世界の終わり
掲載日:2026/09/13
ボロボロと地面が崩れ落ちていく。
世界の終わりが始まった。もう誰にも止められない。
悲鳴を上げ、彼女が地面の割れ目に落ちそうになる。
俺は手を伸ばす。
しかし、彼女の手を掴むことができずに、彼女は落下していく。
自分と彼女、二人のたわいもない日常。
それが自分にとって、とても大切な、変わらない場所、帰るべき場所なのだ。
気が付くと、自分の部屋のベッドの中にいた。
いつも通り時間が戻った。
平和な、変わり映えしない日常。
そして、やがてまた世界の終わりが始まる。
しかし、自分は何とか運命を変えてみせる。
必ず彼女を救ってみせる。
しかし、何度やっても同じ結末になる。
彼女の手を掴むことができず、彼女は奈落の底に落ちていく。
世界を変えるために戦ってきた。
しかしもう、限界かもしれない。
これ以上、俺はもう頑張ることができない。
感覚が麻痺したまま、同じ世界の終わりの風景を何回も繰り返す。
いつもと同じ、変わらない世界の終わりの風景。
今となっては、それに懐かしさすら覚えている。
世界の終わり、それが今の自分にとって変わらない場所、帰るべき場所なのだ。




