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【Unique Online】  作者: 地味な男
第一章 第一層攻略編
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第2話 初戦闘

 古代城・シークレアス。その第1層のエリアの一つ、フィールドにはそれぞれの属性を一つずつ持つモンスターが存在する。そのモンスターの種類は豊富で、モンスターにもレベルが存在している。第1層で出現するモンスターのレベルは、最高でも5~7。レベルが10あれば、モンスターが複数襲ってこない限り、HPが0になることはない。

 そして、フィールドともう一つのエリアは町で、その町の名前はアクレア。

 そのアクレアには沢山の店が存在しており、食料や武器、アイテムが売られている。この町の店には必要最低限のアイテムなどが売られており、店を一回りすれば、大抵のアイテムは揃う。

 簡単に言えば、初心者のための町だ。


 --以上、『Unique Online』取扱説明書より抜粋。




 ---第1層・アイテム販売店---




 俺たちが居る店には回復系、状態異常回復系、戦闘用系などの、様々なアイテムが売られている。

「どんなアイテムが必要なのかな……」

 アスカはカウンターに置かれているアイテムを見ながらそう呟いた。

「そうだな……。とりあえず、全種類買ってみるのは?」

「そんな事したら、一瞬でシアがなくなるだろ。だから駄目だ」

 俺の提案は、あっさりとカインに却下された。 シアとは、このゲームの金の単位だ。

「回復系と状態異常回復系は買っておいて、残ったシアで他のアイテムを買えばいいだろ」

「そうだね。じゃあ、これとこれと……」

 アスカはアイテムを選び出し、購入欄へ移し、個数を入力していく。

 ちなみに、アイテムの購入や交換、装備の変更、アイテムの入手をする場合、メニューを出す必要がある。

 そのメニューを出したいとき、左手を右から左へ振れば、右から流れるように出てくる。

「にしても、武器はどうするんだ?」

 アスカから聞いたが、はっきり言って魔導士に杖は必要ないらしい。なので、このアイテム販売店に着いたとき、その杖を売っていた。

 魔導士は良いとして、俺とカインにはある問題がある。

 それは武器だ。

「確かにな。俺たち剣士にとって、武器は必要不可欠だよな」

 剣士は、己のレベルに似合った武器を使う必要がある。そうでないと、戦闘中に武器が壊れる場合がある。

 まあ、装備している武器とは別の武器をアイテム欄に保管していれば、武器が破壊されても大丈夫なのだが。

 そして、このゲームは武器を強化することも出来る。

 それはまだ俺とカインには関係ないが。

「まあ、武器はその時にどうにかすればいいんじゃねえか?」

「そう言うものか」

 そう言うもんだ、と言いながらカインは頷いた。

「よし、カインが言ってたアイテムは買ったよ~」

 アイテム購入を済ませたアスカが、俺とカインに向かって歩いてきた。

 パーティを組んだからと言って、全員の所持しているシアが共有化されることはないが、アイテムは共有化される。

 さて、アイテム購入は終わった。

「じゃあ次は、フィールドに行こうぜ!」

「そうだな」

「うん!」

 俺達三人は、フィールドへ向かった。




 ---第1層・フィールド---




 剣士のみが持つ固有スキル。それこそが剣技だ。

 剣技には様々な種類があり、幾つかレベルアップすれば、手に入れることが出来る。保有できる数は無制限。

 その点に関しては、魔導士のみが持つ魔法と、銃士のみが持つ銃撃技と設定は変わらない。

 話は戻って今。

 俺達三人は、同じ容姿をしてそれぞれ違う場所にいる三体のモンスターを発見した。

 モンスターの容姿は、はっきり言ってダンゴムシの体に無数の棘が生えたもの。その体の上には、緑色の正四角錐の形をしたカーソルが浮かんでいる。

「一人一体ずつで戦おうぜ。まずは練習だ」

「分かったよ」

「了解」

 二人はそれぞれの位置にいるモンスターに向かって歩き出した。

「(まずは練習。どんな風に戦うのかを覚えないと)」

 内心で呟き、背中に装備された二本の剣を同時に抜く。

 剣の刀身は直線で、その長さは四十センチ前後。目立つような装飾はなく、鍔と柄がグレー、刀身は銀に光っている。二本とも、同じサイズだ。

 フィールドに入る前に確認したのだが、俺が現在使える剣技は二つ。

 一つ目は『雷剣』。

 二つ目は『雷刃』。

 両方の剣技を試し打ちし、尚且つ今発見したモンスターを倒す。

 それが今の目標だ。

 とりあえず、気付かれないように恐る恐る近づいてみる。

 残り1メートルでモンスターが振り向いた。俺に気付いたからなのか、緑だったカーソルが赤に変わり、緑色の体力ゲージが出現した。体力ゲージの上には、名前と属性、レベルが表示されている。


名前・ワーム

属性・無属性

Lv・2


 レベル1の俺にとっては、丁度良い相手だろう。

 何せレベルは1しか差がないし、属性もない。相性を気にしないで戦える。

 まず俺は一つ目の剣技、『雷剣』の発動を試みる。

「(剣技発動!『雷剣』!)」

 --ちなみに、剣技を発動する時には、今の様に内心で言うか、声に出して言えば良い。

 言った直後、握られていた二本の剣の刀身が、青白い雷に包まれた。

 その後は何も起こらなかった。

 恐らく『雷剣』は、雷を刀身に纏う剣技なのだろう。

「それにしても、すごくリアルだなぁ……」

 そう感心していると、いきなりワームが俺に向かって突進してきた。

「うおっ!?」

 俺はそれを右に移動することで回避。ワームをしっかりと見据える。

「(そうだ。これは戦闘だ。ワームを倒さないと)」

 そう思い、次は俺がワームに向かって走り出した。

 十分に近づき、右手の剣でワームを斬りつけた。

 俺が斬りつけた後がワームの体に赤く残り、すぐに何も無かったかのように消えた。だが、確実にワームのHPは減少している。

 振り抜いたままの右手と入れ替えるように、次は左手の剣を突き出した。

 が、それは後退することで回避された。

 俺は気を取り直して左の剣を体に引き、ワームを見たまま声を発した。

「剣技発動!『雷刃』!」

 直後、刀身を包んでいる雷が更に強くなり、完全に刀身を包み込んだ。すると、俺の体が自動的に右に捻り、両手の剣を引く。そしてその剣を振り抜いた。

 振り抜いた時、雷が刀身を離れ、刃の形状に変化。二つの雷の刃が生み出される。

 その二つの刃は一直線に進み、ワームに直撃。ワームのHPが最大量の半分減少した。

 ワームのHPは残り僅か。

 確実にしとめるため、もう一度『雷刃』を発動した。

 しかし、二度目のそれは回避され、ワームの突進を左足に受けた。

 俺は半回転しながらその場に尻餅を付き、俺のHPが三分の一減少。自分がレベル1だったことを思い出した。

「(だけど、ワームのHPは残り少ない。普通の攻撃で倒せるはずだ!)」

 決心した、俺は左の剣をワーム目掛けて全力投球。投げ終えた直後、走り出す。

 ワームはそれを前進を開始することで回避し、俺が投げた剣は地面に突き刺さった。

 だが、それこそが俺の狙いだ。 ワームが前進し終えた時には、俺はワームの目の前に右手を左肩に引きつけた体勢で居た。

 そして、全力で振り抜く。

「らあっ!」

 HPが0になったワームは明るい青緑色になり、ポリゴンとなって爆散。俺の目の前には、獲得したアイテムとシア、経験値が表示された。

「か、勝った……」




 ---




「アレン、結構遅かったね」

「何してたんだ、お前は」

「カインとアスカが早いだけだろ……」

 俺がワームを倒した時には、既に二人はワームを倒し、話をしていた。 --ちなみに、二人のステータス--俺が分かる範囲--はこうなっていた。


名前・カイン

職業・剣士

武器・太刀

HP・112/133


名前・アスカ

職業・魔導士

HP・196/196

MP・261/303


 カインは俺と同様にダメージを受けたが、アスカは遠距離戦故、ダメージを受けなかったのだろう。魔導士の特権だ。

「で、これからどうする?」

 アスカが立ち上がり、訪ねてきた。

「そうだ。お互いのスキルを見せ合うってのはどうだ?」

「それいいね!」

「俺も賛成」

「よし、決まりだ。じゃあ俺から見せるな」

 カインはそう言って立ち上がり、少し離れた場所に移動。太刀を抜き、両手で持って構える。

 カインの太刀も俺の双剣と同様、何の装飾もないただの太刀だ。

「剣技発動!『炎剣』!」

 カインの太刀の刀身が、赤い炎で包まれた。

「剣技発動!『炎刀斬』!」

 カインは太刀を振り上げたと思った時、一瞬で振り下ろした。それで生じた風で、俺とアスカの髪が(なび)く。

「カインって……炎属性だったんだな」

「あれ?言ってなかったっけ?」

「「言ってない」」

「……すんません」

「ところで、魔法は使えないの?」

 アスカの興味津々な質問に、カインは苦笑しながら答える。

「どうやら、まだ使えねえみてえなんだ……」

 まあ、それなら仕方ないだろう。使えるようになるまで時間が掛かりそうだが。

「それはそうとして、次はアスカの番だぜ!」

「分かった!」

 カインとアスカの位置が入れ替わった。

「魔法発動!『氷守壁』!」

 アスカの一歩手前の地面で、青色の魔法陣が展開。魔法陣には解読出来ない文字が書かれており、中心には氷のようなマークがある。

 その魔法陣が展開されたと同時に、ポリゴンが収束して実体化。分厚い氷の壁が出現したところで、魔法陣は閉ざされた。

 暫くして、アスカの「解除」と言う言葉でその氷の壁はポリゴンとなって爆散。それを確認したアスカが、右手を前に出した。

「魔法発動!『氷球(アイスボール)』!」

 次は、前に出した右の掌の手前で展開。ポリゴンが収束し、実体化。野球ボールくらいのサイズの氷の球が出現し、魔法陣が閉ざされた。

 そして、氷の球はポリゴンとなって爆散した。

「アスカ、その魔法はそれだけで終わりなのか?」

 カインが何か物足りない様子で、アスカにそう訊いた。

「終わりじゃないけど、対象がないからね。むやみに放つのは危ないと思って」

「そうか」

「ちなみに、これを出現させた次は、標的に向かって飛んでいくよ」

 アスカは笑顔で説明した。

 しかし、ポリゴンが収束してから氷が出現するって言うのは、やっぱりVRMMOだからなのだろう。

「次はアレンの番だよ」

「ん?ああ、俺の番か」

 俺はアスカが居た場所へ行き、『雷剣』を披露した。

「それって、俺の『炎剣』と同じじゃん」

「そう言えばそうだな」

 次に、『雷刃』。

 アスカに氷守壁を出して貰い、それに向けて放った。

「凄いね。それって、遠距離用なのかな?」

「よく分からないけど、近距離でも使えるぞ」

 実際、ワームと戦ったときに近距離で使ったしな。

 と言う訳で、俺たちはそれぞれのスキルを披露し終えた訳だが。

「次……どうするんだ?」

「私に聞かないでよ……」

「俺が決めなきゃ駄目なのか?」

「「宜しく、カイン」」

「そうだな……。よし、暫く此処で戦うか」

 カインの提案により、俺達は暫くフィールドに居ることにした。




 ---




「そうだ!」

 あれから数十分が経った。

 暫くモンスター--殆どワームだったが--を倒し続けたお陰で、俺達三人のレベルは3になっていた。

 最後の一体を倒したところで、カインがある提案をしてきた。

「俺達三人で共闘しようぜ」

「教頭って?」

「字が間違ってる。共に戦うと書いて共闘だよ」

 首を傾げて変なことを言うアスカに、俺が説明する。

 --余談だが、アスカは天然だ。それ故、優等生とは思えない発言もたまにする。

「じゃあ、私とアレンとカインの三人で戦うんだね?」

「そう言うことだな」

「反対がないから早速行こうぜ!レベルは3か4くらいが良いけどよ」 暫く歩き続け、お目当てのモンスターを発見した。


名前・バキュル

Lv・5

属性・雷属性


 バキュルと言う名のモンスターは、簡単に言うと巨大な蜂の様な姿をしている。六本ある内の、左右の一番前にある腕が針となっており、そのサイズはとても大きい。

「馬鹿でかい蜂が相手か……しかもレベル5。まあ、やってみるか」

 カインはバキュルを見てそう呟いている。

「炎属性じゃなくて良かった……。」

「何でだ?」

 アスカが胸を撫で下ろしているのを見て、俺が質問した。

「氷は炎に弱くて土に強いんだよ。だから、相手が炎だと分が悪いの」

「そうだったのか……」

「その代わり、特殊属性の魔法は強力だよ!」 アスカは氷属性のフォローを入れる。

 ……理由は分からないが。

「とりあえず、前衛は俺とアレン、後衛はアスカで行くぜ?」

「分かった」

「サポートは任せて!」

 そう言ったアスカは後退し、俺とカイン、バキュルから離れる。

「行くぜアレン!」

「おう!」

 俺達の、初めての共闘が始まった。




 ---戦闘開始から数分後---




 バキュルの雷を纏った右腕の針の攻撃を、俺の『雷剣』で受け止めて弾く。

 バキュルの隙を逃さず、アスカが後方から『氷球(アイスボール)』を放った。

 『氷球(アイスボール)』はバキュルの顔面に直撃。短い悲鳴を上げ、よろよろと高度が下がった。

 それにタイミングを合わせ、カインが『炎刀斬』で斬りかかるも、何とか体勢を立て直したバキュルに回避される。

 それを確認した俺とカインはバックステップで後方へ下がる。

「くそっ!どうすればいいんだ!?」

 カインが苛立ち、怒鳴る様に疑問を声に出す。

 その問いに答えるべく、俺は頭をフルスピードで回転させる。

 バキュルは飛行が可能で、空中で滞空しながら戦闘を行うことが出来る。それがバキュルのボーナスの様なものだろう。

 ならば、そのボーナスを打ち砕く。

 飛行が不可能になれば、必然的に陸上で戦わなければならなくなるのだ。

 が、問題がある。

 それは、俺とカインのHPとアスカのMPの残量だ。

 以上の事を踏まえ、長期戦は出来ない。

 早期決着をする必要がある。

「カイン!アスカ!今から作戦を言うから、言った通りに行動してくれ!」

 二人は無言で頷く。

「まず、バキュルの羽を斬り落とす」

「どうやるんだ!?」

「アスカが『氷球(アイスボール)』を打って、俺が『雷刃』を打つ。バキュルの高度が下がったら、『炎剣』を使ってから『炎刀斬』で羽を斬り落とせ!タイミングは任せる!」

 この作戦は、二人を信頼しているからこそ考えることが出来たものだ。

「分かった!」

「了解した!」

 アスカ、カインの順に答え、アスカがいきなり『氷球(アイスボール)』を放った。

「(剣技発動!『雷刃』!)」

「(剣技発動!『炎剣』!)」

 俺はアスカが放ったと同時に『雷刃』の発動一歩手前で留め、太刀の刀身を炎で包んだカインと共に走り出す。

 バキュルがアスカの『氷球(アイスボール)』を、高度を上げることで回避。それを目視した瞬間、横向きに縦一列で、二つの雷の刃をバキュルの頭上目掛けて走りながら放つ。それと同時に、カインは思い切り跳躍--筋力スキルというものがあり、そのお陰でかなり高く跳躍できる。ちなみに、このスキルは『剣士』専用--した。

 あっと言う間に『雷刃』はバキュルとの距離を縮め、バキュルの頭に直撃する寸前に、バキュルは高度を落とすことで回避。

 此処までは順調だ。

「行けぇカイン!」

「剣技発動!」

 俺の言葉を合図に、カインが頭上に太刀を構えた。

 炎が尾を引きながらカインは落下し、太刀の柄を握る手に力を込める。

「『炎刀斬』!!」

 十分にバキュルに近付き、思い切り太刀を振り下ろした。

 その斬撃は、バキュルの二枚の左の羽に見事に命中。根本から斬り落とされ、斬り離された部分はポリゴンとなって爆散。羽を失って滞空出来なくなったバキュルは、悲鳴を上げながら地面に墜落した。

 カインとアスカは俺が指示した通りに動いたことで、俺が考えた作戦は成功。バキュルのHPはカインの攻撃で大幅に削られ、後はトドメを刺すだけだ。

 失敗をする訳にはいかない。

「剣技発動!『雷剣』!」

 刀身が雷に包まれ、青白く光り出す。

 左手の剣を逆手に持ち替え、両手を左側に引き寄せる。

 漸く立ち上がったバキュルに近付き、左を右斜め前に一歩出す。捻られた体を元に戻そうとする勢いを利用し、右、左の順に剣を振り抜いた。

 二本の傷跡をバキュルの体に付けた直後、バキュルのHP残量が、少しも残さずに削り取られた。そしてバキュルはポリゴンとなり、爆散。俺達三人の前に、獲得したアイテムとシア、経験値を表示した画面が現れた。

「勝てた……」

 そう思った瞬間、聞き覚えのある短い曲が流れた。

 これは確か……。

 曲が鳴り終わり、俺達の目の前に、先程とはまた別の画面が出現。そこには、レベルが3から4に上がったと記されていた。

「よっしゃぁーー!」

「やった!」

「…………」

 声に出して喜ぶ二人と違い、俺は内心で喜んでいた。

 一通り喜んだところで、アスカがメニューを呼び出した。

「アスカどうした?」

「うん?いや、何のアイテムを入手したのかなと思ってね」

「どれどれ……」

「他人のメニューを覗くな!」

「あいた!」

 他人のメニューを覗くと言うマナー違反を犯したカインは、アスカの平手打ちをもろに受けた。 カインのHPが、若干減少していたが、きっと気の所為だ。

 しかし。

「(バカかあいつは……いや、バカか)」

「アレン!お前俺に失礼なこと考えただろ!」

 どうやらバレたらしい。

 俺は苦笑することで誤魔化した。

「あ!」

 そんな遣り取りをしていると、アスカが驚きの声を上げた。

「どうしたアスカ」

「何かあったのか?」

 俺、カインの質問に、アスカが笑顔で答える。

「もう少しで十一時だから、とりあえずログアウトしない?お腹空いたし」

「そうだな。取扱説明書に書いてあったけど、この世界の飯は腹が減ったのを紛らわすだけだもんな」

「ちゃんと現実世界に帰って食べたい」

 満場一致でログアウトすることに決まった。

 俺がメニューを呼び出そうとしたとき、カインが手を止めた。

「どうしたんだよカイン」

「いや?何か、『ログアウト』のボタンがねえんだよ」

「は?」

「私も……ない」

 急いで俺も確かめる。

 だが、俺にもそのボタンはなかった。

「俺もだ……」

「何で……ないの?これじゃあ……ログアウト出来ないよ……」

 俺達は、ログアウト出来ないと言う理由が分からず、その場に棒立ちしていた。

 暫くして、突然俺達の足下が光った。その光は段々大きくなり、最終的に全身を包んだ。

 あまりの眩しさに、思わず目を閉じた。




 ---午前十一時---




 俺達が目を覚ますと、そこはギルドだった。






To Be Continued.

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