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みえない(果実)

村の人はそれを「恋の味」と表現する。


村の外れの果実の木に、不思議な味の果実があるらしい。


果物屋の少女はその「恋の味」に興味を持ち、その果実を求めて、村の外れに出かけたのであった。道中、整備されていない道がしばしばあったが、充分少女1人で辿り着けるくらいの道のりだった。


その果実がなる木を見つけると、少女はすぐさま果実をもぎり、齧ってみた。


すると、その果実は甘いのでもなく、辛いのでもなく、酸っぱいのでもない。塩辛いのでもなければ、苦いわけでもない。「味」かどうかも怪しいくらい、その果実の食感は少女が知らないものであった。それでありながら、ただただ少女の果実を齧る勢いは止まらなかった。


そして、少女は考えた。「果物屋として結論づけなければいけない。」そういった強迫観念をどこかしらから受けていた。


結局、少女はその果実の味を「果実だから甘い」ということを前提にして「甘くないからまずい」と結論づけ、食べさしのまま、近くの川に捨ててしまったのだ。


また、この果実は、村では「幸せの味」とも呼ばれていたそうだ。

果実の味を題材に「心」を描きました。

特に「恋」や「幸」に形や決まりはありません。

人間は、" it is it " と言いきる勇気をなかなか持てない生き物です。一般論にしがみつき、感情に素直になれない。苦しみは大半がそこから生まれています。

だからといって、無理に素直になる必要もないのです。素直になれないあなたも" it is it "です。

(無理に素直になっても" it is it "な訳ですが笑)


今苦しいことや辛いことに直面している人へ、大事なのは何かを変えようと、決断することではなくて、受け止めることです。


この400字ちょっとの小説はそれを伝えるためだけに書きました。


現代を生きる人々へ


幸福たれ

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