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4話 初めてのダンジョン!

 ダンジョンそれは未知の世界である。ゲームなどではよく聞く言葉だがそれを生身(?)で聞くとは思わなかったポチは、目の前にある地下へと続く階段の前でたたらを踏んだ。


「ここがダンジョンの入り口だよー」

「おーいお前さんたち、受付すませてくれよー」


 ダンジョンの入り口横にあるテントから声がした。入る前にそこで受付をする決まりがあるようだ。


「アルタ、エルザ、ポチ。ん、確認した。」


 ギルドカードを差し出しなにやら機械にいれて登録されたようだ。帰りにも寄らないといけないらしい。長い間帰らないと捜索隊が依頼されるとのことだ。そのあとダンジョンの説明があり、これが終わると入れるようになるらしい。


「今ある最下層は地下7階だ。7階にある魔法石に触れないように。あとは忘れず各階の魔法石に触れておくこと。地下8階が現れたら速やかに報告の義務をお願いする。以上だ。」

「8階が現れる…?」

「ダンジョンは成長するのよ。最下層の魔法石を壊してしまうとダンジョンが崩壊してしまうから触っちゃだめなの。」


 アルタが補足してくれた。ダンジョンとはそういうものらしい。


「さあ、いきましょー」

「ゴーです~」


 2人の後をついてダンジョンに足を踏み入れた。




 ◇◇◇ レアス地下1階 ◇◇◇


 地下だというのに思ったより暗くない。よく見ると壁などについている苔が光っているようだ。キョロキョロとポチは辺りを見回し、田舎者丸出しだ。


「うわーっスライムがいっぱいいる~」

「そうよー1階は主にスライムね。あとほらそこ見て。」


 アルタが指を指した方向を見るとキノコが生えている。


「それもモンスターだから気をつけてね。触ると襲ってくるよ。」

「触るとね魔力を吸われてモンスター化するってことなのよ?」

「やっかいよねーでもまあ倒せばいいし、キノコも手に入るし。1発でしとめれば即キノコだもの問題ないわ。」


 キノコか…食べられるのかな?


 「さぁって始めますか~」


 早速ここで狩るらしくアルタとエルザは武器を構えた。アルタが短剣でエルザは杖を手にしている。


「あれ?アルタは弓使い(アーチャー)じゃないの?」

「ん、そうよーでもね、スライムに矢を使うのもったいないじゃない?」


 そういうとアルタはスライムに短剣で切りかかった。全部1撃で落とされている。負けじとエルザも杖を振りスライムを撲殺し始めた。


 なるほど、2人が狩りまくるからアイテム拾っていればいいのかな。


 落ちてるアイテムを拾う。スライム玉、ベルペル草、が主に出るアイテムのようだ。たまにポーションがそのまま落ちていたり、ぬいぐるみが転がっている。今ポチが使っているナイフも落ちるみたいだ。


「ぬいぐるみ…?」

「あ、それかわいいでしょーっ割と出るから安いけどぬいぐるみ収集家とかがいるから拾っておいてね。」


 ぬいぐるみを集めている人がいるらしい。落ちているアイテムを次々ストレージにほうり込みながらたまにスライムに短剣で切りつける。残念ながら1撃では落ちず、2回くらい攻撃すると倒せた。気をつけないとダメージを受けてしまいそうだ。


「大丈夫、私が回復するよ。盾もうまく使って。」

「そういえばエルザは回復術士(プリースト)だったね忘れてたや。」

「まあ、ひどいっ…なんてね。」


 仕方がないだろう言動がそんな雰囲気じゃないんだから…


 さくさくとまでは行かないがたまにスライムを狩りながら2人のアイテムも拾いまくる。そして何度も視界に入るキノコ…気になる。


 あれは僕じゃ厳しいのかな?2人は放置しているようだけど…


《カンテイヲスイショウシマス》


 鑑定…あーそんなものもあったねー



   名前:キノコノコ

  レベル:3

属性タイプ:毒属性、植物

 アイテム:キノコ、ギルギル草、毒消し薬、キノコのぬいぐるみ、属性『毒1』



 ふぅーん。スライムと色々違うんだな…レベル3か。あれ?アイテムが表示されてる。


 たしか図鑑に載っているスライムを見たときアイテムのところは空欄というか横線が入っていた。スライムも鑑定してみるべきだろうか…



   名前:スライム

  レベル:2

属性タイプ:無属性、魔法生物

 アイテム:スライム玉、ベルペル草、ポーション、スライムのぬいぐるみ、ナイフ、生物『魔法1』



 ちゃんとでるじゃねーか…あれか、図鑑は手に入れたアイテムしか表示されないってやつ。まあこれは後で確認するとして…生物『魔法1』?これはさっきからアイテム拾っているけど出てないな。


「ねえ、生物『魔法1』って何?」

「あー鑑定したのね。たまーーーにスライムが落とすアイテムだね。」

「スライムが落とすアイテムの中ではレア。」

「何に使うの?」

「あれだね、武器につける追加効果。鍛冶屋でつけてもらうか、鍛冶スキルがあれば自分でもつけれるよ。」


 そりゃ~たくさんはでないわな。…で、そうだキノコだよ。レベル3、盾をちゃんと使えば狩れるかな。…試してみるか。


 ナイフを構えキノコに突き刺す。すると足と手?が生え飛び掛ってきた。あわてて盾を構えガードする。ちゃんと盾で防げればダメージはないようだ。慎重にしっかりとガードをした後確認しつつキノコにナイフを突き刺す。5回くらい突き刺すとキノコは倒れ足と手が消えてキノコになった。その横に草も落ちている。多分ギルギル草だ。



   名前:ギルギル草

  レベル:1

属性タイプ:土

 アイテム:ギルギル草

   説明:薬の材料。



   名前:キノコ

  レベル:1

属性タイプ:植物

   説明:食べられる。



 ちょっと時間かかるかな。2人はスライム乱獲してるし僕はキノコでも狩るか。


 2人の後をついて通路を進む。もちろん落ちているアイテムを拾いながら見かけたキノコを狩るのを忘れない。しばらく進んでいくと広い部屋のような場所に出た。


「さて…ぽち。ここは広いでしょ?」

「うん?」

「ここ、ボス部屋。」

「ちょエルザ私が言おうと思ったのにっ」

「早いもの勝ち。」

「もー。で、この部屋のモンスターを全滅させるとボスが出るの。地下1階はポイズンスライムだね。」


 そういうと2人は武器を構えた。今度はアルタは弓を装備している。どうやらボスをだし、そのまま戦闘に入るようだ。


「ポチはちょっと壁のほうに下がっていてね。」


 アルタは矢を弓に番えた。しかも大量の矢を一度にだ。弓を引くと、


『レインアロー』


 という声が聞こえてきた。次の瞬間アルタの前方にたくさんの矢が降り注いでいる。『レインアロー』というのはスキルなんだろう。その名前のごとく矢が雨のように降り注いだ。あっという間に部屋にいたスライム達はいなくなった。後はキノコを処理したらモンスターは0になる。


 ふっと一瞬部屋が薄暗くなる。どうやらボスが出てくるようだ。


「地下1階のボスだからそれほど強くないわよー」

「レベルが多少あれば狩れる。」


 ふむ、そのうち1人で狩れるようにがんばろ。


 どうやらボスが現れたようだ。見た目はちょっと緑がかったスライムでサイズも少し大きい。ポイズンスライムはうねうねと体を動かし狙いをエルザにしたようだすごい勢いで飛び掛っていく。エルザはわかっていたのか盾で攻撃を耐えた。そこへアルタが矢を打ち込み自分のほうへ来るように誘導する。やはり攻撃が痛いのかポイズンスライムは体の向きを変えると次はアルタに向かっていく。


 おっとそうだ鑑定鑑定。



   名前:ポイズンスライム

  レベル:10

属性タイプ:毒属性、魔法生物

 アイテム:スライム玉、ギルギル草、毒消し薬、ポイズンスライムのぬいぐるみ、リング『毒』、属性 『毒3』、生物『魔法3』



 知らないアイテムがあるな…


「おっと。」


 ポイズンスライムの体当たりがアルタをかすめる。ぎりぎりかわしアルタはそのまま矢を打ち込んだ。するとポイズンスライムがプルプルと震えだした。


「いけないっ盾をかまえて!」


 次の瞬間はじけるようにポイズンスライムは飛び散った。辺りには残骸が転がっておりゆっくりと消えていった。スライムもそうだったが魔法生物はそのまま消えてしまうらしい。


「びっくりした~まさか自滅するとは思わなかったよ。」

「スキルでさっさと倒さないのがいけない。」


 どうやらポイズンスライムのスキル『自滅』だったようだ。


「ポチ大丈夫~?」

「俺は平気だよー離れてたし。」

「よかったー巻き込んだかと思った…」


 アルタの足元がふらつく。顔色も少し悪い。


「む~~久々にくらったなー」

「私持ってないけどある?」

「えへー忘れちゃったの。」

「キノコから出てないかしら?」


 周りをキョロキョロとエルザが確認する。


「ないわね…」

「ちょっとつらいけど町まで我慢かな~」

「そうね、ぽち。アイテム回収。」

「あ、うん。」


 どうしたんだろう…少しアルタ変じゃないか?


 アイテムをすべて回収する。この部屋のモンスターを全滅させたときのアイテムも拾ってなかったので今まとめてやっているのだ。ポイズンスライムは、スライム玉、ギルギル草、リング、丸い玉を落としたようだ。リングと丸い玉は鑑定されていないので何かわからないがリングは『リング『毒』』に違いない。


「回収終わったよ~」

「んーじゃあ、こっちきて。」


 言われるままアルタの傍に来るとその壁に石がはまっているのが見えた。


「これが魔石。触っておいてね。」

「触るだけでいいの?」

「うん。すぐ横に階段があらわれたでしょ。これに触れておけばダンジョンの入り口で攻略階層が表示されるから。攻略した階層とばして移動できるようになるのよ。」

「じゃあ俺は地下2階にこれですぐいけるってことか…」


 なるほど…まあ行かないが。


「うーっ今日はここまでかな~」


 アルタが膝をついた。気持ち息も荒い。チラリとエルザのほうを見る。困ったわねーという顔をしていた。


「アルタどうしたの?」

「あーうん。まともにポイズンスライムのスキル受けちゃって…毒くらったのよ。」

「そして毒消しも持ってない。」

「面目ない…」


 毒消しってキノコが落とすやつだよな…確か薬って書いてあった??


「えーと確定じゃないんだけど、もしかしたら作れるかも。」

「「え?」」


 『調合』と声をだし調合の窓を開く。



 調合可能アイテム一覧

-----------------------------------------------------------------------------

・ポーション…材料:ベルペル草×2

・???…材料:ギルギル草×2

・???…材料:ギルギル草×1、スライム玉

-----------------------------------------------------------------------------



 どっちだ?


「毒消し薬って材料何?」

「えーとたしかギルギル草2個。」

「こっちかっ」


 ギルギル草2個を取り出し調合する。手の中には小さな瓶が1本出来ていた。



 名前:毒消し薬

 効果:毒状態を解除する。



 よしっ


「はい、これ飲んで。」

「そういえば錬金術師だったわね…」

「意外に役に立つ?」


 意外はよけいだろう。


 見る見るうちにアルタの顔色が戻ってきた。毒で減った体力をエルザに回復してもらっているようだ。


「あー助かった~このまま町まで我慢するしかないかと思ったよーっ」

「ほんとね、毒消し薬は1個は常備しなきゃ。」

「はい、気をつけます…」


 ダンジョンから帰還しテントで報告をする。その後冒険者ギルドにいき、アイテムの分配を行った。ほとんどのアイテムは売り払い。手元に残ったのはリングと丸い玉だ。鑑定するとリングはリング『毒』、丸い玉は生物『魔法3』だった。



   名前:リング『毒』

  レベル:10

属性タイプ:毒

   説明:毒耐性の指輪。


   名前:生物『魔法3』

  レベル:15

属性タイプ:無

   説明:武器に魔法生物にたいし火力増加Lv3を付けられる。



 分配はアルタ銀貨10枚とリング『毒』、エルザ銀貨15枚、ポチ銀貨10枚と生物『魔法3』となった。


「ほんとに俺が生物『魔法3』貰っていいの?」

「いいよ。アルタのことで迷惑かけたし。」

「ポチが錬金術師でたすかったよーっ」

「じゃあね、ポチ。」

「また機会があったらパーティ組もうね~」


 2人は手を振って去っていった。


 なるほど。一時的なパーティだったからここで解散するものなんだ…


《チュートリアル、ダンジョンヲシュウリョウシマス。》


 あ、そうなんですねはい…







 


 


 

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