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世界樹の下で①
とても穏やかな陽気…
もう少し、眠っていたかった。ゆっくりと、眠りの中から戻ってくる…
大きな、とても大きな、今まで見たこともない大きな木が、目の中いっぱいに入ってくる。
その大きな木のそばで、自分は眠っていたようだ。
その大樹は、自分を大きく包んでくれているようで、ココロがとても穏やかだった。
眠りから完全に覚めたので、ゆっくりと身体を起こす。
体の動きが、いつもと違う。目線も高く、大樹以外が小さく見える。明らかに、おかしい。
そういえば、なぜ自分は森の中にいる…
こんな見たこともない森の中に…
なにもかも、おかしい…
そういえば…
自分の最後の記憶を思い出す。車に轢かれたことを…
頭が酷く混乱している。無理もない、自分は死んだはずなのだから…
なぜ生きている…
動ける…
夢…
そうか夢だ…
安堵したとき、自分の変わり果てた姿が目に入った…
お読みいただき、ありがとうございます。