重い愛を永遠に
「斗真のことがだ〜いすき。なのに、なんで私だけを見てくれなの? ねぇ、なんで?」
私はいつも気持ちを伝えている。
それに、斗真が好きな料理を作ったりと献身的だ。
なのに斗真は、スマホの中の女性ばかりを見たりする。
「ねぇ、早く答えてよ」
ソファに座り、またもやスマホを見ている斗真に、私は必死に話しかける。
「美織のそういう面倒なところが嫌なんだよ!」
斗真が、まるでゴミを見るような目で私を見る。
「……ひどい、ひどい、ひどい!」
「はぁ、だるっ」
最初の頃は、私が世界で一番大好きって言ってくれていたのに。
「俺たち、別れた方がいいんじゃね? お前よりも可愛い女なんて沢山いるし」
いきなり別れる? そんなのありえない。
絶対、絶対別れない。
「斗真は、私のこと……嫌い?」
「……あぁ」
そうだったんだ。
いつから何だろう。
「ふふ、あはははは」
「おい、いきなりどうしたんだよ! 気持ち悪りぃんだよ!」
斗真がとっても嫌な顔をしている。
そんな顔も可愛くて、かっこよくて、大好き。
「ねぇ、斗真? 私にやさしさなんて、要らないよね? これからも永遠に一緒にいようね!」
「は? 何言ってんだよ」
私は事前に用意していたものを差し出した。
「これ、斗真へのプレゼントだよ! 開けてみて!」
斗真は、恐る恐るプレゼントを開ける。
ゴツゴツとしているが、美しい指で、丁寧にリボンを解きながら。
「……な、何だよ。これ」
「ふふっ。何かって? 首輪と手錠だよ!」
斗真が戸惑っている間に、手錠と首輪をつける。
私は、彼が自分1人だけのモノになったという優越感 に浸っていた。
「おい! やめろよ! お前、こういうのが趣味だったのか?」
「うるさい!」
私は、思いっきり首輪を引っ張った。
「んんっ。く、苦しぃ」
本当に苦しそうだ。
こんな表情、今まで見たことがない。
普段より、こっちの表情の方が好きかも。
「暴れないで? まぁ、そういう性格も大好きだよ。これからもずーっと一緒にいようね。私が大切にお世話してあげる!」
こうして、2人は幸せに暮らすのでした。
これからも、永遠に。
めでたし、めでたし。