけっこをやめて、友達とゴミ拾いに戻った。

明日は、中学初めての運動会。

ゴミや大きな石を、みんなが拾ってる。

でも、先生たちも馬鹿だよね。

学校全員で外でてゴミ拾ったって、用無しの人出るに決まってんの!!!

ゴミの数は限られてるんだからさ。

そんくらい、わかんないのかなぁ???

あたし、加藤（かとう）　綾（あや）。１２歳。

A型のおとめ座。

めっちゃ新米中学生。

今年中学はいった新米が先生たちを馬鹿にするのも変な話だけど、

あたしは小学校から連絡試験みたいの受けただけで点数悪くても入れるし、

とにかくあんま遠慮とかない。

中学はいってそうそうついたあだ名は、「ブラックッパパ」。

あたしはそこら辺にいる中学生みたいにスタイルが良くない。

だから、「何でもすいこんじゃうブラックホールみたいな頭」

　　　　「クッパみたいな外見」

　　　　「バカボンのパパ」←不明

を合わせてブラックッパパなんだって。

これを聞いてつくづく感心しちゃった。

男子ってくだらないんだなぁって。

そんなあたしだけど、６年のときよりもかわいくなりたいってひそかな野望があるんだ。

別に美人にならなくてもいいから、たった一人の人に

「好き」

って言ってもらいたい…

あたし、変わりたい。