表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファルコンZ  作者: 大橋むつお
26/29

26:さよならアルルカン・2

ファルコンZ 26

『さよならアルルカン・2』     




 アルルカンの特技は、心の先を読むことである。


 人の心も、アンドロイドの行動予測も読めた。

 そして……自分の心さえ。

 だから、街角の占い師から、十年の歳月をかけて、地球の銀河連邦大使の地位まで上り詰めた。


 そのことは問題ではない。


 問題は、アルルカンの欲である。


 地球や銀河宇宙のために使おうというのであれば、多少のことは許される。宇宙に完全な善などは存在しない。みな自己保全と、自分だけの成長が……煎じ詰めれば存在目的である。しかし、たいていの者は自己保全と成長が目的であるとしても、表面は銀河宇宙の安定と平和を願っている。いわば擬態である「善」の顔で付き合っているのが銀河連邦である。


 その中で、アルルカンは違った。アルルカンは銀河連邦の覇権を握ろうとしていた。大使というのは、そのための最後の擬態であった。


「感じる……アルルカンの心を」


「アルルカンの船には、まだ100パーセクもあるねんで。それで読めるか?」

 クルーのみんなも同じ気持ちだった。

「わたしの、ほとんど唯一の特技です。読むことと隠すこと。ただアルルカンのように先は読めません。今が見えるだけ」

「で、あいつの今の心は……?」


 ファルコン・Zのクルーは、マリア王女……マリア近衛中尉に注目した。


「危険です……ベータ星の水銀還元プラントは設計が盗まれています。設計は、すでに地球に送られ作られ初めています」

「地球の水銀を金に還元するんやな」

「しかし船長。水銀は還元の過程で1/100になります。地球中の水銀を金に還元しても、ロックフェラー級の金持ちになれる程度です」

「……投機に回したら、一時的やけど、地球の経済は大混乱やろな」

「それが、アルルカンの狙いです。その隙に地球の指導者になり、その先は……銀河連邦の支配です」

「銀河連邦の支配!?」


 一同が驚いた。


「連邦を支配できれば、わがベータ星の水銀もアルルカンの手に金として、盗られてしまいます」

「銀河連邦と言っても、その範囲は半径100光年の球状に過ぎないわ。たかが銀河の10%。その先は未知の宇宙同然。たとえハンパでも連合していなければ、これからやってくる危機には耐えられないわ」

 ミナホが、啓示を受けたように言った。

「ミナホちゃんも、なにか担わされているようね。その洞察力には、すごいオーラがあるわ」

「それより、どないすんねん、アルルカンは!?」

「破壊しましょう、船ごと」

「でも、あの船のバリアーは、コスモ砲でも打ち抜けません」


 コスモスが冷静に言った。


「わたしのソウルを同期させます」

「下手したら、死ぬで!」

「皇位の継承は妹を指名してあります」

「マリア……」

 船長以外のクルーは言葉も無かった。


「わたしも、同期します」


「ミナホ……」

「バリアーは破壊できても、シールドがあります。瞬時に破壊しないと反撃……アルルカン自身が、この船に乗り込んできます」

「ミナホ、お前には重要な任務が……よう分からんけどある!」

「わたしにも、うっすらと分かってきてます。ミナコちゃん、力を貸して」

「え、あたしが!?」


 ミナコが、素っ頓狂な声をあげた。


 マリアと、ミナホ、ミナコが手を繋ぎ、ファルコン・Zをバージョンアップした。

「反重力砲コンタクト、コスモ砲に転換……完了!」

「照準完了まで、5秒、4,3,2,1,ファイア!」


 アルルカンが、コスモ砲の発射に気づいた瞬間に、着弾。バリアーもシールドも船ごと一瞬に吹き飛ばされ、蒸発してしまった。

「やったー!」

「しまった!」

 ポチの歓声と、マリアの傷みの声が同時にした。


「やってくれたわね……」


 コクピットに、アルルカンが実体化していた……。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ