サイドストーリー アルセラの楽しい警備の1日
これ以降は本編の続きではありません。
気が向いた時に追加されます。
彼女のオフの日は、朝の鍛錬から始まる。
それは彼女がレイラの為に命を捧げると決めた日から続いている鍛錬だ。
10キロを走り、素振りを1000回。
毎日毎日飽きることなく行う。
それらは全てレイラの為、彼女を守る為に頑張り続けるのだ。
汗を流した後は体を水で流し、朝食に向かう。
彼女が食べる量は常人の2倍から3倍。
朝に動いたからこそ食べれる彼女の特権だ。
それが終わったら街に出て、危険な場所がないかの確認だ。
「ん?」
彼女は1軒の危険な香りを嗅ぎつける。
「店主、これはなんだ?」
「へい。これは新しく入ったコカトリスの肉でさぁ」
「ほう……頂こう……じゅるり」
じゅぅぅぅぅぅぅぅ
彼女の目の前で店主は豪快に肉をあぶり、これでもかと上手そうな脂を滴らせる。
アルセラは目が離せない。
そして、彼女はじっと焼きあがるまで店主の手を見続けた。
「じょ、嬢ちゃん。そんなじっと見ないでくれよ。味は変わんねぇからよ」
「(じぃ……)」
アルセラの耳には全く入っていない。
店主は諦めた様に笑い、焼き続けた。
そして、彼女に向かってコカトリスの肉がこれでもかと刺さった串を差し出す。
「ほい」
「感謝するッ!」
アルセラのとてもいい笑顔と共にそれは彼女の口の中に入っていく。
まるで流れるような動作に、店主も目を丸くする。
「ふぇんふ。ふぉれふぁふまいな!」
「お、おう。気をつけて食えよ」
店主はアルセラからもらった代金を仕舞いながら苦笑していう。
けれど、彼はここまで美味しそうに食べてくれる彼女に対して悪い気はしなかった。
アルセラはその肉の串を食べきり、今日も又他に危険な場所はないかと度に出るのだ。