俺と彼女は密会中!
投稿が予定より遅れてしまってすいません。これからもがんばります。
俺はバカだ。と思ったことは人生で一度くらいみなさんあると俺は思っているが、ここまでひどく自分を責めたのは後にも先にもこの時だけだった。
昨日の騒動から一夜明け、次の日の朝
「ふぁ~」
俺は目覚ましの力を借りることなく起きることができた。時計を見ればまだ7時いつも真由に起こされている俺にしては珍しいことだ。
「昨日早く寝たからかな?」
そう思いつつ、自室から朝飯を食べるためリビングへと歩いている最中リビングから言い争うような声が聞こえてきた。
「どういうことですか!」
「まぁ、落ち着いて真由ちゃん」
「で、でも」
「仕方ないですよ、決定事項ですから」
「瑠璃ちゃんまで」
姉さんと瑠璃と真由だ。どうして言い争っているんだろう?と思った俺はさらに(ここで解決すれば昨日の汚名返上ではないか)と確信し、
「おはよう、どうしたん」
挨拶も終わらないうちにいきなり右ストレートを食らった。
「何するんだよ真由!」
「うるさーーーい」
俺は真由のパンチをかわしながら質問を繰り返した。
「どうしたんだよ、真由」
「うるさーーーい」
「うるさーーーい、じゃわかんねぇだろ」
ここで助け船がでてきた。
「そのくらいにしてあげて、真由ちゃん、後からいくらでもすればいいから」
「姉さん今さらりと恐ろしいこと言いませんでしたか?」
「だからね、さっき説明した通りよ」
「無視ですか姉さん」
「納得できません」
「まぁ、私も実際納得してませんしね」
瑠璃まで無視とはもうあきらめよう
「で、どうしたんだよ?」
「簡単でしょ、なんであの人がここにいるのよ!」
「あの人?」
俺は真由の指さす方向を見て、俺は全てを理解した。と同時に俺はバカだと思った。
「真由さん、私がここにいるのは渚さんが説明してくれたとおりです」
「い、いやでもねぇ」
「私だってここに居たくているわけではありません」
(じゃ、帰れよ)とは俺は言えなかったが
「じゃ、ここから出て行きなさいよ」
と俺ではなく真由が言ってくれた。しかし、帰ってきた答えは的外れなものだった
「安心してください。あなたが心配しているような行動はありえませんから」
「こ、行動って何よ」
なぜかいきなり真由の顔が真っ赤に染まった。何を考えたらそんな風になれるのか俺はとても疑問だった。
「では、朝ごはんにしましょうか」
会長はまるでさっきのやり取りがなかったかのように平然と食卓に着いた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
朝飯(ちなみに会長の料理はなかなかうまかった)が終わり、登校の準備をしていると真由が俺の部屋にやってきた。
「は、入っていい?」
案外しっかりノックしたのに驚いた俺は返事が少し遅れてしまった。
「…あ、いいよ」
「おじゃましまーす」
「なんだ」
「え、えっと」
真由にしては珍しくはっきりものを言わないので俺から話を振った。
「会長のことか?」
「そ、そう。許婚って本当なの」
「あぁ、深ーいわけがあってな」
「その、深ーいわけが聞きたいの」
「瑠璃や姉さんから聞いてないのか?」
「聞いたけど、あんたの口からちゃんと聞きたいの」
「なんでお前がそんなに気にするんだ? ま、気にしてくれるのはありがたいけどな」
「もういい」
俺の台詞をすべて聞かずに真由は俺の部屋を飛び出してしまった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ところ変わって今は通学路、今俺の両隣りには会長と真由がいる。美少女二人に挟まれての登校はとても微笑ましいのだろうが、
「何だ、この空気」
と俺は何度も心の中で突っ込んだ。詳しく解説すると、真由は会長を睨んでいる。会長は俺に「何とかしろ」
という視線を送っている。それをどう捉えたのか、さらに真由の視線はきつくなる。
「い、いい天気だなぁ」
俺は無理やり会話をする作戦に出た。が
「くもりよ」
あっけなく終わった。そして、
「おはよーっす、明」
こいつの声を初めて聞いてうれしく思った。
「おはよー、新太郎」
「ど、どうした明。何か今日のお前疲れているみたいだぞ」
「分かってくれるのか、新太郎!」
「な、何を分かればいいんだ?」
「聞いてくれ、実はな…」
しかし俺の叫びは
「あ、有明会長!」
新太郎の熱の入った声でぶった切られた。
「お、おはようございます」
「えぇ、おはよう」
「明、俺は今天にも昇る気持ちだ」
「そのまま天に昇ってろ!」
「ぐはぁ」
真由のかかと落としが新太郎にクリ―ヒットした。
「そ、それよりま、明昨日の許嫁について詳しく聞かせてもらえるか」←復活早くね! by作者
「えっ」
俺は完全に忘れていた。会長の失態を。
「早く許婚の件について説明をしてほしいな」
「い、いやそれは」
さりげなく会長を見ると、真っ赤になって
「どういうこと」
俺は新太郎たちからはなされて今路地に居る。ていうか会長顔近い。
「なんで彼が私たちのことを知っているの?」
会長の剣幕に押されながらも俺は
「なんでもなにも会長が俺の教室で叫んだんでしょ」
「私が?」
何ですかその全く心当たりがないって顔は。この人案外天然なのか?それともただのバカなのか?
「も、もしかしてあの時?」
「その時以外ないと思いますよ」
「なんでもっと早く対処しないのよ」
「そんなこと言われても困りますよ」
「何とかしないといけないわね」
「そうですね」
「明ー、密会は終わったか?」
「と、とにかくこの話はまた」
「わかりました」
と俺が返事をすると同時に会長は走って行ってしまった。
そのあと俺はやってきた、舞と麗香それと新太郎に事の顛末を話しながら学校に向かった。(その間真由の機嫌はずっと斜めだった。)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
教室に入ると一気にクラスの視線が俺に集まってきた。
「ま、確かにあんなことがあればねぇ」
「そうですね」
「いいな明」
新太郎の「いいな」の理由は聞かないでおくことにした(聞いてしまうと殴りそうだからだ)。しかしこの空気は本当にやめてほしい。どうにかならないのか?
「でもあの会長が相手じゃぶが悪いはねぇ」
「本当ですね、どうしたらいいんでしょうか?」
「何のぶが悪いんだ?」
「「な、なんでも(ありません)」」
2人ともあわてて否定しているので、追及はしないでおいた。ちなみにこの二人は俺の許嫁事件(勝手に命名した)の顛末をちゃんと理解してくれた。しかし、真由はずっと不機嫌なままふてくされていた。で、一番
むかつく男の代名詞「川野新太郎」は俺に
「なぁ、なぁ明有明会長に頼んで俺にほかの生徒会役員を紹介してもらえるように手配してくれよ」
「お前、俺の今の状況が分かっているのか?」
「あぁ、一言で言うと」
そこで新太郎は真剣な顔つきになり
「ハーレムだろ」
とぬかしてきた
「はぁ?」
俺はいきなりのことで間抜けな声をあげてしまった。
「なんでそういう風な解釈になるんだよ」
「いやだって、お前の周りは美女ばっかじゃん」
「そうか?」
「会長に、麗香、舞、真由ほらいろいろいるじゃん」
「い、いやそれとこれとは別だろ」
と俺が新太郎の質問攻撃にあてられていると、
「座れ―」
渚先生の合図で新太郎はしぶしぶといった様子で席に戻った。
そしてホームルーム
「今日ではないがいつか生徒会役員を決めるからそのつもりでいろよー」
先生の連絡を軽く流しながら俺はクラスの視線を一身に浴びていた(いつかっていつだよの突っ込みはしないてください)。しかしここで疑問に思ったことがある、なぜクラスのやつらは俺に直接会長とのことを着てこないのだろうか?と新太郎に授業の合間に聞くと、
「お前が鉄拳だらか」
と完璧な回答をもらった。俺はこの時初めて「鉄拳」が役に立ったと感じた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ところ変わってここは屋上、まだ少し肌寒いが気にするほどでもなかった。では、なぜ俺が屋上に居るかというと、会長に呼び出されたのだ(ちなみに会長がいつ俺の携帯のメアドを知ったのか俺は分からない。勿論俺から送ったことはない)。
「あ、会長」
俺が屋上に着くと会長が手すりもたれながら待っていた。
「…」
不覚にも俺は会長に見とれてしまった。この屋上の青い空と会長の顔がうまく重なりあっていた。
「あら、天上寺君いらっしゃい」
「なんでいらっしゃい何ですか?」
「ここ、普通立ち入り禁止だから」
「・・・」
「先生に所要がありますっていったらすぐに鍵を貸してくれたわよ」
「大丈夫か教師陣」
と俺は校舎一階の職員室に向かって心の声をかけた。
「それで、クラスの反応はどうなの?」
いつになく会長が真剣な目で俺に聞いてきた。
「会長、俺の二つ名を知っていますか?」
「あのさ、話を逸らさないでくれる」
「いいから知ってますか」
「知らないわよ」
「鉄拳です」
「あ、あなたが鉄拳なの?」
「やっぱり知ってましたか」
「え、えぇ、父がこの町で俺と張り合えるのは鉄拳だけだと言っていたわ」
「この名前のおかげでクラスの視線を一身に浴びるだけで止まっています」
「本当にごめんなさい」
「そう思うなら、いい対処法を考えてくださいよ」
俺が少しきつめに会長に言うと、
「そんなこと言われても」
泣き始めてしまったのだ、こんな展開を誰かに見られたらまずいぞ!
「す、すいません。会長少し言いすぎました」
俺の危機管理システムが急いで何とかしろという指令を出している←(なんとか)って何?
「い、いいの。私が全部悪いんだから」
どうしてこんな時だけ奥ゆかしくなるんだよ!俺は会長の家出のギャップで戸惑っているところへ
「何してるの!」
俺と会長はそろって声がするほうへ振り向いた。このとき俺は何も言えなかった。俺はこんなときにその格好は寒くね?とか考えていたが会長は
「が、学園長」
やってきたのは学園長の桃山由子だった。
「そこの男子生徒何をしようとしたの?」
「学園長早く二人を離したほうがいいのでは」
「そうですね」
俺はそこで学園長の隣にいる男に気がついた。
「い、いえ。副園長、そんなやましいことは何もありません」
「副園長?」
「もしかして君、私のことを覚えていないのかね?」
「そ、そんなことありませんよ、副園長」
「ならそこの男子彼の名前は?」
「・・・」
俺は何も答えることができなかった。
「天上寺君、ほんとに覚えてないの!」
会長の声が耳から離れません。学園長はため息をついている。そんで張本人の副園長は
「ほんとにあなたには呆れました。天上時明さん、私の名前は山岡秀雄です。覚えておくように」
「は、はい」
「それより学園長どうしてここに」
「あぁ、それはですね。匿名で学園長が屋上に連れ去られたという手紙が来ていまして副園長と一緒に様子を見に来たわけですよ。そしたらこのあり様だったということです」
「ですから、これは本当に不幸な事故でして」
「しかし現に有明君きみはそこの男子に泣かされている。これは看過できない状況だ」
俺はこの時さっきは名字で呼んでたのに(そこの男子)にされてしまった。と考えていた。
「ま、今日のところはいいでしょう。早く教室に戻りなさい。」
「わかりました。ありがとうございます、学園長、副園長」
「ありがとうございます」
その後はないごともなく一日が終わった。
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次の日、俺は愕然とした。
校門前にある掲示板、普通そこには行事などの連絡が載っているが今日は
通知
以下のものを今日より一週間自宅謹慎とする
天上寺明
学園長 桃山由子
「なんでー」
どうでしたか?喜んでいただけたなら幸いです。ではまた次回。