5.家族なんかじゃない
開いてくださり、ありがとうございます!
この回は、また新たな視点となっております!!
読んでくださると嬉しいです!
※この作品には、残酷・暴力描写が含まれます。
「ルイくぅん、こわいよお♡」
「大丈夫だよ。君なら勝てるさ」
私の憧れの人は、まるで他人事のように、取り巻き女たちを励ましていた。
そして、こんな状況でもうちの施設の女たちは媚び売れるのか。
晴は、心底引いていた。
ルイくんは、外国人と日本人のハーフで、顔が天使みたいに整っていて、超ハイスペック。だから、施設の女の子たちのほとんどが、ルイくんのことが大好きだ。
私だってルイくん憧れだ。
でもあんな、人が目の前で殺し合ってるのを見たら、そんなこと考えてられないのに。
みんなどんな神経してるんだろう。
私たちの施設、C施設の子たち20人は、生まれた時から一緒に育ってきた。
でも、家族なんて思ったことはない。
自分勝手だし、上下関係もいじめもザラじゃない。
「大丈夫?晴ちゃん。」
「あんなの見ちゃったら、そりゃそうなるよね…」
紫陽と紫愛が、私を心配して声をかけてくれた。
「うん…ありがと」
私は2人にお礼を言った。
2人は血のつながった、双子の兄妹だ。
紫愛が兄で、紫陽が妹。紫愛はクールだけど、ちょっとだけ泣き虫。紫陽は、明るくて、優しい子だ。
「そんな2人も大丈夫…では、ないよね」
芯がこっちに向かいながら、2人に言った。
そういう芯ちゃんも、顔色が悪く、身体が少し震えている。
「あ、私は大丈夫だよ!気にしないで!」
芯は、私の視線に気づいたのか元気なふりをしてそう言った。
芯ちゃんは、昔から正義感が強くて、優しい子だ。
だから、強がっちゃうのだろう。
この子達は、私が唯一信頼していて、家族のように思っている子たちだ。
そんな人たちと、殺し合わないといけなくなるかもしれないなんて、考えたくない。
逃げたいけど、逃げられない。
私たちは、絶望のどん底に叩き落とされていた。
「ねぇ、ちょっとした噂聞いたんだけど」
晦くんが私たちに話しかけた。
晦くんの大きな声を、初めて聞いた。
晦はいつも静かで、人と関わらないから珍しくて、みんなが晦に注目した。
「俺らの施設…C施設と相手のD施設以外にも、俺らと同じことしてる施設があるらしい」
私たちは、思わず声が出た。
晦くんは、このことを観客の話し声から聞いたらしい。
ただ、それを知ったところで接触できる保証もないし、殺し合いから抜けられる可能性は極めて低い。ほとんど、ないに近い。
晦くんも、みんなもわかっているだろう。
「おい!いつまでもべちゃくちゃ喋ってんじゃねぇよ!」
男性の警備員が怒鳴った。
「あ、そうだ」
男警備員は、今思い出したかのように言った。
「次の…明日の試合は〜、晦つったか?そいつからだからな」
男警備員は吐き捨てるように言ったあと、部屋を出た。
ドアが乱暴に閉められた。
その音に、何人かの人がびくっとしたり、小さな悲鳴をあげたりした。
「こわいね、ルイくぅん」
「私いやだよぉ」
「そうだね。でも僕がいるから大丈夫だよ」
そんな会話も聞こえてくる。カオス状態だ。
よく、明日殺し合えって言われた本人の前で、そんな呑気な会話ができるな。
「お…怒られちゃったね。」
紫陽が気まずそうに言った。
「今日は寝ようか…」
芯がそう言うと、みんなそれぞれ指定された部屋に、無言で帰っていった。
私たちは、苛立ちと恐怖に支配されたまま、眠りについた。
新たに登場した、C施設。
A施設とは違い、施設内の雰囲気は最悪。
そして、次回の殺し合いを告げられた“晦”、そして見守る“晴”たち。
一体どうなってしまうのか____
第5話を読んでくださり、ありがとうございました!
次話も、読んでいただけると幸いです!!
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次話もお楽しみに!!




