23:ベータ星滞在記・1
ファルコンZ 23
『ベータ星滞在記・1』
直後に大きな衝撃がきて、ミナコは気を失った……。
意識が戻ると、ファルコンZのコクピットは大混乱だった。
「ドライビングサーキット、オールグリーン」
「ナビゲートにウィルスは発見できません」
「装甲復元まで、30秒!」
「ベータ星艦隊、パルス砲発射を確認!」
「到達まで、32秒!」
「船の頭を敵に向け、シールドを最小にして集中防御!」
「だめです、コントロールがききません!」
「救命艇で脱出!」
「間に合いません!」
「くそ、ここまでか……」
「パルス弾到達まで20……自爆していきます! パルス弾……全弾自爆しました!」
コクピットは静寂になった。
「なんでや……」
「船長、船の識別コードが地球に戻りました……」
その時、船が動き出した
「コントロールが、戻ってきたんか!?」
「……いいえ」
「牽引ビームか?」
「いえ……ファルコンZが、自分の意志で動いています」
「こいつが……船長はオレやぞ!」
やがて、装甲は復元され、シールドは解除、コントロールは戻らず、船はベータ星艦隊と共にベータ星に向かった。
「みんな、ええ子にしとけよ。いつ撃たれても文句の言えん状況やさかいな」
ベータ星の宇宙港に着陸すると、千人ほどの部隊に取り囲まれ、上空で待機している艦隊の砲口は、ファルコンZに向けられていた。
後部ハッチが開くと、船長を先頭にミナコたちは、千人の部隊が銃口を向ける中、指揮官の前に進んでいった。入れ替わりにベータ兵が何人も船の中に入り、捜索をし始めた。
「理由は分からんけど、抵抗はせえへん……手え降ろしてもええかな?」
「手を上げろとは言っておりません。捜索は念のためですあしからず」
副官が、なにやら耳打ちした。
「船内にも異常はないようですな。それでは、我々の指揮官に会っていただこう」
「え、将軍、あんたが指揮官じゃないのか?」
その時、一台の戦闘指揮車が一同に近いところで停車。兵士一同が不動の姿勢をとった。
「ようこそ、ベータ星へ。マーク船長と、そのお仲間のみなさん」
小柄な戦闘服姿の少女が、にこやかに声をかけた。
「あなたは……」
「ベータ星のマリアです」
ベータ星での滞在が始まった……。




