7.信じる覚悟
開いてくださり、ありがとうございます!
仲間の、家族の自分に対する信頼を胸に、透明な箱を出た慈愛。
彼の試合は、どのような結果になるのでしょうか。
※この作品には、残酷・暴力描写があります。
気がつくと、柊は自室に戻っていた。
覚えているのは、たいしがB施設のゴリラと殺りあったことだけ。
結果も…覚えてる。
「なんなんだよ…意味わかんね…」
俺は布団に顔を押し付けた。
泣き叫びたい気持ちを必死で堪えた。
多分だけど、まだ試合は続いてる。ざわざわしてるし、普通に考えて1試合だけで終わるはずがない。
また、俺らの家族が殺し合わないといけないのか。
そう思うと、心臓がズキズキ痛んで、呼吸もまともにできなくなる。
あー、クソ。なんで俺今部屋にいるんだよ。
見るべきだろ、試合を。
後悔と苛立ちに支配されていく感覚は、心底懐かしいと思った。
おそらく、慈愛たちはまだあの透明な箱の中にいるはずだ。
俺はもう一度、赤いボタンを押した。
すると、その機械から声がした。
あの女警備員の声だ。
「一度自室に戻られると、日にちを跨がない限り、部屋から出てはいけないと言うルールがあります。ですので、そのような場合は、部屋に備え付けてある小型テレビを起動させてください。」
言い終えると、機械から声がしなくなった。なんでだよ。俺部屋に戻るなんて言ってねぇよ。
真夜か慈愛だな。明日一言言ってやる。
俺はそう決心しながら小型テレビを横目で見た。
そういえば、慈愛が言ってたカメラってこのテレビのためでもあるのか?
「…つけるか」
俺はリモコンを手に取り、思い切って電源ボタンを押した。
すると、画面に何かが映った。
「テレビ…?いや、配信か…え?」
一瞬、人影が見えた。
次の瞬間、画面から目が離せなくなった。
だって、画面に映ってるのは、B施設の男と、慈愛なんだから。
「は?!どういうことだよ!なんで慈愛が…!」
大声で言っても、誰も答えない。部屋には、俺1人なんだから。
いつも、俺の言葉に答えてた慈愛は、ステージに上がってんだから…。
いろいろなことが頭をよぎった。
もしも慈愛が負けたら、いや負けない。
どうやって逃す?逃げられるわけがねぇ。
なんで慈愛が。俺がわかるわけがねぇだろ。
そんなこと、今考えてる場合じゃないだろ?
頭の中で、慈愛の声が響いた気がした。
その瞬間、頭に登っていた血が、さぁっと引いていく感覚がした。
そうだ。今俺がやるべきことは、これじゃない。
慈愛を信じて待つことだけだ。
俺は、画面から目を離さなかった。
読んでくださり、ありがとうございました!
気づくと部屋に戻されていた柊。
そんな柊は、画面に映る慈愛を見て混乱してしまう。
だが、最後は慈愛を信じて待つ覚悟が決まった。
あとは慈愛次第だ____
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