28:恒星ケプラー69C
ファルコンZ 28
『恒星ケプラー69C』
「元の宙域に戻って、恒星ケプラー69Cを目指すんだ」
マクダラはコスモセイバーを収めると、静かに、そう言った。
「なんで、マクダラが……」
「こないだの恩返し……なんて言ったら気持ちが悪いかい?」
「うん、キショクワルイ」
「ハハ、怪我の療養を兼ねて、クリミア星で古文書を検索していたらね。恒星ケプラー69Cにお宝がありそうな情報にぶちあたってね。ワープを重ねてやってきたら、向こうからコンタクトしてきた。まず、ジョージ・マーク船長のファルコン・Zを寄こせってね」
「そんなのを、まっとうに信じるタマか?」
「シカトして行こうとしたんだけどね、エンジンが動かなくなっちまってさ。ケプラー以外の方向なら動くんだけどね。そこでマゴマゴしていたら、この亜空間にジャンプするように言ってきやがった。どうやら、あんたらがケプラーに行かなきゃ、話にならなくらしい。伝言は以上。アルルカンは……」
アルルカンの胴と首が消えていた。
「……船長、アルルカンが存在していた痕跡が……」
コスモエネルギーをチャージしたコスモスが、弱々しい声で言った。
「なにか、とんでもない意志が働いているね……じゃ、マーク船長、あとは頼んだぜ」
マクダラは、自分の船に戻っていった。
「船長、ファルコン・Zが自分の意志で動いています」
船はバルスのコントロールを受け付けず、もとの宙域に戻った。
「アルルカンの痕跡も、船の航跡のあともありません。時間は大使船が蒸発した時間の10秒後です」
「あれだけの船が蒸発したんや、熱反応や衝撃波ぐらい残って……へんわ」
「船長、ミナホがなにか呟いている……」
「*:;+@&%$#:***54###`@@&@$$%$##””:**@@**;++|¥$#……」
「解析不能です。船が、言語をリフレインして、なにかインストールし始めました!」
完全にエネルギーをチャージし終えたコスモスが興奮気味に言った。
「マリア王女、どうやらベータ星には、立ち寄れそうもありまへんなあ」
「この船を動かしている意志に従うほかないようですね」
「信じられません、船長……船が、ワープし始めて……とんでもないエネルギーです!」
「衝撃に備えろ!」
しかし、衝撃は、やってこなかった。衝撃も無くファルコン・Zは2000光年以上を瞬時にワープした。
そして目の前には、恒星ケプラー69C第3惑星が青く光って迫ってきた……。




