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江國香織さんの本を読む。

作者: 小波

 江國香織さんが好きだ。

女性に人気のある作家なんだそうだ。言われてみればそうだなと感じる。とても繊細な空気を纏った世界だ。


 この方の本には私の住んでる世界に登場しなかった物が溢れている。これはなんだろう?少し高価そうなお菓子のメーカー、上質な感じを漂わせるアクセサリーや女性の服、ここで知るまで手に取る事は無かっただろう音楽家の名前‥。ホリーガーデンの果歩がかけている眼鏡もひとつひとつが繊細に見つめられているのが分かる。登場するもの達が愛情をかけて言葉に変えられているのが分かる。それが否定的で褒められていなくてもだ。‥そして加えて私が羨ましくなった贅沢さや真新しさの中に住む人達は寂しくて贅沢だから幸せ、じゃないのは当たり前だが、それでも貧しさばかりよく知ってる私からしたら息が詰まりそうに可哀想なのが印象的だった、ただ貧しい人が喘ぐのとは訳が違う気がした。汗臭さを感じない美しい文章のなかに不倫だって置いてあるがひとつも重くならない。なぜみんなおしゃれで格好がつくのかなぁ。村上龍の対極にある気がする。作者の感性が苦しくて強くて追いつけない。江國香織さんは全くそう言うのが無くて、それでいてしんどい。


 彼女の小説は映画のフィルムの途中に鋏を入れて始まり、またちょきんと切られて終わる様に感じる。どこにも無理がない始まりと終わり。漂う様な出来事。それが私達の日常となんら変わりなく小説の中の主人公達もどこかで続いている様だ。

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