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31話 フィリアレベル上げ開始

少し短いです。

◇◇◇ レアス地下1階 ◇◇◇


 最初に言っておくとフィリアに爆弾を投げてもらうのは失敗した。どうやらある程度錬金術師のスキルの影響を受けていたようで、作った人以外が投げると威力がばらついたり効果が安定できない状態になった。それにそんなものに頼らずともフィリア自身が思ったより強かったので必要なかったとも言う。


「やっぱりナイフで攻撃したほうが早そうです…」


 少しだけ残念そうに爆弾を眺めながらフィリアはスライムを切りつけている。どうやら投げるのだけは楽しかったようだ。


「そうだフィリアレベル上げるために少しだけ地下2階降りてみる?」

「いいんですか?」

「うん、入ってすぐのところだけね?」



◇◇◇ レアス地下2階 ◇◇◇


 地下2階へ降りるとすぐ人間なのかグールなのかわからない人たちが3人ほどいた。ぱっと見た感じ普通の冒険者パーティのような服装をしている。


 これはちょっと判断が難しそうだな…


「店長…あれがこの階層のモンスターですか?」

「うーん…人にも見えるけどどっちだろうね…」


 もちろんポチが火炎瓶を投げれば一発なのだがそれだとフィリアのレベルが上がらない。


「多分モンスターですね。」

「わかるの?」

「はい、私の職業スキルだと思うんですけど…排除対象と表示されています。」


 何それ便利。


「オーバーブーストすれば1撃という予測もされています…」

「どんなスキルなんだ…」

「えーと…『分析』ってスキルで目にした対象を常時分析するみたいです。レベルが上がるともっと詳しく見れるようになるだとか…」


 あれ…?まだ10歳じゃないから教会行ってないはずだけど…


「あ、職業を店長が教えてくれたので少し調べてみたんです。ちなみに店長は店長ってみえてます。」


 なるほど使用人のスキルか。相手がどんな立場の人とかを調べるものなのかもしれない。


「なのでオーバーブーストしてちょっと狩ってみていいですか?」

「わかった。いいけど毒に気をつけてね?」

「は~い!」


 元気よく返事をすると、『オーバーブースト』の状態でモンスターの目の前へ飛び出した。モンスターはまだ冒険者の姿のままだ。


「こんにちはー!おーにさんたちもここで狩りですか~?」


 念のため声を掛けてみてから攻撃するようだ。声を掛けられたモンスターたちはそろってフィリアのほうに向き直ると、無言で手を伸ばしてきた。


「会話出来ない…確定っですね!」


 すばやく背後に回るとフィリアはモンスターたちの背中から胸の辺りを突き刺した。人型をしているグールは動きがそれほど早くないので問題なくフィリアが3匹ともしとめることが出来た。


「狩れましたーーっ」

「フィリア強いな~…」

「レベル上げるためです!モンスターには悪いけど排除しますっ」


 フィリアはよほどレベルを上げたいようだ。そんなフィリアの背後で動くものがポチの視界に入った。


「あっ」

「わきゅっ!?」


 すかさずポチが火炎瓶を投げるとどうやら犬型をしたグールだったようでフィリアの足元で燃えていた。


「びびびびっくりしました~~っ」

「1階と違ってモンスターは襲ってくるから油断したらだめだよ…」

「ふぁ~い…」

「やっぱりフィリアは1人のときは地下1階までだね。」

「うぬ~ん…」


 入り口付近で数匹グールを狩るとポチとフィリアは店へ戻ることにした。



   名前:フィリア・レイラント

   性別:女

   年齢:9

   職業:商人(使用人)  


  レベル:12

   体力:132/132

   魔力:91/91


    力:101

   速さ:125

   知力:89

    運:-20

物理防御力:77

魔法防御力:86


固有スキル:体術強化(オーバーブースト)

   称号:不運を持って生まれたもの



 グールを狩ることによって2レベルほど上がっていた。明日からはアルタたちと地下1階と2階を少し行ってもらうようにしよう。


 いつもより短い時間で終わらせてきたので空いた時間でスフィアを誘って鉱山に再チャレンジすることにした。昨日はほとんど何もしないで帰ってしまったので今日こそは鉱石を持ち帰るためだ。もちろん鉱石とあってはノームも役に立つので一緒に来ている。

 入り口でサインをすると鉱山の中へ入っていく。


「ねえノーム。鉱石がどこにあるかわかったりする?」

「わかるぞ。ただあるのがわかるだけで何があるのかはわからん。」


 おお…自分でだったら片っ端から鑑定するしかないから十分ありがたいっ


「じゃあここから一番近くはどこにある?」

「……ここだな。」


 ノームが指指した場所はポチが立っている場所の右側の壁のかなり下のほうで、つるはしとかで削るにはかなり厳しそうな場所だ。


「なるほど…掘りにくい場所はもしかしてほとんど残っていそう?」

「ふむ…そのようだ。このあたりは普通に人の手で掘られたのだろう。」

「つまり…ノームの魔法で取り出せばいいってことか。」


 何が出てくるかまだわからないけど、奥に行かなくていいのは楽でいいね。


 ここからはひたすらノームの魔法『エクシィミート』で鉱石だけを取り出してもらう。ある場所もノームがわかるので掘り過ぎない程度に調整しながら掘り出してもらった。


 それからしばらく入り口付近で鉱石と回収していると結構色々と手に入った。鉄鉱石、鉛鉱石、銅鉱石、銀鉱石…あとは少量だけど金鉱石とミスリル鉱石が手に入った。


「これがミスリルになる鉱石か…でも少なすぎて使える量になるかどうか微妙だな。」

「まだ掘るのか?」

「んー…今日はとりあえずいいかな。」


 ポチが鑑定で仕分けしていた鉱石をスフィアが袋に詰めていた。とりあえずやることがあって満足そうだ。残っていた鉱石を袋に詰め終わるとポチたちは鉱山の外へ出た。サインをした場所で登録するか聞かれたが今のところ売る予定がないので断ったら、後で売る気になったら登録に来るように言われた。


「…あ、いました!」


 帰ろうと歩き出したところで声を掛けられた。よく見ると背中に羽が生えていた。アンジュだ。羽も隠さずこんなところで何をやっているんだ…


「おいお前いいから黙って魔力よこしやがれっ」

「…帰ろうかノーム、スフィア。」


 相変わらずレムの態度が悪いのでそのまま立ち去ろうとした。


「もーレムだめだよ~ちゃんとお願いししないと…」


 まあ冗談だからそのまま立ち去ることはしないけどね。でも魔力が欲しいって…またなのか?少し詳しく聞いたほうがいいのかもしれない。


 話を聞くにしてもこのままでは目立つので、ひとまずレムに魔力ポーションを飲ませ姿を消してもらった。その後昨日と同じようにポチの部屋まで一緒に帰った。


「で?何があったのかな?」

「簡単に言いますと、またいきなり魔力がなくなりました。それで村に帰れません…」

「村に帰れない?」


 アンジュは視線を彷徨わせながら言っていいのかを考えているようだ。


「レム…村の場所って言ってもいいのかな…?」

「まあ人間には行けない場所だからいいんじゃね?」


 話を進めてもらうと有翼人の村は鉱山の頂上を少し切り開いて作ってあるらしく、鉱山の岩山を登るか空を飛んでいくしかいけないらしい。鉱山はとてもじゃないけど普通に上ることは厳しそうだ。となると空を飛んでいくしかないのだが、その途中でいきなり魔力が消えるようになくなって飛べなくなってしまうという話だ。


「今回以外でこんなことはあったの?」

「ないです…今までも何度もこの町に買い物にきているんですが…あっ1つだけいつもと違うことがありました。今まで一度も岩山上部にあった霧が晴れたことがなかったんですけど、今ないんですよね…なぜでしょう?」


 どう考えても関係しているきがするが…まあわからん。


「サラマンダー」

「はーいっサラマンダーちゃんに何か御用ですか?」

「その羽って空飛べる?」

「もちろん飛べますよー」

「魔力の消費は?」

「これは完全に自前なので、消費しませーん。」


 サラマンダーに一度様子見に行ってもらうか…


「…だそうだけど村に連絡でもしてもらうか?人は運べないかもだが手紙くらいなら持っていけるだろう。」

「そうですねっでは書いたら渡しますのでよろしくお願いします。」


 アンジュが手紙を書き始めたので、ポチは店に顔を出した後仕事部屋で今日回収した鉱石を確認することにした。そろそろ店も閉まる時間なので食事までの時間つぶしともいう。調合は寝る前でいいだろう。


 まず各1個づつ取り出し状態を鑑定する。



名前:鉄鉱石

効果:精製、分離、分解などのスキル使用で鉄が取り出せる。


名前:鉛鉱石

効果:精製、分離、分解などのスキル使用で鉛が取り出せる。


名前:銅鉱石

効果:精製、分離、分解などのスキル使用で銅が取り出せる。


名前:銀鉱石

効果:精製、分離、分解などのスキル使用で銀が取り出せる。


名前:金鉱石

効果:精製、分離、分解などのスキル使用で金が取り出せる。


名前:ミスリル鉱石

効果:精製、分離、分解などのスキル使用でミスリルが取り出せる。



 お…分解で鉱石取り出せるのか。じゃあまずはお試しで鉄からかな…


 鉄鉱石を手に取るとポチは『分解』を使用した。この世界に来て2日目に一度使ったばかりのスキルでこんな使い道が来るとは思っていなかったポチは、少し嬉しくなってきた。


 鉱石が扱えればきっといい武器とか鍛冶士じゃなくても作れるよな~


 これから新しく武器が作れることを考えると楽しくなるあたり、まだまだ子供かもなーとポチは思った。実際今のポチは16歳なのでそう感じても当たり前なのだが、元の年齢はここまで若くないので少しだけ違和感を感じている。


 順番にそれぞれ『分解』すると鉄、鉛、銅あたりは一回り小さくなったくらいだったのに対して、銀と金は半分以下のサイズに、ミスリルは手のひらに載せて握ると見えなくなるくらいの小さなサイズが出来上がった。


「とりあえずミスリルは全部取り出してみたけど…小さいのが3個か…」


 1つはナイフにするとして…そうだ!この間失敗した小型拳銃くらいなら作れるかな?ミスリルなら魔力通しても壊れることもなさそうだし?


 ミスリルを手に持つとポチは早速『生成』でナイフと銃をイメージして作り上げた。



 名前:ミスリルナイフ

攻撃力:230

 属性:無

 説明:刃の短い剣。両刃で使いやすい。込める魔力の量で攻撃力増加。



 名前:ミスリル短銃

攻撃力:150

 属性:無

 説明:魔力の弾丸を打ち出せる。魔力の量で攻撃力増加。弾丸に各種効果が付けられる。



 わー…やっぱミスリル強いな~…しかも魔力込めるとまだ強くなるとか…しかも銃の各種効果ってなんだろう?まあ試すしかないんだろうけど…ここでやったらまた騒ぎになるだろうから明日にでも試してみよう。




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