表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

便所掃除人は宇宙の夢を見る

作者: 梅野飴

宇宙飛行士になりたかった

星が 月が 別に好きなわけではない

ただ漫然と 人並みに 淡い夢に焦がれていた頃


便器に張り付く誰のものとも知らぬ糞尿をブラシで削ると幼い夢が顔を出す

朝だというのに汗が落ちる

ここは 宇宙から一番遠い地点


宇宙服を着てシャトルに乗り込む

タイルをデッキブラシで磨く


無重力を泳いで旅する

便座をシートで拭きあげる


家族の待つ地球に帰還する

便所紙を三角に折る


宇宙から一番遠い地点に遠い記憶の宇宙を見る

現実に蹴り出されるようにまた今日が始まっていく

緩やかに下りはじめた人生は止められないまま


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] トイレと宇宙を結び付ける発想がすごいと思いました!たしかにトイレは宇宙と一番遠い地点という感じがします。 切なさと可笑しみのバランスが絶妙で素晴らしいです好きです。 最後の『緩やかに下りは…
2022/05/11 22:02 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ