ー第3節 自販機の水がかつてのお茶を凌駕する神水に変貌。ハルトの心不全と疲労を一瞬で完治させ癒やしの波紋が全社員を復活させる。目覚めた彼は常人離れした処理能力で敵を撃退!
第3節 自販機の水がかつてのお茶を凌駕する神水に変貌。ハルトの心不全と疲労を一瞬で完治させ癒やしの波紋が全社員を復活させる。目覚めた彼は常人離れした処理能力で敵を撃退!
それは、医学の常識も、物理法則も凌駕する奇跡だった。
ユイの純粋な祈りによって、【究極の神水】へと変貌を遂げたミネラルウォーターがハルトの喉を通った瞬間。
カッ! と目も眩むような黄金色の光の波紋が、ハルトの身体を中心に、オフィス全体へと爆発的に広がっていった。(※周囲の人間には温かい風のように感じられた)
「……っ!?」
ピクリとも動かなかったハルトの胸が、大きく跳ねた。
彼の体内を巡った神水は、極度の過労による心不全、破壊されかけていた内臓の細胞、そして脳の奥深くにこびりついていた精神的な重圧と疲労物質を、文字通り「一瞬」で消滅させ、完全なる健康体へと再構築したのだ。
それだけではない。ユイから放たれた究極の癒やしのオーラは、フロア中の空調に乗ってオフィス全体に行き渡った。
徹夜の過労で床に倒れ伏していたエリート社員たち、頭を抱えていたエンジニアたち、ストレスで胃を痛めていた若手社員たち。彼らの疲労感もまた、春の雪解けのように一瞬にして浄化されていく。
「な、なんだこれ……!? 身体が、嘘みたいに軽い!」
「頭の靄が完全に晴れたぞ! 数日前の、あのゾーン状態の時よりもさらに頭が冴え渡っている!」
次々と立ち上がり、驚愕の声を上げる社員たち。
そして、ユイの腕の中で、ハルトがゆっくりと力強い瞳を開いた。
「……ユイ。君が、俺を……」
「社長! よかったです、本当に……っ!」
ユイは安堵のあまり、ポロポロと涙をこぼした。
完全に復活を果たしたハルトは、ユイの涙を指でそっと拭うと、静かに立ち上がった。その立ち姿は、倒れる前よりも遥かに研ぎ澄まされ、神がかった威厳に満ちていた。
脳の処理能力は、かつてユイのほうじ茶を飲んだ時の数倍、いや数十倍にまで限界突破している。
「状況を報告しろ」
低く響き渡る絶対者の声に、IT部門の責任者が慌てて叫ぶ。
「しゃ、社長! ライバル企業のハッカー集団が、現在ファイアウォールの最終層を突破しようとしています! このままでは全データが……」
「退け。俺がやる」
ハルトはメインコンソールに座るなり、十本の指を残像が見えるほどの恐るべき速度で走らせ始めた。
タタタタタタタタタッ! ターン!!
彼の限界突破した脳は、数億行の暗号化コードを一瞬で解読し、それと同時にハッカー集団のサーバーに逆探知のトラッププログラムを仕掛けるという、人間技とは思えない離れ業をやってのけた。
「……チェックメイトだ。全暗号化の解除完了。同時に、ゼニス社の攻撃サーバーを逆制圧し、奴らのシステムを完全ダウンさせた」
ハルトがエンターキーを叩き割る勢いで押し込んだ瞬間、オフィス中の赤いエラー画面が一斉に青い正常画面へと切り替わった。




