表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
機械仕掛けの魔法使い~シム誕生編~  作者: チク


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/48

大噴火の日

※ 地震、火山に関する描写があります。


 そこに住んでいた人々が倒れている。

 知り合いに気づき、アッゼが息を飲む。


「周りは見るな! とにかく走って!」

 シュウはとにかく走る。


 アッゼもシュウの左手をつかんで走る。

 シュウの右手がなかった。

 とても痛々しい姿。

 片腕ないせいか、走る姿がぎこちない。


 アッゼはシュウの言葉通り、とにかく走った。

 熱風が吹いている。

 地面が揺れ、噴火の音が響く。



 二人は魔導エレベータの前に着いた。


「乗って!」

 シュウは、アッゼを魔導エレベータに押し込んだ。

 その反動で、すてんとシュウが転んだ。



「シュウも一緒に」

 アッゼはシュウの手をつかむ。

 そのまま手を引っ張り、一緒に乗ろうとしたのだ。



 シュウはアッゼの手を振り払う。

「僕はいい!」



「何、言ってんだよ!」

 二人とも言葉が乱暴になっている。

 それだけ余裕がなかった。



 その時、大きな地震が来た。

 魔導エレベータの中でも揺れたのがわかった。

「シュウ!」


 直後に、ドーンという嫌な音がした。

 近くで火山の噴火が起こったのだろう。

 アッゼの声がシュウには聞こえなかったのか。


 シュウは、何か逡巡しているようだった。



「シュウも……」

「元気でね」

 言いながら、シュウは魔導エレベータを作動させた。


「シュウ!」

 アッゼが手を伸ばすが、その体はすでに宇宙船の中にいたのだ。



「よかった。生存者がいた」

 大人たちが喜んでいた。

 子どものアッゼは必死に戻るよう頼んだ。


 だが、無慈悲な答えが返ってくる。

「もうムリだ。地上へは近づけない」


 それなら、とアッゼは魔導エレベータから一人で地上へ戻ろうと思った。

 だが、アッゼの体は魔導エレベータから引きずり出される。


 アッゼは泣いて暴れて頼んだ。

「シュウが! まだいるんだ。頼むから……」


 アッゼは、鎮静剤を打たれ、強引に眠らされてしまう。

 次に目が醒めた時には、数日が経過していた。




     *


 その後のことはよく覚えていない。

 魔導エレベータでたどり着いた宇宙船がテッドの舟だったと、かなり後になってから知った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ