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プロローグ

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二XXX年X年


 地中深くにある秘密のベールに包まれた地下基地の中にある会議室。蛍光灯は10本のうち2本しか点いておらず、3つ目の蛍光灯は寿命が尽きかけてるようにチラチラと明暗を繰り返している薄暗い会議室に十数人が一度に座れる大きさの円卓が置かれて、それを囲むようにして十数人の人物達が座っていた。

 その人物達は沈痛な表情や憔悴しきった表情、生気のない表情がちらほらと見える。

 誰も言葉を発することなく刻一刻と過ぎてゆく。その沈黙に耐えかねえた一人の男がドン!とテーブルを叩いて立ち上がる。驚いた一同の注目を一度に集める。


モウダメダ、コノママデハ破滅スル。奴ラノセイデ……


喚クナ! コノ自体ヲドウコウデキルモノナラ我々ハココニオラヌ。

 誰かか苛立ちを隠せずに声を荒げる。


スターライト計画……。地球ノ希望ヲ灯スハズガ、ナゼカ破滅ノ方向ニ向カッテイル……。

 一人の男が弱音を吐き、頭を抱えて首を振る。


クソッ!狂人ドモガッ!奴ラヲ信用シタノガ間違イダッタ!コンナ兵器ヲ開発スベキデハナカッタ。封印スベキダッタノダ。


モウ止メラレヌ。カウントダウンガ既ニ始マッテル。残リ20日モ猶予モナイ。止メル方法ガナイ。


………


………


 再び沈黙する。誰もが絶望していた。救う方法がないままに……。

 両肘をテーブルにつけて両手の指と指とを組み、始終まで瞑目していた男が厳しい表情でやっとのことで言葉を絞り出す。


残サレタ方法はタダ(ヒト)ツ、例ノ作戦ヲ発動スルシカナイ。


ナッ、議長ソレハ……

 一同は驚愕した。


マ、マサカ…オペレーション・XXX(トリプル・エックス)作戦カ……果タシテウマクイクノカ?


コノママデハ滅ビルノハ必至。セメテ良イ方向ニ向カウヨウ祈ルシカナイ。

 祈るように組んだ両手を額に押し当てる。


シカシ、議長……例エ、デキタトシテコノ世界ハ良クナル訳デモナイ。別の世界へ分岐スルダケダ。


構ワン。コノ世界ハドウセ終ワリダ。何モセズニ終ワルヨリ発動サセタ方ガ有意義ダロウ。


………


………


 誰も発することなく沈黙する。議長はお互いに見回し決意したかように発する。


デハ、作戦ヲ発動ヲスル。異議ハナイカ?。


………


………


 再び静粛する。しばらくすると一人の男が震えた手でゆっくりと挙げる。


イ…異議ナシ。

 力なく辿々しい発言が聞こえる。そして気付いた他の者達も


イ、異議ナシ。


異議ナシ。


異議ナシ。


異議ナシ。


…………


……


 釣られるかように賛同者達が手を挙げる。


全テ議決シタ。作戦ヲ発動スル。アノ世界ノ多クノ人ニ幸アランコトヲ……




 広大な宇宙の中にかつては栄えた文明を持つ生命体に棲む惑星は死の惑星と化した。





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