2.地獄の始まり
穏やかに、幸せに暮らしていた翡翠たちに、突如突きつけられた現実。
殺し合いを強制させられた翡翠たちは、この後、どうなってしまうのでしょうか。
※この作品は、残酷・暴力描写があります。
「あなたたちには、殺し合いをしてもらいます。」
女警備員は、表情を変えずに私たちに告げた。
「は…?殺し合い?」
「殺し合いってなんだよ!ふざけてんのか!」
「私たちは一緒に育った家族よ?!」
「冗談でも笑えないわ!!」
みんなが女警備員に向かって怒鳴りつけたり、泣きついたりし出した。
無理もない。
だって、私だって驚きが隠せない。
「みんな待て」
真夜の一言で、みんなの動きが止まった。
「喚いてもわからないだろ。最後まで聞こう」
真夜の言う通りだ。喚いても泣いても、状況がわからないんじゃ、なにもできない。
みんなも冷静になれたのか、女警備員の説明を静かに待ち出した。
女警備員は、にこっと微笑んで説明を続けた。
「あなたたちの育った施設は、この戦いに刈り出す人材を育てるための施設です。
ですので、あなたたちには殺し合いをしてもらいます。強制です。」
女は表情ひとつ変えないのに、私たちの顔はどんどんと暗く、引き攣っていく。
「殺し合いで勝った人が次のステージに上がります。全勝した者は、オークションに出され、買われることになります。」
女警備員は、説明をし終えた。その顔は、話し始める前の顔と、なにも変わっていなかった。
部屋は、沈黙に支配された。
「質問はありますか?」
女警備員は、沈黙を破ってこう言った。
真夜が迷わず手を挙げた。
「施設は俺らのいた施設しかないのか?それとも、他の施設があって、そいつらと戦うのか?」
真夜の質問に、女警備員は答えた。
「鋭いですね。それについても説明いたします。」
女警備員は話し始めた。
「この区域には、あなたたちの施設含め、4つの施設があります。あなたたちの施設はA施設です。A施設と戦うのはB施設です。」
そんな酷い施設が、この辺だけで4つもあるなんて…。
私たちは言葉を失った。
そんな私たちを気にも留めず、女警備員は説明を続けた。
「ですが、同じ施設だった者と戦うことはない、ということはありません。戦う可能性は十分あります。
他2つの施設は、他の場所で戦っているため、あなたたちと戦ったり、接触することは一切ありません。」
この人の説明は淡々としてるのに、すぐ理解できてしまう。
ほんとに嫌だ。
「以上です。」
女警備員は、静かに言った。
次に手を挙げたのは、慈愛だった。
「この戦いは、相手を殺すことでしか勝敗が決まらないのですか?制限時間はあるんですか?」
私は少しゾクッとしてしまった。慈愛はいつも優しくて、笑顔だ。
そのいつもの笑顔を、今も絶やしていないのだ。
女警備員もまた、表情を変えない。
「はい。どちらかが死ぬことでしか、勝敗がつくことはありません。殺す手段にルールはありません。唯一のルールは、どちらかが死ぬこと、ステージから出てはいけないということです。制限時間は1時間です。」
女警備員がそういうと、ポーンという音がなった。なにかの合図か?
みんながざわつき始めた。
そんな私たちに向かって、女警備員は言った。
「では、説明時間は以上です。1人ずつ部屋があるので、そこに案内します。」
女警備員がそういうと、4人のゴツい男警備員が出てきた。
私たちは身を寄せながら、女警備員の後ろについて歩き出した。
連れていかれたのは、長い廊下に並ぶたくさんの個室だった。
おそらく防音で、窓もなにもない。隣の子と接触するのは不可能だろう。
私たちの施設には20人が暮らしていた。20人が1人1部屋用意されているため、部屋は狭いだろう。
私たちは全員、誰かと話す時間も与えられることなく、部屋に放り込まれた。
部屋にはキッチンはなく、ベッドが1つと扉が1つ。その扉の先には、風呂とトイレがある。
部屋に入ると、外から鍵を閉められた。中から開けることはできない。
ここからが、地獄の始まりだった。
第2話、読んでいただき、ありがとうございます!
仲間との殺し合いを強制させられた翡翠たち。
残酷な現実を突きつけられるなか、どのような選択をするのでしょうか。
次話も、読んでいただけると幸いです!
コメントや評価も、気軽にしていただけるととても嬉しいです!!




