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機械仕掛けの魔法使い~シム誕生編~  作者: チク


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43/48

エンターティメント


「いや、カモじゃなくて……」

 困り顔のタツキ。

 そんなタツキにみんなが注目している。


「ルウ族のユーテム・テセティア……さんだよね?」



「おおっ!」

 ユーテムは感嘆の声を上げる。

「一回、会っただけでよく名前覚えてたな」



「あ、うん、まぁ……」

 答えながらも、タツキは不思議な感じがした。

 この男と出会った時のことは鮮明に思い出せる。まるで映像を見るかのように。

 出会ってすぐにシムがゲートを開けた。そのゲートを通り、ユーテムはエルフの森へと旅立ったのだ。

 本当にあっという間だった。


 シムがゲートを開ける様は本当にすごかった。

 あざやか過ぎるその手際は、なんだか詐欺っぽくも見えた。

 だから、うっかりユーテムのことをカモと言ってしまったわけだが……


 だが、詐欺などでは断じてない。

 異世界へ繋ぐゲートを開けるのは相当なこと。

 事実、その後、シムは充電切れしそうになったのだから――。


 シムが言うように、まぎれもなくエンターティメントだ。


 

「タツキも翼が治ったようで本当によかった」

 と、ユーテムは親し気にタツキの肩を叩いた。



 タツキはユーテムが自分の名前を覚えてたのも驚いたし、翼のことを覚えてたのも驚いていた。



 タツキは火山の噴火の直撃を受け、全身火傷を負い、片方の翼が取れてしまったのだ。

 あの状態で、本当によく治ったもんだと思う。

 それもこれもシムのおかげだ。


 ゲートを開いたり、大怪我を治したり、シムは本当にすごいんだと、タツキは改めて思った。



 そのシムはといえば、ユーテムたちを道案内すべく階段を登りはじめる。

 その足取りは、まるでこの建物に来たことがあるようだった。




     *



 階段を上る四人と、一台のファニィ。


「器用に階段上るのね」

 とは、ファニィを見たルイセの感想だ。


「ルウの地にもそっくりなロボがいるぞ。これ、名前は何て言うのかな?」

 とユーテムが疑問を口にする。



「ファニィだよ」

 タツキが説明するが、シュウが訂正する。

「これ、ファニィじゃなくて、ファッティだよ」



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