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ー第2節 混乱の中、ハルトの会社を潰そうとライバル企業が、大規模なサイバー攻撃と悪質なフェイクニュースを同時に仕掛けてくる。全社員が徹夜でトラブル対応に追われる事態に!

第2節 混乱の中、ハルトの会社を潰そうとライバル企業が、大規模なサイバー攻撃と悪質なフェイクニュースを同時に仕掛けてくる。全社員が徹夜でトラブル対応に追われる事態に!


 社内のパフォーマンス低下と派閥争いによる混乱がピークに達した時、グランドクロス商事にさらなる致命的な危機が襲いかかった。

「社長! 大変です! 我が社の基幹システムが、外部から大規模なサイバー攻撃を受けています! 顧客データの一部が暗号化され、業務システムが完全にダウンしました!」

 血相を変えたIT部門の責任者が、社長室に飛び込んできた。

 ハルトは鋭い視線をモニターに向けた。画面には、赤い警告マークがいくつも点滅している。

「攻撃元は特定できたか?」

「IPアドレスは海外を経由して偽装されていますが……この手口は間違いなく、我が社と業界トップを争っているライバル企業『ゼニス・ホールディングス』が裏で雇ったハッカー集団のものです!」

 ハルトの眉間が深く刻まれた。ゼニス社は、グランドクロス商事を潰すためなら手段を選ばないことで知られる悪徳企業だった。

 しかし、攻撃はそれだけでは終わらなかった。

「しゃ、社長! 広報部からです! SNS上で、我が社が現在進行している超大型コンペに関して、『グランドクロス商事が違法なデータ改ざんを行っている』という悪質なフェイクニュースが拡散されています! すでに数百万リツイートを突破し、コンペのクライアントから事実確認の問い合わせが殺到しています!」

 秘書が悲鳴のような声を上げた。

 サイバー攻撃によるシステムの物理的な破壊と、フェイクニュースによる社会的な信用の失墜。ゼニス社は、グランドクロス商事の弱り切ったタイミングを正確に見計らい、息の根を止めるための完璧な同時多発テロを仕掛けてきたのだ。

「落ち着け! IT部門は全権を掌握し、ファイアウォールの再構築とバックアップからのデータ復旧に全力を注げ。広報と法務部は直ちにフェイクニュースの出所を特定し、法的措置の準備と公式な否定声明を出せ。営業部はクライアントへの個別対応に回れ! 絶対に、この会社を崩壊させはしない!」

 ハルトは立ち上がり、雷鳴のような声で全社員に指示を飛ばした。

 その日から、グランドクロス商事の全社員による、終わりの見えない徹夜のサバイバルが始まった。

 誰もが血走った目でパソコンの画面に齧りつき、鳴り止まない電話の対応に追われる。睡眠時間はゼロに等しく、食事を取る暇すらない。エリート社員たちの間からは、先ほどのマウントの取り合いなど消え失せ、ただ「会社を守らなければ」という悲壮な使命感だけが漂っていた。

 しかし、彼らの脳と肉体はすでに疲労の極致にあった。

「……もう、無理だ。コードが、霞んで読めない……」

「クライアントに……謝罪のメールを……送らなきゃ……」

 バタリ、バタリと、フロアのあちこちで社員たちが意識を失い、倒れ始めた。

 極限のストレスと過労が、彼らの生命力を確実に削り取っていく。もはや、人間の限界を超えた状況だった。

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