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魔導エレベータ


「気のせいかとも思ったけど、嫌な予感がしてゲートを通り抜けたら、タツキが溺れてると思って焦ったし。よく見ればヤイノだし……」

 シムが淡々と説明するのを、リューオスは息を飲んで聞いていた。




「ヤイノと面識があったんだ?」

「うん、前にね」

 なんてシムは言った。


 天空岩にいる竜人は、そのほとんどが天空岩から出たことはない。

 シムがヤイノに会ったことがある?


「僕、天空岩で生まれたからね」

「そうだったのか?」

「うん。シズクの弟みたいなもんかな、僕」



 リューオスの頭の理解が追い付かない。

 ヤイノがすごい大事故に遭ったこととか、なんで柱の下敷きというのもわからないし、地上にいて当たり前だと思ってたシムが天空岩にいることとか、そのシムが天空岩で生まれていたとか、だからそのシムが天空岩の地理に詳しいのか、とか、とか……

 いろんな疑問が頭の中をぐるぐるする。


「よく、俺の家がわかったな?」

 そんな疑問を口にしていた。

 リューオスはシムと会ったことはあるが、世間話をした程度だ。

 桃畑をしていることは喋ったが、正確な場所は教えていない。

 そもそも地上にいるシムに天空岩の地理を教えても理解できるのか?


「うん、前に来たことあった。なんか忘れてたけど、桃の匂いがするほうに来たら桃畑に来れた」

 その答えには納得できた。



「じゃあ、僕、そろそろ帰るよ」

「うん、気をつけてな」

 シムにそう声を掛ける。

 いろいろ聞いてみたい心境だったが、なんだか聞いてはいけないような気もした。


 それと別に気にかかることがあった。

「魔導エレベータで帰るのか?」

 つい最近その魔導エレベータの暴走に巻き込まれたリューオスだ。若干の恐怖心が残っていた。それをシムが使えるのかという心配もあった。


――あれ? さっき、ゲートって言ったか?

 確かに、シムはさっきゲートを通ってヤイノを助けたと言った。

 魔導エレベータならリューオスの家のすぐそばだが、ゲートは池まで歩くことになる。



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