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愛死テル。

作者: 伊東大地

カタカタと窓を強請る風が怖くなってきて、私は彼にしがみついた。

彼の名前は平野大輔。

平凡な名前なのにどうしてこうも好きになってしまうのだろう。

私は彼のたくましい腕にしっかりとだきついて、風が止むのを待った。

彼と一緒だったらなにも怖くない。

いつでも私を守ってくれる、そんな彼に私は心底惚れていた。


そんなにこの風が怖い?


優しい彼は聞いてくる。

私はうなずいてさらに彼に近づく。

あぁ、本当に優しい人。

世界中が彼と私の二人だけだったらいいのに。

そういうと彼は微笑んでくれた。


君はなんでそんなに好きなんだい?


なんでかって?

そんなのあたりまえじゃない。

あなたが平野大輔だったからよ。

あなたが優しいからよ。

あなたが私に微笑んでくれるからよ。

あなたがこの世界に存在しているからよ。

あなたがこうして私のそばに居てくれるからよ。

あなたが私を愛してくれるからよ。

とびっきりの笑顔があなたと私を包んでいく。



でもひとつだけ足りないものがあるの。



あなたがもう死んでいることよ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ・タイトルは面白い。魅かれた。 ・登場人物に名前があり、良くあり退廃的な詩よりリアリティがある。 ・言葉が率直。素直な使い方。 [気になる点] ・最後の、相手が生者ではない、という展開が途…
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