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剣聖様が無双する練習  作者: 火遊び飛び勇非
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悪党目線の剣聖

「おいっ」と、ラルスが呟く。

「剣聖様のおでましだ。」と俺は覚悟を決めた。


俺の前30M地点にいるのは金髪の白い軽装備の男だ。装備には装飾に金が使われており、白と金色に纏われていた。どうやらその男は俺らにただならぬ、憤怒を向けており今にもチビリそうである。

人が怒れば、気迫やら圧力を感じるものであるが、目には見えない圧力と言うものはどんな人間にも扱える事ができるだろう。

だがしかし目の前の男は違う。金髪の男の憤怒は確かに俺達に目に見える圧力をかけてきている。


『剣聖』の顔など俺は見たことなどはなかった。そんな高貴な身分縁も無ければ興味もない。

到底交わることのない存在、とばかり思っていたがどうやら俺は剣聖様によって殺されるらしい。

そう思ってしまった。 目に見えない気迫、圧力ではない。 空間が重たく剣聖の周りは蜃気楼のようなものが立ち込めている。世界に愛され剣に愛され神に愛されるものが剣聖になると言われているが、

どうやらそれは、間違っていないようだ。全てに愛されたものに怒りを向けられて初めて分かる境地。


俺たちは剣聖だけに怒りを向けられているわけではないのだ。剣聖に怒りを向けられる事すなわち、世界に怒りを向けられている事と同等なのだ。


「おいラルス若いもんは下がらせろ。俺ら幹部でなんとか足止めするぞ。」


「くぅうう先輩は辛いなぁあんなバケモン相手に時間稼ぎと来たか。」

ラルスが頭をポリポリと掻いてこの状況でもひょうひょうとおちゃらけてみせる。

今までラルスとは数多の死闘をくぐり抜けて来た。そのたんびに友情も深まり肝も据わった。

その経験が目の前にいる化物相手に死なない選択肢などないと告げている。

それは俺もラルスもきっと理解していた。ラルスの考えで言えばどうせ死ぬなら楽しめなどと抜かすのだろう。


「おい、後輩君達ここは俺達に任せな。あんな育ちの良いガキは俺ら悪いお兄ちゃん達が懲らしめとくからよ~」短剣を軽くクルクルと回しながらラルスが指示を出す。


「できません!!!!、ラルスさん、、」

後輩の一人が言い出すと周りの仲間も重なり、否定の言葉を口にした。


「てめぇらがいたところで邪魔になるだけなんだよガタガタ抜かすな分かったら家に帰って寝てな。」


ラルスの下手くそな嘘に部下達は涙を浮かべ自分らの無力さを飲み込み決断する。

「ご武運祈ります。」


「へっまかせろよいだが祈る相手を間違えるなよ?やつは神に愛されてるみたいだぜ。」


ではっと先輩に背を向け命をかけて自分達に尽くしてくれた、思いを無駄にはしまいと全力で駆けていった。



「お姫様を返して貰おうか?悪党」剣聖が第一声を放った。


「ダメだコイツは渡せない。近づけば首チョンパだ。」

頼みの綱は人質であるお姫様だ。俺はなんとしてでもこのお姫様の首をこちらに持ち帰らなけれんばならなかった。


「自分で言うのもなんだが、剣聖を舐めてもらっては困るな。」

すると剣聖は何もない右手で空気を斬るような素振りをみせた。


「なっくっ」右手に熱いものを感じ、自分の手を恐る恐る見る。そこにはあるはずの腕はなく、鮮やかにパックリとなくなっていた。とっさに腕を押さえるが出血が酷い。すぐさまに止血をしたいが意識が朦朧としてくる。


「おい!何をされたジーク!!」ラルスが慌てて声を上げる。


しかし仲間の身を案ずる時間など与えてはくれないらしい。

突如として剣聖は空間から消え、猛スピードでこちらに駆けてくる。纏っている蜃気楼が剣聖の姿をくらましハッキリと体が認識してはくれない。

幹部がバタリバタリと倒れていくのが分かる。大抵の人間が剣聖の纏う蜃気楼のような圧に耐えることができないのだろう。しかし胸にだいていた姫だけはその影響を一切受けてはいない。


ラルスが頭を抑え剣聖を直視しているが、見る事が精一杯と言った感じだ。

この調子では逃した部下達に簡単に追いつかれてしまう。自分の命一つをとしても剣聖の前では一秒も役にたってはくれない。


剣聖が手刀で幹部達の首をはね回っているがその白い鎧には一切血しぶきがついてはおらず、血が剣聖を交わしているとも見えたし剣聖が血を交わしているとも見えた。剣聖は俺らの血にも愛されているようだ。

妬ましい。きっとなんの苦労もなく生きてきたに違いない。俺は血が止まらないまま呪うような目で剣聖を直視した。手元には手榴弾があるこれで一矢報いてやると心に決めた。

剣聖が幹部の首元をはねているさなか、手榴弾のピンを抜き剣聖にダイブした。

「きまりだ!!!!」


「だから言ったろうあまり剣聖を舐めるなと。」


「不発、、、、」こんな偶然あるだろうか、いやこれはきっと必然だ。剣聖は全てを味方にしていると理解していたはずだろう。そう運だって因果だって捻じ曲げていてもおかしくはない。


剣聖の手刀が腹に刺さり俺は息絶えた。


剣聖、お前には沢山の味方がいるだろうよ人々からは全てに愛された愛の子とでも呼ばれてるんだろう。

だが俺はお前の味方をしない、俺の味方だってお前の事が大嫌いだ。

お前への抵抗は虚しくおわったがこれが俺たちの最後の虚しい抵抗だ。


やっぱり語彙がすくない笑

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