一応剣聖目線?ちょっとだけストーリー仕立て
昔は自分が剣聖という事を隠して勝負をするのが好きだった。
僕はどう考えても貧弱な只の子供だったので勝負で賭けをしようと言うと大抵のやつは、快く引き受けてくれた。恐らく良い鴨が来た程度に思っていたのだろう。僕はその余裕な笑みを驚愕の顔にさせるのが大好きだった。昔から悪戯は好きな方だったのでこれ以上の悪戯はないし、お小遣いにもこの強さは役にたった。
でも最近はこの手も通用しなくなってきた。最初の頃はそこまで力が溢れていたわけではなかったので使わなければ表にでなかったが最近はその神聖な力が日常性活にも反映されているようだ。
まず皆の見る目が変わった。僕の事を神聖な何かに見えているらしく大人でも僕にも敬語を使うようになった。 そして不利益が怒らなくなった最初は投げたものが全て的確にゴミ箱に入るな程度の事だったにも関わらず今となっては博打をすれば確実に一等がでるだろう。
そして髪の色が変わった。僕の髪の色は水色だったはずなのだが、剣聖になってからと言うものの、みるみるうちに金髪になっていくではないか試しに染め粉でもとの色を塗ってみるが効果は一切なく金ピカのままであった。街にそんな目立った髪の色の奴はいないので不良と思われてしまうではないか。
そんなこんなで実は剣聖でしたドッキリなるものが通用しなくなり実に退屈な日々を過ごす羽目になる。
そんな中、大国デンモンから一通の手紙が届く、それは紛れもない果たし状であった。
大国デンモンは超級戦争国家である。そんな国は我が国イスカルに喧嘩をふっかけてきたのだ。
イスカルは、戦争などめったに縁のない国である。そのくせプライドの高い国なので無抵抗降伏などは一切しないだがしかし戦える要因が少なすぎる。
戦える戦力としては国の治安を守る治安維持隊くらいのもので国民の人々は軍事には疎い。
そして唯一剣の嗜みがある貴族は尻尾を巻いてそそくさと逃げてしまった。
剣聖である僕の両親も貴族であり、尻尾を巻いて逃げた一人である。
まぁ妥当な判断だとおもった。イスカルは戦力は乏しすぎる。戦力以前に軍事に詳しいものがすくない。
だが僕は両親の反感をかったがこの国に残る決断をしたである。初めて両親から反感をかってでたかもしれない、しかし僕の心は高揚していたのである。負ける気がしないと。
僕が最後の一人になったとしても勝つつもりでいた。一人の人間が一国を滅ぼすなんて面白い展開なんだと
人との一体一など、とうに飽きた。この国を僕は少しばかり気に入っていた。大国の気まぐれで滅ぼされてたまるかとここで初めて何かに怒りを向けたかもしれない。
5000人 VS 100000人この人数は言うまでもない、5000が自軍である。付け加えると対した武器や火器などはなく、自らが用いる最大の武器をもってこいとだげ司令される。なんとも曖昧な指示で戦争に挑む。
一国を囲う城壁に全方向に監視をつけしつけされた鳥で伝達これが敵国の攻め込みの合図であると告げられ。どの方向からか今か今かと皆は待ち続ける。僕は周りから神聖なものと見られているが剣聖ですと名乗ってはいないのでそこまで大きな役職には入れず小隊の一部下として扱われた。
どこからの方角から鳥の合図があればすぐに駆け込む準備はできていたがそれが甘かった。
全方向から一斉に伝達鳥が中心へと羽ばたいたのだ。最初からこの国は甘く見ていたのである。
10万という兵力は全方向から攻めても手薄になる地点などないだろう。
「僕は東に行く。他のやつは違う所へいけ!東は僕一人で十分だ。」人間の狡猾さに歯ぎしりをする。
僕がいくら強くてもどこかで犠牲がでる。
「おい!若いのあまりでばるんじゃねぇ!!一人で十分!?わらわせてくれるなよ!!戦争やってんだ喧嘩の話じゃねぇんだぞ。お前のつきまとう神聖なもんを当てにでもしてんのか?わかったならそんな甘い考えしてるガキは引っこん出るこったな!?」筋肉でからだががっちりしたイスカルのなかでも巨漢の男が僕にそんなことを言う。 こいつも筋肉でも当てにしてんのか?と心のなかで思ったのは内緒だ。
「仕方ない。」ポツリと呟いた。
「これでもか?」
久しぶりかも知れないそんなことを思いながら剣聖の力を体から押し出す。
きっと周りからは蜃気楼のようなものが立ち込めているだろう。そして圧倒的優位性を感じる。
この力を体が受け入れるとこうなる。普通の一般人とは違う上位の存在。
いつもはこの状態を抑止しているが少しでも気を抜けばこうなってしまう。
周りの治安維持隊の人たちは自分を直視できていない。太陽でも見るかのように目をしかめている。
自分の姿を自分で見たことはないので分からないが眩しいのかもしれない。
とりあえず自分の存在を認めてもらえただろうかと力を抑止していく。
「お、前なにもんなんだ?」先程の巨漢が縮こもったようにオロオロと尋ねるが知ったことではない。
「わかったならそこどきな東は十分だ。」
さっと体をそらす巨漢。それを見て全力で駆け出した。
こうして齢15にして初めて戦場にでたのだった。
街の中はすっからかんとしていた、街の中の避難民は避難所に集められている。いつもは騒がしいこの街だが物音一つ聞こえないのだから面白い。
その中を剣聖の力をフルに使い駆けるのはなんとも爽快であった。踏んだ地面はボコッと小さなクレーターのようなものができておりそれが連なっている。戦いが終わったら怒られるかも知れないな。なんてことを考えながら耳をすますと、ガチャガチャと鎧の音馬の駆ける音が聞こえてくる。恐らく人の耳には聞こえない位置で発生している音だが、剣聖である僕にはその人数などが手に取るように聞こえた。
暫く駆けている城壁が見えてくる。するとそこには配置されていた監視員の姿があった。
「もしかして、あなた一人ですか?」
「あぁそうだが何か問題があるか?」
「ここは捨てられたってことですか???終わりだーーーー、、」
頭を抱えた頼りげのない中年の男が頭を抱え嘆く。
「ここはまだ大丈夫だ。さっさと蹴散らして他に助力しないとこの国は滅ぶ。城門を開けてくれ。」
「何いってんですか?この状況一人だけここにきてトチ狂いましたか????」
「僕はいったて冷静だよさっさと開けてくれないか?」
「駄目です。門があいていないうちはぶち壊されない限りまだ安全なんです。」
呆れたように言う。監視員
「そうかならぶち壊すか」鞘から剣を抜き出す。するとより神聖なものに近づいた気がする。
抑えていた力の歯止めが聞かない。 これならいけるなと剣を門に一閃させた。
「なああああああにぃいいいいいいい!!!!!!!!!!」大袈裟な声とともに門が真っ二つに割れ破壊される。敵からの侵入を守っていたその門は容易く仲間によって破壊されたのであった。
「やっぱりいけたか」ふぅと息を吹き剣を見やると心なしか剣が活き活きとしているように見えた。
「俺はとんでもなくラッキーなのかもしれない」とポツリと呟かれたことは僕は知らないまま前方の大軍勢へと真っ向勝負への火蓋を切ったのだった。
敵は2万から3万といったところか。門が砕かれたことに多少動揺しているように思えたがその景色は圧巻であった。こんなけの人数を一望したことはなかったので気分が高揚してくる。
門潰しの投擲。弓兵、槍兵、剣兵、騎馬隊、そして策士のような人が後ろで待機しているようにみえる。
そして至る所で大国デンモンの旗が掲げられている。さすがは軍事国家といった所か。
沢山の役職が均等に振り分けられている。その全員の顔が活き活きとしており勝ち気であった。
「すごいなぁやっぱり大国は」
どうやら、こちらは一人と気付き笑い声を上げるものが出てきた。誰かがそれを抑止し、敵一人のために抜かりなく弓兵隊指示を送ったのだった。「打て!!」
あたり一面が同時に黒く染まる。矢の弾幕とはこうなるのか。それにしても敵は俺一人だぞ。こんな大層にやを使うとは呆れたものだ。うちの国でこんな無駄使いをすれば死刑だって考えられるほどの財政難になるだろう。そんな事を考えながら向かって来る屋を見つめる。そろそろ弓がこちらに届く頃か。
空に向け剣を一振りさせ多くの弓を無力化させそれでも落ちてくる矢は難なく避けれた。恐らく当たったとしてもこの纏っている蜃気楼のようなものが無力化させるとは思うがあまりこれだのみにするのも良くはない。するとこちらの異常性に気づいた兵たちは形相を変化させ、雄叫びを上げたのだった。
初めてこちらを敵として認め双方駆け寄る。相手にとって不足なし。
そろそろ群れと激突する。剣を握る力により圧力がかかる。
群れのまでダイブし間合いなどない剣聖の斬撃を飛ばす。それは兵士たちを貫き地面ごと盛り上げる。
たった一発でえらく大きい土埃が吹上り。斬った空間と空間の間から隙間風を生じさせそれが軍勢を吹き飛ばした。
「ひえぇこれは僕でもひいちゃうなぁ」圧倒的な一撃にこちらが冷や汗をかく。
先程から矢は落ってきてはいない。もうすでに軍勢の中心部にいるので仲間の身を案じて弓をひくことができないのだろう。風に乗り体を回転させるさながら木の葉のように浮遊し全体を上から一望させる。
盾兵が将軍を守るように密集している地点があったのでそこに容赦なく打ち込む。こうなればもう剣撃ではないのかも知れない。素晴らしい飛び兵器だとおもった。あっけなく大将の首を取り軍勢の指揮が乱れる。
先程から自然災害の如く太刀打ちのできない攻撃が続き地面を荒れ地状態にさせる。
これが本当に愛されたもののすることか自分でも思ってしまったが初めて所詮敵は二万この事柄が高揚させ歯止めが効かない。二万という数字は中々切れることはなく剣聖でもってしても一瞬では片がつかなかった。
「なんなんだあれは、、、」監視員が城壁から剣聖を見つめる。雲から出た光は祝福しているように剣聖をてらしているようだ。が光の中にいる剣聖は気づかない。
こうして東から来る軍勢は見事剣聖一人で片付けられた。そこは人間同士の戦いではなかったことが戦場をみればわかった。大半の土が盛り上がり草木がそこらじゅうに倒れている。
きっとなにも知らない人間が見たら、兵士達が並んでいる最中に竜巻に巻き込まれたのだと勘違いすることだろう。
そして西を見つめ返しまた駆けていったのだった。