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【呪言《ことほぎ》】あなたがそうおっしゃったから。  作者: 友坂 悠@書籍化しました!!(電子書籍配信中です!!)


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新しい工房。

 マクギリウスが影のお仕事で忙しくなって、わたくしはほとんどお部屋で過ごしていた。

 ニーナさんがいらっしゃるとはいえ、やっぱり心配なのか絶対に自分のいないときには外に出ないように言われたわたくし。

 しょうがないからお家でマギアアリアの再生の方法について考えてた。


 結局。

 今ある在庫をなんとかしなくちゃいけないわけだけど、込めてあるコードはせいぜいバフ程度の物。

 祈りを込めるとほんのちょっと体力が上がる、ほんのちょっと防御力が上がる、ほんのちょっと毒耐性がつく、ほんのちょっと素早さが増す。そんな程度だ。

 デザイン的に良ければそれでも売れただろうけど、もうその辺もありきたりな物になってしまっている。

 また、危険な攻撃を受け止め跳ね返すような、そんな高度な物はもともとラインナップにもなかった。

 せめて身を守る程度の結界をはる魔法陣が発動するくらいじゃないと、なかなか買い手もつかないかぁ。そんなふうにも思うけれど。


 お守り付きの魔法具としては、もうちょっとだけ性能を上げてやらないと、今の在庫ははけそうにない。


 だったら……。



 いっそのこと、新しい魔法陣を付与してしまう、という手も考えても良いかもしれない。



 わたくしだったらできないこともない。

 デザインも、少しくらいなら変更可能だ。


 ただ、ずっとわたくしだけでその作業をやるわけにもいかない、から。

 どこかに良い職人がいないかな。

 せめて彫金だけでも再加工が可能な腕の良い人、いないかな。そんなふうに考えていた。


 懇意にしていた下町の工房に直接出かけることができたら、そんな人を探すこともできるだろう、けど。


 ♢ ♢ ♢


「お嬢様。お手紙が届いておりますよ」


「ああ、ありがとうフィリア」


 いっぱい届いたお手紙の束。

 わたくしが工房に送った手紙の返事、だとは思うけど。


 マギアアリアで新しく工房を立ち上げるから、そこに協力してもらえないか。

 そんな内容でお手紙を出して。


 もう知っているところに手当たり次第送ってみた。色良い返事がもらえていると良いなぁ。そんなふうに思いつつ開封する。


「だめ。ダメ、こちらも。みんな丁重にお断りの返事が書かれてる」


 順番に開封するも、やっぱりあまり芳しくなかった。

 そうだよね。

 新しい商会からいきなりそんな手紙が来たって、そう簡単に良いよとは言わないよね。

 なんなら自分のところの工房を畳んでこなきゃいけなくなる小さなところだったら余計。

 どこもそんなに人が余っているわけでもないのに、収入の保証も定かじゃない新参商会にそう簡単にオーケーは出せないよ。


 それでも、どこか一つでも良い。少しでもいい。条件次第で協力してもいいよってところがないかなって、そんな祈りを込めて手紙を開封していったわたくし。

 最後に一つ、「オーナーと会ってお話を聞きたい」と書いてあるお手紙を見つけたのだった。

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